2008年03月31日

バート・マンロー




まずお詫びから。
今日ご紹介する本については、
私はこの本の魅力を100パーセント
皆様にお伝えすることができません。

難解。
というのも、バイクの改造に関する
専門的な言葉がたくさんでてきます。素人にはきつい。

が、そんな部分が理解できなくても、
このバート・マンローという人の魅力は損なわれることはない。
十分に面白い。

バート・マンロー。1899年、ニュージーランドに生まれる。
機械が大好きで、戦争中には家族を守るために
大砲を自作したという。

1920年、彼はインディアン・スカウトというバイクに出会った。
彼が生涯改造を続け、スピードを追求し続けたバイクである。

彼は機械工学や空力について、
専門的な勉強をしたわけではない。
工場も持っていなかった。

「こうするといいかもしれない」。

そんなひらめきを得ると、ただちにそれを実行し、失敗し、
また新しいアイディアを試してみる。
そんな無鉄砲とも思えるような改造を続けた。

結婚はしたが、妻は愛想をつかして出て行き、仕事もやめた。
それからは休みなしで一日16時間も働き(バイクを改造し続け)、
必要な部品も自分で作った。

普通、部品などはどこかで買ってきたりするのが
当たり前だと思うが、バートはなんと、
自分で鋳型にアルミを流し込んで作っていたというのだから
恐れ入る。

きっと、時間がかかるのは
そういうすべて手作りという作業のせいだと思う。
なんというか、執念と根気の恐ろしさを感じる。

作業場に寝泊りし、ひたすらスピードを追い求めるバート。
彼はバイクの装飾には一切興味がなかった。
少しきれいにしたら、と言われても、
それでスピードがあがるのか?と問い返したという。

彼がアメリカでのレースに参加し始めたのは60歳になる頃。
改造がすぎて、車体がゆれ、ブレーキもまともにきかず、
コースをなぞることすら難しいバイクで、
彼は何度も記録を塗り替えた。

足にやけどをしたり、止まれなくて
大怪我をするのもしょっちゅう。
それでも、彼はスピードを上げることにこだわり続けた。

彼は人懐こくて、けっこうずうずうしい性格だったようだ。
アメリカでバイクを整備するのに、空軍基地に出向き、
そこの工作機械を借りたりするくらいの度胸がある。

まわりを省みず、70歳を超えてもバイクにまたがり続けたバート。
うらやましい一生である。

世界最強のインディアンというタイトルで、
映画化もされているバート・マンローの生涯。

バイク好き、特にご自分でバイクを改造できる人に
はたまらない一冊だ。





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2008年03月28日

仕事が10倍速くなる! スピード手帳術




やりたいことがたくさんある。
仕事も遊びも充実させたい。
忙しい現代人なら誰でも考えることですよね。

今まで、いくつかスケジューリングの本をご紹介してきましたが、
そのどれもに共通していることがあります。
それは、「予定をきちんと立てることが大切」ということ。

予定なんて立てる時間がもったいない。
計画なんて、してるひまがない。
そんなことを言う人は、
実は時間を無駄にしていることに気がついていないんだそうだ。

そんなわけで、今回は具体的に計画を立てる、
手帳をうまく使う方法をご紹介です。

手帳、使っている方は多いと思いますが、
書かれているご予定はどんなものがありますか?

この本の著者は、手帳には仕事もプライベートも、
両方の予定を書くのがよいと言っています。
プライベートの予定があると、仕事のモチベーションがあがるから。

また、To doリストを手帳に挟んでおくことも提案しています。

To doリストは基本的に一日完結。やることを書いておいて、
終わったものには丸をつけていきます。
やりとげたことを視覚化することで、充実感が得られる。

これはプライベートなことも書いておくと、
仕事の空き時間を利用することができます。
たとえば、病院の予約程度のことなら、
休憩時間を利用してすませることができますもんね。

また、行動レベルまで落とし込んで記入することが大事。
「勉強をする」ではなく、
「参考書の10ページを読む」などとしておくとわかりやすい。

リストは一日で処分し、翌日には新しいものを用意する。
「ああ、あれ、今日はやらなきゃな」と
何日も持ち越すことを予防することができます。
リストの作成は、必ず前日のうちに行っておきましょう。

やることが明確になったら、
予定を自分の都合で組み立ててゆくようにしたいもの。

自分で予定を組むなんて、サラリーマンには難しいんじゃない、
なんて思いつつ読んだのですが、さにあらず。

電話の相手が不在のときに、
「折り返し連絡をもらえますか?」ではなく、
「こちらから、何分後にもう一度お電話いたします」。

たったこれだけ。
これが、自分で予定を組み立てていくということなのです。
これならできそう。

予定を組むことが、実は時間の有効利用につながる。
それはわかっていてもなかなか実行できない。そんな方に。

毎日を充実したものにするために、
ご一読いかがでしょう?




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2008年03月27日

ちいさくても大丈夫





ロベルト・カルロス。
サッカーのブラジル代表として
10年以上活躍したスーパースター。
そのロベルトに、直接取材をして書かれたという本です。

ブラジルのコーヒー農園で働く貧しい一家に、
小さな男の子が生まれました。

男の子の名前はロベルト・カルロス。
喜んだお父さんは、ロベルトに
サッカーボールをプレゼントしました。
ブラジルでは、それは珍しいことではないのです。

やがて、お父さんが町で仕事を見つけ、家族は引っ越すことに。
トラック運転手になったお父さんが、
ある日ロベルトとお姉ちゃんを呼び出して言いました。

「家族のために、仕事をしてくれないか?」

ロベルトは学校が終わると工場で働きます。
サッカーができなくて悲しんでいると、
お父さんがまた、ロベルトに言いました。

「世の中は、好きなことだけをして生きていけないんだ。
それに、サッカーを続けていれば、
お前にはもっとつらいことが待っているんだよ」

お父さんは、そう言いながらも近所のサッカーチームに
ロベルトを誘ってくれました。

ロベルトは小さかったので、
周りにはねとばされないように、
いつもお父さんのそばでプレイをするように
気を使ってくれていました。

となりの町のクラブの先生が、ロベルトの才能を見出してくれ、
ロベルトは、プロの選手になることを決意します。

「家を出たら、誰もお前を守ってやれないよ」というお父さんに、
ロベルトは「はじめる前からあきらめるのはいやだ」と
返事をしました。

体が小さく、体重も軽いので、
みなにはねとばされてしまうロベルト。
しかし、ロベルトは毎日毎日、みんなが練習を終えても、
休みの日でもボールをけり続けました。

スター選手になったロベルトは、子供たちに語ります。

「だれよりもがんばった子には、必ず、勝利を幸せが訪れる。
今何かが足りなくても、自分が弱く、小さく感じても、大丈夫。
思いやゆめが強ければ、きっと願いはかなう」

イラストもかわいらしく、
漢字には全部ふりがなが打たれています。
小学生くらいのお子さんにもきっと楽しんで読んでもらえる一冊。





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2008年03月25日

そうだったのか!中国part2






しかしまあ、1冊の本を2回に分けるなんて思いもしなかった。
自分で言ってどうするという感じですが、本当に情報が多いです。

文章も丁寧で平易なので、
中国の現代史を大まかに把握したい方にはおすすめ。

さて、今度は中国と諸外国の関係を述べてみようと思います。

台湾には、中国本土から共産党との権力争いに破れた
国民党が逃れてくる。

同じ共産国家であるソ連とは、
ソ連がスターリンを批判したことから
一時戦争になりかけるほど関係が悪化。
そんな中、対ソ戦略が一致したアメリカと、
中国は関係を深めてゆく。

アメリカに先を越されたものの、
日本も中国と首脳会談を行う。
その際に、中国は戦争においての損害賠償を
放棄すると宣言している。

ケ小平が日本を訪問するなど交流が続き、
中国もここに来て資本主義を導入することを決めた。

彼は、同時に「百花斉放」という方針を打ち出した。
言論の自由、思想の解放を訴えたのだ。

それにより、北京の町角に壁新聞が張られるようになる。
民主化運動が学生たちの間に広がっていく。
それを黙認したのが胡耀邦だ。

ケ小平はそれを許さず、彼を失脚させる。
その後、胡耀邦は心筋梗塞で亡くなるのだが、
それをきっかけに学生たちが立ち上がり、天安門広場に集まった。

学生たちは共産党に反対していたわけではない。
労働者の歌、インターナショナルを歌い、
共産党の下での民主化を要求していた。

しかし、共産党はそれを暴動とし、
未明に打ち上げられた信号弾を合図に
戦車や装甲車を広場に侵攻させた。

現在、中国が若者に対して反日教育を施しているのは
この天安門が与えたショックが大きかったからだと
著者は分析している。

歴史の授業が増やされ、抗日運動を戦った
(本当は、前面に出たのは国民党だったそうです)
共産党の正当性を教え込む。
民主化を叫んでいた若者が、反日を叫ぶのは
この「成果」が出ている。

現在、中国は軍事力を強化し、都市の経済を発展させている。
しかし、農民は戸籍法のため農村を離れることができず、
重い税金に苦しんでいる。

そんな現在の中国にも筆は及んでいる。

私は高校の頃、世界史を選択していましたが、
こんな現代史は学んでいませんでした。
今さらですが、中国の姿を知るのには最適な一冊かと。

それにしても、スタッフさんのご協力ももちろんおありでしょうが、
この池上さんという方の勉強量はものすごい。
感動した!





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2008年03月24日

そうだったのか!中国




先週から、北京オリンピックに関するニュースを
耳にするようになりました。
開催直前なのに、明るいものばかりではありません。

地理的に、とても近しい国中国。
その姿を、私は案外と知らないのではないか。

そう考えたので、本屋さんで中国関連の本を探してきました。
この「そうだったのか!」シリーズは何度か取り上げています。
マンネリかとも思いましたが、
中国関連の中で一番扇情的・感情的でなく、
情報が多いという点ではこちらが一番だったように思います。

中国の現代史を、非常に詳しく解説しています。
内容が濃いので、今日と明日、
二日に分けてご紹介させていただきたいと思います。

本日は、共産党の成り立ちと話題のチベット問題について。

1941年、毛沢東は天安門の上に立ち、
中華人民共和国の成立を宣言した。
農民に土地を与えるというやり方で、
大多数の人民に支持されての船出である。

中国では共産党が一番の権力を持っている。
警察や司法も、共産党の「指導を受ける」という地位だ。

土地を農民に戻してその地位を得たのに、
権力を握った共産党は、再び農民から土地を取り上げる。
国家の持ち物ということになる。

自分のものでなくなった土地に、
農民のモチベーションは下がる一方だった。

さらに、稲を密集して植える
(見た目では豊富に実っているように見える)、
深く耕すとよいと教えられたため、
数メートル畑を掘るなどの荒唐無稽な農法で、
生産量は激減。国土を飢餓が襲う。

さらに、知識人を追放するための文化大革命が起きた。
資本家、地主などが労働者の敵として祭り上げられた。

この革命で、300万人が投獄され、
50万人が処刑されたというデータがあるが、
自殺者、武力闘争などでの犠牲者はもっといるはずだ。

また、現在ニュースが取り上げ始めた
チベットについても述べらている。

中国にとって、チベットは「僧侶が支配している封建社会」。
それを解放するという大義名分の下、中国は侵攻を開始する。

1951年、チベットを地方政府として認める
「チベット平和解放に関する協定」を結ぶ。

チベット人の望まない改革は行わないという内容のものであったが、
実際には、首都ラサに2万人の兵士が配置された。
これは当時のラサの人口の約半分にあたるというから
かなり大規模である。

チベット族の反乱が相次ぎ、共産党はこれを弾圧。
処刑の際に「ダライ・ラマ万歳」を叫ぶ人の
舌を引き抜くこともしたそうです。

チベットが被害を受けたのは弾圧だけではない。
中国本土を飢餓に陥れた共産党的手法の農業が導入され、
気候に合わない農作物の栽培が強制された。

環境汚染、伝統的農業の破壊。
これらも十分にチベット人を窮地に追いやっているのである。

北京からラサへの直通鉄道ができて以来、
漢族が大量にチベットにやってきている。

漢族の勢力が大きくなるチベットから、
インドへ亡命する人たちが増えているが、
中国の国境警備隊が彼らに発砲する事件もあった。

マスコミでは暴動と言っているが、
果たしてそれは正確な言葉なのだろうか。

明日は天安門と反日政策について、
こちらの本の内容をまとめてみようと考えています。





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ドアラのひみつ





本屋さんでこんな本を見つけたけど、
てっきり愛知県だけのことだと思っておりました。

ところがところが。このドアラ、
今、日本全国でブームになっているようです。

ドアラとは、中日ドラゴンズのマスコットキャラクター。
大きな耳と鼻、コアラをモデルにしています。

試合中のパフォーマンスがユニークさが、
インターネットの動画投稿サイトでは大注目されているんだとか。

そのドアラを、徹底取材した一冊。

まず、ドアラのプロフィールから。
基本的にマイナス思考。お腹が弱く、
プレッシャーにいつも負けてしまう。
涙もろくてドラマや映画で泣いてしまう。
自信があるのはウエストライン。

なんだかなあ。すっきりさわやかスポーツマスコットとは
お世辞にも言い難い。

そしてドアラに一問一答。

・ドアラ、悩みはありますか?

老後が心配です。
あと、7回裏にバク転をするんですが、
これが成功するとドラゴンズが勝つといううわさがあります。
そのプレッシャーがつらい。
試合の成果をマスコットのせいにしないでよ。お腹も痛くなるし。

・ドアラ、好きな言葉ってなんですか?

「休憩」です。あっ、四文字熟語みたいなやつですか?
「お腹一杯」です。

・ドアラ、人生ってなんですか?

ぜんっぜんわかりません。

・ドアラ、お金だけが人生じゃないですよね

何を言っているんですか?人生はお金です。
お金があればなんでもできる〜!

どこかのIT企業の社長が言ってあれだけ叩かれた台詞、
ドアラが言この通り。
なんだか気が抜けちゃって、思わず笑っちゃうから不思議。

こんなドアラですが、仕事を失わないよう
一生懸命頑張っています。

中日ドラゴンズのマスコットはドアラですが、
中日の本拠地が名古屋ドームに移転したときに、
球団に新しいマスコットが生まれました。

シャオロンというドラゴンをモチーフにしたマスコットなんですが、
そのときにドアラは非常に危機感を感じたらしい。
シャオロンに負けないように、マスコットとして存続するために、
ドアラは得意のバク転を武器に磨きをかけています。

最後に、森野選手のインタビューを掲載。
ドアラは森野選手に、親指と人差し指を輪にして、
「金くれ」と近づいてくるのだそうです。

笑いと愛がいっぱいつまった一冊。






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2008年03月20日

リリイの籠





やられた〜!
いやあ、女子高生を描いた短編集なんだけど、これはいい。

収録は7作品。その中で、
私の好きな2つのあらすじを簡単にご紹介します。

・忘れないでね
美奈の父親は転勤族のサラリーマン。
美奈も、転校を何度もくり返してきた。

転校生である美奈が学校で友達に選ぶのは、
ちょっと浮いている子ばかりだった。
友達のいない、一人でいる子。
そんな子なら近づくのが楽だからだ。

嫌われている子と友達になるけど、
いつも自分はその子たちを置き去りにして転校する。
逃げられるのだから、いやな子と一緒にいるのも
我慢しておけばいい。

でも、今回はちょっと失敗だと思っている。
もう父親が転勤することはないのに、
またいつものくせなのか、
クラスで嫌われている真琴と友達になってしまった。

大学受験だけが真琴から逃れられる道だと美奈は思う。
成績の悪い真琴と、同じ大学を受けたものの…。

別れ際に真琴が言う。
「美奈に話しかけてもらった時、あたしすんごく嬉しかったよ。
美奈が居てよかった」

・ゆうちゃんはレズ
ゆうちゃんは大粒のマシュマロのような女の子だった。

明子は後輩のゆうちゃんから告白される。
「あたし、先輩が女の子だからじゃなくて、
明子先輩だから好きなんです。
ただ一緒にいて嬉しくて、ちょっとどきどきして、
もっと話してみたいなって。

あんまり考えなくていいから、
あたしともう少し一緒にいてくれませんか?」

そして、明子はゆうちゃんとメールをしたり、勉強をしたりする。
頬に軽いキスも受ける。

しかし、大学の入学式を控えたある日、
ゆうちゃんはささいな事件をきっかけに明子に別れを告げた。

男性の教師に憧れる生徒が明子の友人として登場するのだが、
それがまた絶妙。

どう絶妙かというと、ゆうちゃんの先輩への恋心と、
「ゆうちゃんが自分を好きな気持ち」を
好きになってしまう明子の心理、
これがうまく友人の恋に重なって描写されているからだ。

まだ恋を知らない、恋に恋している未熟な年頃の心情が、
とても上手に書かれている。

うそやろ〜。こんな上手な作家さんがいたなんて。感動!

女の子の残酷さ、未熟さ、純粋さ、
そんなきらきらした感情が、たくさん描かれている短編集。

女子高生の方にもおすすめしたいが、
かつて女子高生だった大人の女性に読んでもらいたい。
そして、その女子高生に憧れ、
悩まされたかつての男子高校生にも。

要するに、みんな読んでみたらどうだい、ってことだ!




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2008年03月19日

としょかんライオン




絵本です。めちゃくちゃかわいい。

ある日、町の図書館にライオンが入ってきました。
図書館員のマクビーさんは、
図書館長のメリウェザーさんのところへ走っていきます。

メリウェザーさんは叱ります。「走ってはいけません」
マクビーさんはそれどころではありません。
「図書館にライオンがいます」と言いました。

するとメリウェザーさんは、
「そのライオンは、図書館の決まりを守らないのですか?
そうでないなら、そのままにしておきなさい」
と返事をしました。

ライオンは、図書館をゆっくり歩き回り、
昼寝をし、お姉さんのするお話に聞き入ります。

とても楽しかったようで、お話が終わると、
うおおおおおお、と大声で吠えました。

それを見たメリウェザーさんがライオンに注意をします。
「大きな声を出す人は、図書館に入ってはいけません」

しょんぼりするライオンを、小さな女の子がかばいました。
「でも、静かにするって約束すれば、いてもいいんでしょ」

それから、ライオンは毎日図書館にやってきて、
仕事を手伝うようになりました。
そして、お話の時間を楽しみにしています。

でも、ある日、本の整理をしていた
メリウェザーさんが怪我をしてしまいました。

それを見つけたライオンは、走ってマクビーさんのところへ行き、
大声で知らせます。

決まりを守れなかったライオンは、
次の日から姿を消してしまいました。

ライオンの姿が見えなくて、
元気がなくなってしまったメリウェザーさんのために、
マクビーさんはライオンを探します。

そして、図書館の前でうなだれて座っていた
ライオンを見つけました。
マクビーさんは言います。

「決まりは守らなければいけない。
でも、ちゃんとした理由があるときは、別。
つまりその、怪我をした友達を助けようとするときなんかね」

次の日、ライオンはまた図書館にやってきました。
知らせを聞いたメリウェザーさんは、
走ってライオンに会いに行きます。


知人の子供が、この本が大好きで手放さないそうだ。
ついでに図書館も好きな子になってくれるとうれしいなあ。

小さい子供さんがいらっしゃる方にはぜひ、おすすめしたい一冊。
明日のお休みに、図書館で探してみてはいかがでしょう?






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2008年03月18日

みんなで考えよう 世界を見る目が変わる50の事実




「世界を見る目が変わる50の事実」という本を、
若者向け(子供向け?)に編集しなおした本。
イラストが多く、字が少なくなっています。

イギリスのジャーナリストがまとめた本で、
世界にはこんなことがある、と統計の数字を示している。

世界の不平等について考えようという趣旨で書かれたものではある。
が、大変簡単にまとめられているので、
ちょっとしたネタ、マメ知識として読んでもけっこうおもしろい。

・ブラジルには軍人よりも、
化粧品の訪問販売員のほうがたくさんいる。

エイボンという会社では、
女性が訪問販売員としてはたらくことができる。
学歴や資格は不問なので、多くの女性の自立を助けている。

外見が優先されるブラジルでは、美容産業は景気がいい。
ブラジル軍の兵士が28万人、エイボンレディは100万人。
兵士よりも美しい女性が多い国ってのはなかなかいいなあ。

・先進国の国民は、一年間に7キロの食品添加物を食べている。

コンビニで売っているハムサンドには、
13種類もの食品添加物が入っているそうだ。
一年間で7キロか。気をつけたい。

・マクドナルドの黄色いMマークが分かる人は88パーセント。
キリスト教の十字架はたった54パーセント。

ヨーロッパでは、「宗教を信じる人は未熟」と言う人が増えている。
宗教を信じない人が増えている。

・アメリカ人の3人に1人は、
エイリアンがすでに地球に来ていると信じている。

はい、うちの配偶者もそうです。

・世界では7人に1人が日々飢えている。

一方で、アメリカでは痩せたいという気持ちが
病気にまでなっている。
摂食障害を患っている女性が700万人もいる。

地球全体で食料が足りないわけではない。
均等に分けることができれば、飢えはなくなるはずだ。

・世界の紛争地域で戦う子供兵士は30万人。

・世界の人口の70パーセントは電話を使ったことがない。

・武力紛争による死者よりも、自殺者の方が多い。

難しい漢字には読み仮名がふられているので、
子供さんと一緒に読んでも楽しいかも。

ちょっとだけ、世界のことを考えるきっかけになる一冊。







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2008年03月16日

乳と卵




第138回芥川賞受賞作品。
ストーリーはいたってシンプル。

主人公は大阪出身で、現在は東京で暮らしている。
一人暮らし。どうやら会社員らしい。

夏の暑い時期、主人公も休みなので多分盆の時期なんだろう。
姉の巻子とその子供、緑子が上京してくる。
主人公のアパートに泊まって、
巻子は豊胸手術を受けると言っている。

その母親に、娘の緑子は何か思うところがあるらしく、
ここのところ直接口を利くのを避けている。
用事があるとノートにペンで字を書いて母に示す。

文章が非常に特徴的。

「わたしは一瞬迷ったが、なあ、緑子は喋らへんだの、と訊くと、
緑子はちょっと間をおいて頷くので、
それは巻子に対しての何らかの抗議的な? 
すると<別に>と書き、続けて<そんなんちゃう>と書き、
喧嘩?と続ければ首を振って…」

ってな感じ。とにかく読点までが恐ろしく長く、
時々地の文に関西弁が入ってくる、
ちょっとばかり疲れる文章である。

まあいいや。とりあえず読みすすめると、
巻子がこれまたちょっと困ったお母さんで、
銭湯に行っては人の体を眺め回し、「私の胸、どう?」と妹に尋ね、
翌朝は一人で出かけてしまって戻ってこなくなったりする。
こいつにも疲れる。

娘の緑子は、主人公と花火を買って母親の帰りを待っている。
遅くなって戻ってきた母は、
離婚した元の夫に会ってきたとほろ酔い加減である。

緑子が感情を爆発させ、台所に捨ててあった
賞味期限切れの卵を自分にぶつけて割り、卵まみれで叫ぶ。

「む、胸をおっきくして、お母さんは、何がいいの
私を産んで胸がなくなってもうたなら、しゃないでしょう
あたしは、お母さんが心配、お母さんが、大事」

豊胸手術を受けた人間が、自殺しているというデータを
いつの間にか手にしていた緑子は、母を心配していたのだ。

巻子も卵を手にとって、自分の体にぶつける。
お母さん、ほんまのこと言うて、という娘に泣きながら応える。

「緑子、ほんまのことってね、あると思うでしょ
でも緑子な、ほんまのことなんてな、ないこともあるねんで」

巻子。場末のホステスで、生活はぎりぎり。
深く物事を考えている風でもなく、
娘の教育に熱心というわけでもない。
だが、この親子の間の感情の揺れに、心を動かされる。

文章が独特だし、主人公の生理のことなど、
かなりリアルで男性にとっては
グロテスクに思えるだろう描写もある。
しかし、私はこの作品が好きだ、と思った。

胸がふくらんでいく。生理が始まる。女になっていく不安と、
母の豊胸手術。
思春期の女の子の心の揺れが、私には覚えのあることで、
読み進むうちに緑子が愛しく思えてくるのだ。

最後には、へんてこな文章が気にならなくなっている。
読んでいる今はまだ寒い三月なのに、
じっとりと汗ばんでくる気がするから不思議。






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2008年03月13日

夢をかなえるゾウ




僕は普通のサラリーマン。
普通が難しいこの時代、なかなか十分じゃないかとは思う。
だけど、友人とセレブが集まるパーティに出た日、
自分がみじめに感じられて、泣きながら眠ってしまった。

翌朝起きてみると、奇妙な化け物が部屋にいた。
ゾウの顔、二本の手、そして関西弁。
「ガネーシャやがな。タバコ、吸うてもええ?」

ガネーシャと名乗るそいつは、インドの神様だった。
ガネーシャは聞く。「覚悟、でけてるわな?」

成功したいと、僕はガネーシャに泣きながらすがったらしい。
酔っ払っていたから覚えていない。
しかし、ニュートンも、ナポレオンも、
ビル・ゲイツも育ててきたというガネーシャと、僕は契約を結んだ。

ガネーシャの言うことを聞くこと。聞かなかったら、
もう一生夢なんか見ずに後悔しながら死んでいく。
そんな契約だ。

ガネーシャは、一日ひとつ、僕に課題を出す。

靴を磨く。募金をする。食事を腹八分におさえる。
会った人を笑わせる。トイレ掃除をする。
その日頑張れた自分をほめる。
決めたことを続けるための環境を作る。夢を楽しく想像する。

運が良いと口に出して言う。明日の準備をする。
身近にいる一番大事な人を喜ばせる。誰かのいいところをほめる。
プレゼントをして驚かせる。

ガネーシャが何度も強調するのは、実行しろ、ということ。
僕は今まで何度も自己啓発書を読み、
変わろうとするがすぐに忘れてしまっていた。

そのことを皮肉られ、奮起し、
時にはガネーシャと殴り合いをしながら僕は課題を実行していく。

そうやって主人公が成長していくという話なのだけど、
こういう書き方をしてもこの本の魅力は十分には伝えられない。

この本の魅力は、ガネーシャという神様の強烈な語り口と個性だ。

タバコが好き、パチンコ大好き。
パチンコ玉をもらうために美女に変身する。
あんみつが好き。関西弁。ちょっと類を見ない神様である。

関西弁がいい。こんな感じである。

「ええか?自分が成功したかったら、その一番の近道は、
人の成功を助けること、つまり…愛やん」

そして、僕の成功を助けてくれたガネーシャは最後に言う。

「そやかて、無理すんなや。
成功目指して頑張る自分もええけど、
ビール飲んでほっぺた赤くして絡んでくる自分も、好きやで。

成功だけが人生やないし、理想の自分あきらめるのも人生やない。
ぎょうさん笑うて、バカみたいに泣いて、世界を楽しんでや」

成功だけが人生ではない。
しかし、成功したいと思ったら、
いろんな自己啓発書を読むだけじゃなくて、やってみよう。
実行しよう。
周りの人を笑わせて、楽しいことをして、
自分をほめて成功しよう。

私、この本を毎日少しずつ読み返すことにしました。
テンション上がるんだ。

ガネーシャ大好き!





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生きさせろ!





生きさせろ!
非常に生々しいタイトルである。
フリーター、ワーキングプアをテーマにした本。

著者は1975年生まれ、32歳。就職氷河期と呼ばれる世代である。
彼女自身、美大受験失敗の後フリーターを経験している。
そのせいか、やや感情的なのがこの本の悪いところでもあり、
よいところとも言えるかもしれない。

著者によると、現在の劣悪な労働環境を作り出したのは
95年に出された「新世代の日本的経営」という提言だそうだ。
まとめたのは日経連である。

それによると、不況に陥る日本において、労働者は

1、長期蓄積能力活用型
2、高度能力専門活用型
3、雇用柔軟型

の3つのパターンに分けるべきだという。

1が正社員、
2が、どうなんだろう、フリーで活躍する
クリエイティブな仕事をする人か。

そして、3が仕事の量に応じて調整する派遣、
日雇い労働者ということだ。

この本は、「あなたは悪くない!」というメッセージを
何度も発している。

フリーターになって、その状況から抜け出すことができなくても
自分を責めないで。
国家と大企業が、その状況を作り出しているのだ、ということを
何度も述べる。

その根拠となるのがこの提言というわけだ。

この本には、劣悪な労働環境で働かされる人々のことが
たくさん出てくる。
中でも驚いたのが、カメラの製造メーカーで派遣として働き、
過労死した23歳の若者の話だ。

彼はアメリカの大学に留学するため、
派遣をして学費を貯めようとする。

不規則な勤務、海外出張、長時間の残業、休日出勤。
これ、非正規雇用の若者がこなすべき仕事なの?

やせこけて、うつ病になり自殺。
死後2日発見されなかったというのだが、
23歳の若い男性の人生がこんな風でいいわけはない。
残されたお母様の心痛を思うと胸が痛い。

彼の場合はまだ帰る家があったわけだが、
何らかの理由で家族のもとへ帰れない人間だっている。

そんなときは、我慢しないで生活保護を堂々と申請すればいい。
するための支援団体、申請マニュアルなども掲載されている。

なんというかなあ。

著者が非常に感情的なので、読んでいて
少し引いてしまう部分はある。それが悪いところ、よくない部分だ。

しかしこの、ある意味「なんでも企業と国が悪い!」という
鬱屈した、理不尽ともいえる怒り。

これは、同じ就職氷河期世代の私には少なからず
同調もできる部分なのである。
冷静に見たら「ちょっと自分勝手だろ」とすら言える怒りを
素直に表現しているという点ではいい本と言えるのではないか。

生きる権利は誰にだってある。
憲法で保障もされているはずなんだよな。




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近代ヤクザ肯定論





山口組の成立から90年。
その変質を丁寧に追うことで、ヤクザの歴史、
果ては日本社会の変質にまで言及している。

初代山口組の組長となる山口春吉は、
故郷の淡路島で食いはぐれて、港町神戸にやってきた。
神戸にはたくさんの船が着く。技能を必要としない、
体ひとつで働くことのできる仕事があった。

まじめで義理堅い性格の春吉は、次第に仲間たちの信頼を得てゆく。
当時、日雇いで低賃金の労働者を束ねているのはヤクザであった。

労働者のリーダーになった春吉は、
自然にヤクザとも連携を持つことになり、ここに山口組が誕生した。
山口組の最初の姿は、下層労働者たちの寄せ集め集団だったのだ。

春吉は実直な労働者で、ヤクザの組の運営には向いていないと
自ら判断したようだ。
早々に長男の登に代を譲る。
彼が二代目組長である。
その登は、芸能などの分野に手を広げ、組を発展させる。

著者は言う。ヤクザは日本社会の中に組み入れられた、
社会に根づいた存在であった、と。

被差別部落の仕事の仲介をしたり、
長子相続のために田畑を持てない次男、三男たちに
生活のすべを与えるのがヤクザであった。
村で困ったことが起きるとヤクザに仲介を求め、
カネの無心に行くこともごく普通に見られる姿だった。

著者のご実家(ヤクザの組である)に
相談に来る人々が書かれているが、
敬遠されつつもその存在を認められていた当時の様子が想像できる。
社会からあぶれたものの受け皿、と言ったところか。

戦後の混乱期、日本には生存のために集団を作る人々の姿があった。
台湾人、朝鮮人の集団が、極貧を生き抜くために結束し、
暴動を起こすことがあった。

朝鮮人の集団と言っても、そこに日本人が混じっていることも
多く見られた。
思想哲学というより、生活のために結びついた集団で、
市内で銃撃戦を繰り広げることもあったそうだ。

その鎮圧に当たったのがヤクザである。警察署を占拠され、
ヤクザの力を借りて脱出する警官もいたのだそうだ。

本来公的機関が行うべき「負のサービス」を
ヤクザが担ってきたという事実がそこにはある。

しかし、経済発展を遂げる社会にはその不安定な存在は不要になる。
社会の格差がなくなり、中流化がすすむ社会には
ヤクザは存在することができない。

そんな中、山口組を大きく変貌させたのが三代目、田岡一雄である。
彼は、組員に「駄菓子屋でもいい」、仕事を与えようとした。

事業部を設立し、暴力組織と切り離した。芸能部を設立し、
もとのつてをたどって港湾関係の会社に食い込んだ。
土木の分野にも手を伸ばした。

田岡に関する記述は多く、
ここで少ししか紹介できないことが残念である。
非常に任侠心にあふれた人柄であったようだ。

彼がお嬢さんに、「お父さん、山口組って何?」と聞かれたときの
答えが彼の心情を語っている。

「人間てな、いや、男というもんは弱いもんや。
ひとりでおられへん。そやから、みんなで集まるんや」

警察による暴力団追放の動き、カリスマである田岡の死によって、
日本のヤクザはひとつ大きな転換期を迎えたようだ。

現在、格差社会の中でドロップアウトする人間は増えつつある。
だが、そこにかつてのような受け皿はない。

ヤクザを肯定するとは何事か、とお叱りを受けるかもしれない。

しかし、著者が書こうとしているのは差別をされ、
社会にうまく適合できなかった人間の歴史である。
常に矛盾をはらんでいる人間社会の記録である。

戦後の裏社会の動きとしても大変面白い。
情報、文章の量がとても多いので、読むのには時間がかかるが、
それを無駄だとは絶対に思わない。

読み応えあり。今週ご紹介した本の中で一番おすすめの一冊。





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2008年03月12日

手塚治虫「戦争漫画」傑作選





漫画、嫌いではないんだけど、古い漫画は苦手だった。
というより、これだけ新しいものがたくさん出ているし、
今さらねえ、という気持ちがどこかにあった。

さらに、手塚治虫というと、漫画といっても
もはや教科書のような気がして、
どこか敬遠していたというのが事実。

それが、ふとしたきっかけで次第に興味が出て、
ブラックジャックを手にとってみたら、これが面白かった。
やっぱり、いい本は時代なんて関係ないんだなあと
改めて思いました。

思っていたら、新書でこんな本を発見。
手塚治虫の作品で、戦争に関連するものを集めた本です。

特高に目をつぶされた絵描きと彼を支える女性の話。「女郎蜘蛛」
非道なナチス将校の、「処刑は3時に終わった」。
日本軍将校が、傷つき、たどり着いた村には
不思議な若い男女がいた。「大将軍森へ行く」

手塚治虫=子供のもの、アニメと、本気で思っていた私の脳みそを、
ブラックジャック先生に治療していただきたい。
性能がよくないのはわかっていたが、
ここまでとは!恥ずかしい!

手塚漫画は非常にシニカルでユーモラスであり、
批判精神に富んでいる。大人の読み物である。

そんなことを今さらいうところがもう恥そのものです。すみません。

さて、最初に収められている「紙の砦」というお話のご紹介。

大寒少年は中学生。学校に行っても、
竹やり訓練か防空壕掘りしかすることがない。

そんな彼の楽しみは漫画を描くことと、
友達の京子ちゃんと話をすることだ。
大寒少年は漫画家、京子ちゃんはオペラ歌手になるという
夢を持っている。

昭和20年3月、見張りをしているところに敵機襲来。空襲だ。

焼夷弾を落とされ、人が焼け死んでいる。
京子ちゃんも顔に傷を負った。大寒少年は思う。
「これ、人間かい?人形が焼けたんじゃないのかい?
地獄ってこんなもんかねえ」

京子ちゃんを連れて逃げる途中、
墜落した飛行機に人々が群がっているのを見つける。
アメリカ人の操縦士を、皆でたたき殺すという大人とともに
棒を握るが、
無残な顔を見た彼は棒を振り下ろすことができなかった。

これは、手塚治虫の少年期の実体験を基に
描いた作品なんだそうだ。

京子ちゃんの存在は創作である。
しかし、傷を負って夢をあきらめざるを得なかった
「京子ちゃん」が、あの時代にはたくさんいたのだ。

手塚治虫は、戦争の体験に強烈なショックを受けた。
そしてそのショックを伝えるために漫画を描いていると
後に語ったそうだ。
そんな人の作品が子供のものだけであるわけなんてない。
ないったらないんだ!

今日は少し感情的ですみません。
ほんと、自分が食わず嫌いだったのが恥ずかしくて仕方がない。

もしそんな方が他にもいらしたら、
お手軽なこの新書からぜひどうぞ!







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3週間続ければ一生が変わる (Part2)





明るい。読みやすい。自己啓発書の正統派。

101の小さい章に分かれているので、かばんの中に入れておいて、
待ち時間に好きなところを読む、ということもできる。

待っているうちに
ちょっとアメリカンポジティブな気分になれるので、
営業の方にはいいかも。

・著者は毎朝5時に起きる。一人の「聖なる時間」を持つように
している。瞑想などではなく、物事を考えるようにしているのだ。

考えることは、今日が人生で最後の一日だったらどうだろう、
ということ。

私はたっぷりと夢を見ただろうか。愛しただろうか。
静かに地球を歩き、見つけたときよりいい状態にしただろうか。

そんなことを問うのだそうだ。

・成功は日々の練習の賜物である。
アスリートはそれをよく知っていて、日々練習を欠かさない。

・やる気を持続するには、
1、成功がどのようなものか書いて明確にする
2、成功に向かってスタートする
3、日々、少しずつ成功に向かっていく

・考える時間を持つ
ピーター・ドラッカーが言っている。
「まったくするべきではないことを能率的にする。
これほど無駄なことはない」

やるべきことを考え、優先順位をつけよう。

・運動する。健康は何より大事なものである。
毎日何らかの運動をしよう。

・あきらめない。失敗を恐れない。革新し続ける。

・ごくわずかなチャンスをつかむ。
著者は、あるホテルで有名な俳優がいるのを見つけた。
しかし、話しかけるきっかけをつかむことができず、
そのことを今、後悔している。

人生は短すぎるから、ちっぽけにふるまっているひまはない。


どうでしょう。
アマゾンの書評に、「栄養剤」という表現があったが、
すごくいい言い方だと思う。

そうなんだよなあ。主食ではないんだけど、
たまにこういうのを読むのは精神的にとてもいい。







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2008年03月11日

生きのびろ!若井おさむの機動戦士ガンダム名言集





昨日が生きさせろ、
本日が生きのびろ、というわけですが。

本日ご紹介の本は、芸人若井おさむが書いた「ガンダム名言集」。
く、くだらない…。
なのに、うちの配偶者は笑い転げながら読んでおりました。
あほですわ。

私たち就職氷河期世代のココロをがっちりつかんで離さない、
初代ガンダムの台詞に、若井おさむがコメントをつけるという構成。

若井おさむさんは、
主人公アムロの服装をしてテレビに出ている芸人さんです。

・赤い車を見ると言ってしまう台詞。はい、おわかりですね。

「シャアだー。あ、あ、赤い彗星だっ!」 (初代WB艦長)


・賞味期限の切れた食品を食べるときに。
「当たらなければどうということはない!」 (シャア)


・友人から、「お前の彼女、かわいいな」と言われたら
こう返したい。

「あなたは、赤い彗星の恐ろしさを知らないんです」 (ブライト)


・仕事が徹夜になったら、上司に一言こう言いたい。
「戦いが終わったら、ぐっすり眠れる保証があるんですか!」
(アムロ)


・若井おさむ、舞台は戦場の最前線と思っています。
お笑いの舞台に彼女を呼ぶ芸人に。
「前線でラブロマンスか…。お坊ちゃん」 (シャア)


・先輩が飲み会に連れてきた女性が、
いつもの彼女かと思ったら違う人。似てるのに…。

「ザ、ザク?ち、違う!新型のモビルスーツだ」
(アムロ)


・先輩がおごってくれると言ってくれたのに。
ガンダムファンはついつい余計な一言を口にしてしまいます。

「僕、乞食じゃありません」
(アムロ)

「フフフ、この風!この肌触りこそ、戦争よ!」
(ランバ・ラル)
この名台詞、戦争という言葉を洗濯に変えてみよう。
素敵な洗剤のCMができそう。

・もいっちょランバ・ラル。舞台の上でネタが飛んだら。

「戦いの中で戦いを忘れた」

最後は私の一番好きな、スレッガーさんの名台詞。

「悲しいけどこれ、戦争なのよね」

若井さんは、仕事でむちゃくちゃな要求をされたとき、
「悲しいけどこれ、バラエティーなのよね」と
自分を納得させるそうです。




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2008年03月06日

非情な男ほど、なぜモテる?





モテる男とはどんなものか。
たくさんの女性と恋愛遍歴を重ねる男性の特徴を書いた本。

はあ、そうですかそうですかと思ったけど、
こういうことをまじめに考える人も世の中にはいるのだなあ。

まず、モテる男は非情である。
静かな目をしていて、いつもチャンスを狙っている。
ここぞというチャンスは決して逃がさない。

文字に書くとキザすぎてぞっとするようなことも、
大真面目に言うことができるのがモテ男である。

といって、付き合った女性と一生をともにしたいとは思わない。
社会人になると、会社での評判も気になるので、
安全な女性を見分ける眼力は必要である。

安全な女性。つまり、別れても悪い評判をたてない女性とは、

・経験の浅いお嬢様。自分のことを吹聴しない。
・プライドの高い美人。
・愛嬌があり、優しいタイプの女性。いい思い出にしてくれる。

などのタイプである。

そういうタイプを、非情なモテ男は本能的に見分けるのだそうだ。

初めてのデートでは、彼女の斜め前の位置に座ると
気楽に話ができる。

相づちが重要で、ふうん、とか、へえ、とか
そんなものではいけない。
そうなんだ、さすがだね、わかるよ、など、
バリエーションを豊富にしよう。

話をきいてもらっているという安心感を女性に与え、
誘うときは強引なくらいにきっぱりと言い切る。

「うちにおいで」「一緒にいよう」など、単純な言葉がいい。

さまざまにテクニックが書いてあるのだが、
この本の肝要なところは、
「男性は決して女性に惚れないこと」である。

女性に惚れさせる。手に入れて、
後は面倒がないような付き合いをする。
それが非情なモテ男のやり方だ。

「非情な男とは、常に自分本位。自分に利があるように考え、
そのために必要なことはなんでもできる人間」こそが
モテるのだと著者は考えている。

まあ、面白かったです。
悪い人が好きというのは女性としてはまあ、
ないでもない心理ですからね。

ただ、たくさんのものを(女性も含め)求め、
手に入れることが生きがいという人生だけがすべてではない。
一つのものを一生涯かけて追求する人生だって十分に豊かであり、
それに魅力を見出す人間だっている。

そういう視点が著者にあると、もう少し面白かったかな。

簡単に読めるので、暇つぶしにどうぞ。




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トヨタ世界一の光と影




3章からなる構成。

1章では、トヨタ本社、トヨタ関連の会社で働いていた人が4人、
実名で登場する。

過労死した人、うつ病になった人を取り上げ、
トヨタの非人間的な仕事の状況をレポートしている。

トヨタの工場は、昼勤と夜勤の二交代制で仕事をしている。
昼勤は午前6時25分から午後3時15分。
夜勤は午後4時10分から午前1時まで。

この昼勤と夜勤の間が1時間空いているのに注目して欲しい。
ホンダの工場では、昼勤と夜勤の時間に空白はない。
平日に残業をさせないためだ。

トヨタでは、夜勤のあと、
午前1時から残業が始まる過酷な勤務体系なのである。

しかも、トラブルがあると解決しないと仕事は終わらない。
過労死した男性は、その前日ラインで多くのトラブルが発生し、
「夜九時、下請けを呼び出して」不具合部品の選別を行っている。

ああ、下請けさんも大変だ。

2章では、トヨタイズムなるトヨタの企業文化を検証している。

トヨタ用語で有名なものと言えば、やはりカイゼンであろう。

常に現場を見直し、時間の短縮、
コストの縮小のアイディアを出し続ける。
カイゼンは無限であり、マニュアルはない。
マニュアルを作ったとたん、カイゼンではないからだ。

新工場に導入された「革新ライン」では、
今まで1分かかっていた作業を50秒でこなすことになった。
目標は46秒だという。

労働者は休みなく働かされる、ロボットのようなものになる。

また、豊田綱領というものがあるのだが、
そこには「産業報国」なる文字がある。
非常に封建的な意識を持つ会社なのである。

3章では非正規雇用の若者に焦点を当てる。

この辺は、他のワーキングプア、請負偽装の本などを読むと書
いてある程度のことしか述べられておらず、ページ数も少ない。

うーん。
別に驚くこともなく、著者と温度差を感じながら読了。

1章で過労死した車のセールスマンの話が出てくるのだが、
私には、それがトヨタのせいだとはどうしても思えないのだ。
もちろん、お気の毒だとは思う。

ただ、基本給が10万で、あとは歩合という給与制度も、
営業職ならそう珍しいものではない。

また、このセールスマンの方は倒れて意識がなくなるのだが、
その際に家族の名前ではなく、「トヨタ」という一言を口に出す。
それはトヨタのせいだろうか?

成長するトヨタ。
マスコミがもてはやすほど理想の会社ではない。
たくさんの問題を抱えている。

しかしそれは、トヨタ一社だけの問題であろうか。
日本全体の問題としてみるなら、それなりに興味深い一冊。






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小説を読みながら考えた




「バカの壁」で有名な養老先生が、
小説を読みながら考えたことをつらつらと書きつづっている。

「ミステリー中毒」という本の第二弾なんだそうだけど、
ミステリー小説の書評集だと思って読むと
ちょっとがっかりするかも。

この本では、養老先生はファンタジー小説を
よく好んで読んでいる。

しかし、先生は言う。
ファンタジーなんてバカみたいだ。
現実にありえないドラゴンや魔法使いや騎士などを、
大人が書いて読んでいるなんてバカバカしいことこの上ない。

と言いつつ、「時の車輪」シリーズをアマゾンで一気に買い、
「バーテミアス」を読み、
「シャナラの剣」をかばんに入れて旅行に出かける。

養老先生は、旅行先で読んだ本を破る。
帰りの荷物が軽くなるように、
読み終えた部分を破って捨ててしまうのだそうだ。

これには私は非常に感銘を受けた。
ファンタジーを読むのは暇つぶし。
こういうスタンスは非常に心地よい。

先生の目には、テレビのニュースや現実も、
ある意味ファンタジーに見えるらしい。

ライブドアの堀江社長は会社の時価総額にこだわっていたが、
自社の株価がいかにあがったとしても
自社株を売るわけにはいかない。

つまり、時価総額が高かろうが安かろうが、
現実にはカネにならない。ファンタジーなのである。

そもそも金そのものがファンタジックなもので、
あんな紙切れに価値を見出すのは人間の幻想だ。

養老先生がこういう価値観を持つのは、
この本にも何度か出てくるが、
終戦のときに経験したことが大きいのだと思う。

戦時中によしとされていたものが
すべて封建的の一言で切り捨てられ、
憎めと教えられていたアメリカの文化を諸手を上げて迎え入れる。

価値観が180度変わった経験を持つ先生は、
マスコミの報道すら真実を伝えているとは考えていない。
伝えるものの利益になる情報を流す。
これを当然だと考えている。

少し話は戻るが、先生が本を捨てるのには
「読書はくだらない」というほかにもう一つ理由がある。

それは、本棚に虫の標本箱をしまいたいからだ。
大きさがちょうどいいのだそうだ。

読書はすばらしい、マスコミは正しい、北朝鮮は危ない、
個性は大事、お金がすべて…。
こんな現代のファンタジーから逃れたい方に。

孤独であるが、確立した個とはこういうことかと考えさせられる。




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タグ:養老 孟司
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2008年03月04日

ブルーバレンタイン・新堂 冬樹




今日はまず、本の表紙を見ていただきたい。
価格は1000円、文章は横書き。
話題のケータイ小説を、
新堂冬樹が書いてみましたということらしい。

楽しかったでしょうね、こういう企画。
いや、私も読んでて楽しかったです。

とはいえ、中は絵文字もなく行間もつまっていて、
一般的な携帯小説とはちがう。文章も三人称で語られている。

どうせだったらぐだぐだ女の子の一人称で、
「殺人マシーンのあたしが恋をしてしまった…。
相手は…やっぱり殺し屋のヘリオス!キャハ!」
くらいのノリでもよかったのに。なーんてね。

さて、内容はというと、さっき書いたとおりのものだ。

主人公のアリサは、5歳のときに家族を皆殺しにされた。
家族を殺したのは、青い蝶のペンダントをした男。

天涯孤独になったアリサを引き取ったのが小野寺という男だ。
彼は殺し屋、アサシンを養成し、
殺しの仕事を引き受けるというビジネスをしている。

過酷な訓練を積んだアリサは、優秀な殺し屋として成長した。
コードネームはバレンタイン。

ある日、小野寺はかつて小野寺と一緒に仕事をしていた
門馬という男を殺すことをアリサに命じる。

門馬はアリサの家族を殺した黒幕なのだという。

復讐心に燃えるアリサ。
しかし、門馬には四天王という腕利きの殺し屋がいる。
アリサはヘリオスという男とチームを組んで門馬に向かっていく。

ヘリオスは殺し屋には見えない男だった。
アリサにも、「女のコは素直じゃないともてないぞ!」
などという軽口をきく。

しかしその腕は一流で、
次第にアリサはヘリオスに心を開いていく。

この辺の過程がまた、
「あるある!どこかで見た見た!」というお決まりのパターン。

「こんな気持ち、感じたことがなかった」
「殺し屋として生きてきて、初めてのやすらぎ」みたいな描写が
最高に快い。お好きな方はぜひどうぞ。

四天王との戦いもなかなかハード。
ゴルゴ、ガゼル、スパイダー、ゼウスという名前の四天王。

それを弱い順に倒していく、
つまりだんだん難易度が増していく少年ジャンプの漫画的展開で、
これまたお好きな方にはたまらない構成になっている。

敵の奇襲を受け、謎の少年に助けてもらいながら
門馬に肉迫する二人。
しかし、二人の前に立つゼウスは人の心を持たない、
生まれつきの殺し屋だった。

ゼウスとの戦いで、致命的な傷を負うヘリオス。
死が迫る瞬間、ヘリオスはアリサに二つの大きな告白をする。

アリサに恋をしてしまったということ。
そして、アリサの家族を殺した青い蝶のペンダントの男の正体…。

ラスト、たった二つしか残っていない銃弾で、
アリサは小野寺に立ち向かっていく。死の覚悟をして。

いつの間にか門馬は殺しの対象からははずれてしまっているが、
それはまあいいや。

ちょっとちゃかして書いちゃったけど、面白かったです。
アクションシーンも充実してるし、
トラウマを負った二人が打ち解けてゆくシーンも
ありきたりだけどいい。

新堂ファンならとりあえず手にとってみたい一冊。




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