2008年04月30日

「食い逃げされてもバイトは雇うな」なんて大間違い




食い逃げされてもバイトは雇うな、の下巻。
前回のタイトルを否定するタイトルに目を奪われます。

アマゾンのレビューを見ると評価が高いけど、
私はいまいちだったなあ。
字が大きく、書いてることも当たり前だと思うんだけど。
若い人が読んでるのかな。

さて、食い逃げされてもバイトは雇うなは間違い、という本書。
大きなテーマは、
「会計学は万能ではない」ということのようです。

副題に「禁じられた数字」とあるのだけど、
世の中にあふれる騙しの数字をあげながら、
数字を読む力を持とうと主張しています。

「この売り場から1億円の当たりくじが12本出ました!」

あなたはこの宝くじ売り場で宝くじを買いますか?
買う、これからも当たりくじが出るに違いない。
買わない、過去に出たのだから、もう出ないだろう。

どちらの考えも間違い。宝くじの抽選に不正がない限り、
どこで買っても確率は同じです。
景気のいい数字に騙されてはいけません。

本の途中、2章では女子大生会計士
(この著者が書いている小説の主人公)が登場して、
会話仕立てで説明してくれます。

計画を上回った利益を出した上場企業が、
計画からはずれるため利益をなくしてしまおうとする話。

一般庶民から考えると、利益は多いほうがいいと思うのですが、
計画が重視されるあまりこういうことをする会社があるようです。

ここでは、社長が保険に入って利益を
保険料として使おうとするのですが、
保険を安易に利用することの危険が説明されています。

最後のほうに、食い逃げされてもバイトは雇うなは間違い、
の説明が。

会計的に考えると、人手が足りなくて食い逃げされても、
飲食代とバイトに払う人件費を考えると飲食代のほうが安い。
だから、バイトを雇わないほうがいい。

だけど、世の中には非会計的な考えもある。
食い逃げしやすいという評判が立つことは好ましいことではない。

いずれはレジごと狙われるリスクもある。
だったら、バイトを雇う方が長期的に見れば得なのである。
バイトを雇うなというのは机上の空論でしかない。

世の中で、会計が万能だという考え方があるが、
会計で語れることは一面でしかない。
非会計的な側面からも見なければいけない。
生活をする上で、常に複眼的な視点を持ちたいものだ。

これが、最終的に著者が主張したいことのようです。

著者は、この原稿を4回書き直し、
大変力を入れて本書を出されたようです。
会計士のお仕事をされていて、
会計的思考にぐるぐる巻きになった顧客に何か感じることがあったんでしょうな。

だがしかし、こういう煽りのタイトル自体、
読者を騙そうとしているように私は思うんだよなあ。
根性悪いなあ、私。

変な小説仕立ての話を入れたり、
やたらとトリッキーな論の展開をせず、
ストレートに語ってくれてもいいのに、と少しだけ思う。

とはいえ、読んだほうがいい?と聞かれると、
損はないよとは言う。
現実にある数字がひっくり返るオモシロさがあるし、
複数の視点から見る力を養う助けには絶対になると思う。

まあ、ブックオフで半額になってからでもいいとは思いますが。
(一言余分なんだよ!)






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2008年04月28日

墓場鬼太郎




ちょっと古いですが。
こっそりブームになっているのと、
昨年再版されたのを言い訳にして今日はこちらをご紹介。

ゲゲゲの鬼太郎。アニメ番組としてもヒットし、
ウエンツ君主演の実写映画も作られました。
正義感の強い妖怪、鬼太郎が仲間と協力し、
悪い妖怪を倒す痛快なお話と思っておりましたが。

墓場鬼太郎は、漫画が貸本として読まれていた時代に描かれた、
ゲゲゲの鬼太郎の原点になるお話です。文庫では全6巻。
鬼太郎の誕生の秘密にも触れられています。

それにしても、この墓場鬼太郎は
アニメなどのイメージとはずいぶんちがう。
ちょっと朝から想像したくないようなものを食べているし
たばこは吸うし、絵も不気味な感じがします。

その昔、幽霊は
(この本では妖怪ではなく幽霊という言葉がよく使われています)
地上で平和に暮らしていた。
ところが人間が現れて住処を追われ、数が少なくなってきていた。

その幽霊族の最後の生き残り、
二人の夫婦の間に生まれたのが鬼太郎。
父親は子供が不憫で、見守ってやりたいという気持ちを
強く残したまま死んでしまいます。

その思いが腐った目玉に残り、落ちた目玉が鬼太郎を追って行く。
それが目玉のおやじなんですね。

うえー。まじですか。茶碗の風呂に入っているかわいいお父さん、
こんな「生い立ち」だったなんて!

赤ん坊の鬼太郎は、幽霊族の夫婦の家の隣の男性に拾われます。
男性は血液銀行の社員で、
血液に幽霊の血が混じっていたことを調査しており、
その際に夫婦とは面識があったんですね。

血液銀行というのは、戦後日本であった会社、なのかな。
私も詳しくはないんですが、
当時は生活のために血を売る人が多かったようです。

幽霊の妻は生活のために血を売り、
それを輸血された人が幽霊になってしまったことから、
社員は彼らのことを調べたのでした。

赤ん坊を捨て切れなかった男性は、墓場で生まれた子供に
「墓場鬼太郎」という名前をつけた。

鬼太郎が大きくなるにつれ、巻き起こる不思議な事件。
男性が地獄へ行くエピソード、
鬼太郎が妖怪からカネを取り立てる仕事をするエピソード、
ねずみ男も出てくるのだが、
そこに現代のアニメのようなかわいらしさや爽快感はない。

まだ子供の鬼太郎が、
水神からカネを取り立てる仕事を請け負って、
報酬のことを考えたとき言う台詞。

「1割が報酬だから、1000万とりたてたら100万か。ボロイ!」
鬼太郎、すさんでます。

気持ち悪いんだけど、
じわじわくるものがあって目を離せなくなる。
美しく、快活なものだけが人間のこころを捉えるわけじゃないんだな。

あんまり声を大にしてはおすすめしません。
こっそり読むのがオツというもの。







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2008年04月25日

12歳の文学





小学生限定で応募できる、12歳の文学。
その受賞作品集。

小説を書くなんて小難しい作業を小学生の子がやってしまうのだから、
その労力には素直に感心したい。

収められているのは9編。
大賞と、私が個人的に好きなものをご紹介したいと思います。

大賞受賞作品 ヘチマと僕と、そしてハヤ

ハヤというのは同じクラス、同じ班の友達。
人前でちんちんを出してふざけるような、ひょうきんな男の子。
まあ一人はいますね、こんな子。

物語は授業で(なのかな、とにかく一緒に)
ヘチマを植えるところから始まる。

ヘチマが成長にあわせて、
キャンプに行ったり好きな子の話をしたり、
いろいろなエピソードが展開していく。

ハヤは転校生だった。妹が重い病気で、
アメリカで手術を受けている間、
祖父母のもとに預けられていたのだ。
両親もアメリカに渡っている。

ある日、ハヤが再び転校していくことになった。
さよならも言わずに去ったハヤ。
妹の手術は失敗だったのだときいた。

最後、ハヤはもう一度主人公の学校に転校してくる。
再会の喜びで終わるのは後味がいい。

ひょうきんで明るい冒頭、転換というつくりはうまいが、
あざとさを感じるのは私だけか?
微妙に崩れた口語体も、わざととは思うが、
携帯小説を感じさせてちょっとなあ。

もう一遍。 ふしぎな町のまっかなもみじ

「しおや」から「たるみ」の目医者さんに行く途中、
主人公の乗った電車がふしぎな町にとまる。

そこで、主人公はたんぽぽの「はさみのりえんぴつ」に出会う。
「はさみのりえんぴつ」は、町に季節の絵の具を塗りたいと言う。

季節は秋。赤い色を塗りたいのに、赤色が足りない。
主人公の持っている赤がほしい。

主人公は、お気に入りのまっかなTシャツを着ている。
その赤をくれと言われて悩むが、承諾する主人公。

「はさみのりえんぴつ」に赤を吸収され、Tシャツは白くなった。
色を固定するために、二人は童謡の真っ赤な秋を歌う。

塩屋、垂水というのは神戸市に実際ある町の名前です。
そこを通る電車からの光景が、上手に描写されていて
素直に物語に入ることができる。

たんぽぽの名前もいい。何より文章が素直なんだな。

そういう意味でいい作品は他にもある。
お金持ちのれいこお嬢さん、通称れんこんとの交流を描いた桜街道。
(これは文句なしにおもしろかった。なぜれんこん?)
なぞの女の子との出会いを書いたバッタなど。

背伸びなんかせんでええんだよ。
どう書いたって自分の中にしか作品世界はない。
等身大の感情を素直に書き出すことは、
実はのたうちまわるほどしんどい。

そのしんどさが、小説を書く自虐的な愉しみだと思うんだけど、
どんなもんですかいの。

選者、あさのあつこ、伊藤たかみ、西原理恵子などの評、
受賞者のコメントも掲載されている。
選評は西原理恵子のものにほぼ同意。

装丁、紙の質などはとてもいい。きれいな本に仕上がっている。
最後に収められている作品には、
タレントの堀北真希主演さんの写真が
コラボレートされた挿画が使われている。
文句なくかわいい。

ちょっと辛口になりましたが、
それでも、こうやって何かを書こうという意欲のある若い人がいるのはうれしいし、頼もしい。
彼らの未来に期待!







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2008年04月24日

人はカネで9割動く




組関係のお話が多いので、
そっちの方かと思ったらジャーナリストの方らしい。
著者。

いろいろあるお金の本の中でも異色。
シビアで、非常に現実的。一つの教訓につき3ページ。
それも実例を挙げて説明してくれるので読みやすい。
世慣れた先輩のためになる世間話居酒屋編という感じ。

・ご褒美は相手の予想を上回る方法で
A社で、営業部向けにキャンペーンを行った。
「トップチームには特別賞与。家族と豪勢に海外リゾートだ!」

がんばった営業部員たちだが、賞与として与えられたのは10万円。
これで皆は意気消沈し、士気は一気に低下した。

問題は金額ではない。
最初から「賞与で豪華ディナーを!」にしておけば、
破格の金額に皆大喜びだったに違いない。

・誰も目をつけていない人間に安く投資する
著者がある組の事務所に出向いたとき、一人の紳士が入ってきた。

彼は事務所の若い衆に高級牛肉を渡し、
ビール代にと1万円を握らせた。
彼いわく「彼らは将来がありますからね」。

少ない投資で見返りを期待するなら、これからの人間に限る。

・金のない人間こそ見た目で勝負
お金のない新人ホスト君。彼が最初にしたことは、
先輩にお金を借りて高級なスーツを2着買うことだった。

ボタンやワイシャツ、ネクタイを替えるという努力をしながら、
お金を持っている人間であることを演出。
指名客をたくさんとることができるようになった。

外見を演出すれば、格上の人間に見られることもできる。

・丁寧に扱われれば、しょっぱい人間も見栄をはる
ある飲み屋の美人女将は、必ず客を店の外で見送る。

安い食事をした客にも同じように振舞うので、
どうしてわざわざ、とたずねてみると、
女将は「営業上のひみつ」と笑った。

後日、例の客がもう一度やってきて、今度は豪勢に飲み食いした。

丁寧に扱われると気分がいい。だから次も散在する。
お金を使わなければ恥ずかしくなって見栄をはる。

女将の狙いはそこにあったのだ。

エピソードもうなずけるものだし、文章も読みやすい。
ビジネスマンの方が、
かばんに入れて移動中のひまつぶしに読むのに最適。






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2008年04月23日

仕事ができる人は声が違う




「大切な話なのに真剣に聞いてもらえない」
「指示が伝わらない」
「話に興味を持ってもらえない」
「誤解されやすい」

こんな人は、声に注意を払ってみよう。
意思や感情を表現するには、声の出し方というのもとても重要。
仕事ができる人というのは、適当な声の出し方を学んでいるものだ。

声は生まれつきのものではない。変えられるものだ。
いい声を出すためには、体をゆるめてやることが大切。

ふんふん。声にあんまり興味がなかった私は、
この辺まであくびをしながら読んでいた。
大勢の前で話すこともないし、それほど声で困ったことがないからなおさら。

だけど、3章めくらいからぐぐぐっとこう、興味がわいてくる。
自分の声の診断項目があるのだ。ペンを持って、いざ!

肩がこっている、目が疲れやすい、下半身が固いなどの身体状態チェック。

あまり歩かない、水分をとらない、睡眠時間が少ないなどの生活習慣チェック。

くよくよしがち、せっかちなどの精神状態チェック。

どんな声になりたいか、明るい声、上品な声などのなりたい声イメージチェック。

これらを総合して、自分の声のタイプを分析することができる。

そのタイプも、キーの外れたピッコロタイプ、
弦のゆるんだバイオリンタイプ、
オーケストラを乱すオーボエタイプなど、
想像するとちょっとユニークな、
しかしある意味的確な診断が下される。

それぞれに声が与える印象、対応策などもあるので、
自分の声に興味のある方はぜひ。

声の状態がわかったら、
今度はコミュニケーションに適正な話しの仕方を教えてくれる。

声をボールとイメージしてみよう。

相手に説明するとき、
現実的なデータを与えるときは声のボールを「当てる」イメージで。

企画など、右脳に訴えるプレゼンがしたいときは、
声のボールが相手を越えていくイメージで、好奇心を喚起する。

なぐさめる、クレームを聞く、
また大勢に演説をするときは、声で相手を包み込むようなイメージを持とう。

私たちは普段の会話の中で、
「何をしてる」という言葉をよく使うが、
それも声のボールで考えると印象が変わってくる。

直球を投げるように話すと、詰問するように相手は受け取る。
しかし、相手を越えるイメージで聞くと、
あなたに興味があるというメッセージを与えることができる。

最後に、職種別声の出し方、向いている声の解説も。

メールでは好きなことが伝えられるんだけど。
言葉は間違ってないと思うんだけど。

そんな方に。ビジネス書のくくり(だと思う)ですが、
どんな方にも役立つ一冊。






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2008年04月22日

小袖日記





あたしは、不倫に破れて自暴自棄になっていた。
死んでやる!
深い絶望を感じたそのとき、目の前がぴかっと光って気を失った。

目が覚めるとそこにあったのはおかめ顔。
しかもあたし、十二単なんて着ちゃってるし、
ギネスに乗りそうなロングヘア。

どうやら平安時代にタイムスリップしてしまったみたい!
高校の頃読んだ源氏物語を思い出して、
なんとかやり過ごすしかない。

だけどあたし、源氏物語きらいだったのよね。
光源氏なんて、子供を自分好みの女に仕立て上げるロリコン色魔野郎じゃない。
そんな話、どこがいいんだか。そう思ってたはずなのに、
なんとこの世界では、あたし、源氏物語の作者なのよね。

いや、作者というのはちょっと違う。書いているのは香子さま。
彰子さまというお姫様の家庭教師をされている方。
あたしは、その香子さまにネタを提供する、
いわばブレーンってところ。

こんなお話。「あたし」の一人称で、
現代女性の目を通して源氏物語の裏側をさぐるというものだ。
有名な夕顔、葵の上、末摘花のお話の、現代版パロディ解釈といったところ。

今回は末摘花のエピソードを。

末摘花といえば、鼻の赤い、ユニークな顔立ちが有名。
ところが、あたしが実際に会ってみた末摘花は華奢で色白、
かわいらしい少女だった。

貧乏で恥ずかしがりや。
その彼女には位の高い男性が言い寄っている。

この時代、男性の経済的援助がなければ女性は生きていくことができない。
それならば、恥ずかしがりやの姫君のかわりに、
あたし、人肌脱いじゃおう。

奮闘するあたしだが、末摘花には他に愛する人がいた。
それは、そばで控えている葛野という女性である。
そう、少女は、男性と契りを結びたいとなど思っていなかったのだ。

しかしそれでは彼女の生活はどうなる?

一計を案じたあたしは、少女に入れ知恵をする。

男性が訪れた夜、色白の彼女の花を冷やして赤くし、
そのおかしな顔を見せた。
不器量な女性にびっくりしたものの、憐れに思った男性は
末永く彼女の面倒を見てやることにした。

そうして、末摘花のお話は、
香子さまの手によってユーモラスに仕立て上げられたのだ。

さまざまな恋愛に直面し、「あたし」自身も成長する物語。

ラスト、現代に戻ったあたしは思う。
死んでやるなんて間違ってる。人は死ぬのだ。
気を失っていた間、案じてくれた人たちのためにも、
死がやってくるまであたしは生きる。

文体が口語調なので気楽に読める。
「あたし」のバイタリティに元気をもらえる一冊。







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2008年04月21日

2112年9月3日、ドラえもんは本当に誕生する!




この本に書いてあることを要約すると、「ドラえもん大好き!」。
この一語に尽きる。

東京工業大学理学部工学科で微分幾何学、
数理物理学などを学んだ著者が、
ドラえもんに出てくる道具を科学的に解明した本。

著者がドラえもんを読み解いたところ、
作者の藤子・F・不二雄は科学をよく理解していたようだ。

風船を空に浮かべ、それを星に見立てて宇宙旅行をする話がある。
のび太たちはロケットに乗って行くのだが、そのロケットも風船。

風船は空気を吐き出しながら進んでいく。
これは燃料を噴出しながら進むロケットと原理は同じである。

また、著者はドラえもんで「予言」された道具は
実現可能なものがあるという。

ドラえもんの道具の中で一番人気が高いのは
どこでもドアだそうだが、
それも可能になる可能性が(ややこしい)あるみたい。
おお、それは楽しみだ。

この宇宙の元、宇宙を作っているものは波動であり、
その波動の代表にはプサイというギリシア文字の名前がつけられている。

ものの情報をプサイに載せて運ぶことができれば、
情報が盗まれることも、発熱量もない転送ができるそうだ。

だが、著者は科学が何もかも解決してしまう未来には危惧を抱いている。

たとえばクローンや遺伝子操作。

農作物の遺伝子操作のことを言っているのではない。
人間の遺伝子を、その誕生前に操作する技術はあるが、
それを使うことには反対を唱えている。

そう、それはドラえもんの中でも
繰り返しテーマになっていることなのである。

のび太がドラえもんに泣きついて道具を借りる。
しかし、お話の終わりには道具を使って失敗するオチがつく。
科学を人間の欲のままに使っちゃいけないよ、ということを
のび太が身を持って体験するわけだ。

ヒューマニズムと科学の関係を、
子供に分かる簡単な方法で描いたドラえもんは、
だからすごいんだ!感動するんだ!と著者は言う。

前半は難しい科学の話が書いてあるんだけど、
後半になるととにかくドラえもんはすごい、大好き、ということが書かれていて、
著者のお人柄が非常にうかがえる、心楽しい一冊だ。

巻末に、実現化したドラえもんの道具が紹介されている。

空気のカタマリを弾丸にする空気ほう。
これは2006年にエポック社からおもちゃとして発売された。

世界の観光地を部屋で眺められる観光ビジョンはグーグルアース。
かべかけテレビ、これも実現しましたね。

藤子氏は、SFのことを「すこしふしぎなものがたり」の略だと言っていたそうだ。
すこしふしぎなことなら現実になってもおかしくないのだろうな。





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2008年04月18日

我慢するのはおやめなさい




「脳疲労」度チェック

・途中、あるいは朝早く目が覚める  
・寝つきが悪い
・食事がおいしくない        
・便秘する
・体を使わないのにへとへと     
・気持ちが暗くなる
・希望が持てない          
・考えがまとまらない
・いらいらする           
・不安である  
・自分は価値がない

毎日ある、が一項目以上、週に2、3日ある、が三項目以上。
あてはまる方は脳疲労の可能性があるそうだ。

脳疲労とは、著者が作った言葉である。
現代人のさまざまな病気、健康の障害となるものは、
脳疲労が原因だと言う。

人間は、外からの指令を大脳新皮質と大脳旧皮質が受けます。

大脳新皮質は処理をする働きがある。
仕事を明日までにやれと言われると、じゃあやろうと思うのが新皮質。えらい子だ。

一方、旧皮質は本能をつかさどっている。
「えー、遊びたい、休みたい」と考えるのですが、
旧皮質はとりあえずは新皮質に従います。

けれど、あまりにも新皮質ががんばりすぎると、
旧皮質の不満も大きくなる。

両者の間に入っている間脳という部分があるのですが、
これが両側の板ばさみになって狂いを生じることが
「脳疲労」という症状だそうです。

著者は、BOOCSダイエットを提唱した方。
ダイエットの失敗はたいていがストレスに起因すると考えておいでです。

BOOCSダイエットでは、一日一食好きなものを好きなだけ食べていい。
ケーキもポテトチップスもいい。運動もしない。
ミネラルを含む黒砂糖をたくさん食べるのを推奨、というやり方です。

そうやって我慢をしないようにすると、
自然に脳は本来の働きを取り戻す。
そうすると、今までストレス解消のために食べていたのがうそのようになくなる。

必要なものを適量食べる癖がついて、
結果自然な体型になるのだとか。

こちらの本でも、そのダイエット方法の成功例が
たくさん紹介されています。

と同時に、もう一歩踏み込んで、
うつや成人病についても脳疲労と関係があるということ述べています。

ストレス事態は悪いものでも良いものでもない。
ただ、我慢をしすぎないこと。脳に我慢をさせすぎないこと。
これが健康につながるとこの本には書いてある。

休日にはどうか、心からリラックスして脳を休ませて上げてくださいね。







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2008年04月17日

ぼく、オタリーマン3




ほい、出ました3冊目。
よしたにさんは(もうすぐ)30歳。職業SE。独身、彼女ナシ。
飲み会では話すことがなくて浮いてしまう
ちょっとオタクなサラリーマン。

そんなよしたにさんが、自虐気味に日々の出来事を語る本。
よく売れています。4コマ漫画。

それでは、今回のねたをゆるゆるご紹介。

ある日、知らないところからファックスが届いた。
「至急確認お願いします」とある。

わからないので放置しておくと、
翌日には「クレームになっています」。
悪いことはしてないけど、申し訳ない気分になるよしたにさん。

廊下を歩いていたよしたにさん。
会社に来た保険の外交員さんにつかまった。
「保険にご興味ありませんか?」と聞かれて即答。
「保険に入るにも守る人がおりません!」

クリスマスイブに友達と飲み会。「もうすぐ30だよな。
子どもの頃は、30になったら嫁と子供と白い子犬が…」
自分で言いながら落ち込むよしたにさん。周りの友人も涙目。

実家から荷物が届く。母からの手紙に、
女性の名前と電話番号が書かれている。
「この女性に電話をしてみてください」

愕然とするよしたにさん。
「こんなんで電話がかけられるんなら、そもそも心配はいらないんだよ、母さん」

KYという言葉。
空気読めない=場の雰囲気を壊すことを揶揄する言い方ですが、
よしたにさんはこれがきらい。
空気読めたらえらいのかよ、と聞くたびにむかっとしてしまう。

そんなよしたにさんが好きなのは麻雀。
理由は、しゃべらなくてもコミュニケーションをとれた気分にな
れるから。

こんな4コマにも笑えますが、今回は自衛隊体験入隊、
本ができるまでのいきさつなど、ちょっと長めの漫画も。

オタリーマンとタイトルにあるけど、
あんまりオタクって感じでもない。

ガンダムとアニメとゲームが好きだけど、基本的に普通の人。
気の弱い、要領の悪いサラリーマンという感じ。
3巻まで発行されたのは、
共感できる情けなさがうけてるんだと思う。

がんばれ、よしたにさん!







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2008年04月16日

国のない男・カート・ヴォネガット





カート・ヴォネガット。
ドイツ系アメリカ人で、作家として活躍した。
代表作にスローターハウス5などがある。2007年4月に永眠。
本書が遺作となる。エッセイ集。

外国人らしい皮肉とユーモアにあふれた文体で、
環境のこと、戦争のこと、アメリカを評論している。

厳しい文章だけど、根底に人間らしさというのか、
優しさが光っていて、言葉のひとつひとつが大変「きれい」だ。

速読、濫読で、がさつな本の読み方をする私だけど、
この本にはじっくり時間をかけてしまった。
そしてそれを後悔していない。
貴重な時間をありがとう、と思える。

代表作、スローターハウス5は著者自身が経験した
ドレスデン空襲を基に描いたものだ。

「1968年、スローターハウス5を書いた。
わたしはこのときようやくドレスデン大空襲を書けるくらいに成長したといっていい。

ヘミングウェイの書いた兵士の帰還を読むと、
故国に戻ってきた兵士に戦争体験を語らせるのがいかに残酷かということがよくわかる。
戦争について語らない理由は、とても語れるものではないからだ」

また、ヴォネガットは石油を大量消費するアメリカにも警鐘を鳴ら
している。

「わたしはタバコ会社を訴える。
まだ12歳のときからタバコを吸い始めた。
そしてもう何年もの長きにわたって、
タバコ会社はパッケージに書いてわたしを殺してくれると約束した。

ところがわたしはもう82歳だ!この嘘つきどもめ!

しかし、本当は我々は燃料中毒なのだ。
そして現在、我々の指導者たちは暴力的犯罪を犯している。
それは我々が頼っている、
なけなしのドラッグ(=石油)を手に入れるために」

他にも、誠意や思いやりのない政治家、指導者に、
彼は厳しい批判を浴びせていく。
表題の国のない男、というのはドイツ人移民の子として、
やや離れた視点からアメリカを見ているということだろう。

しかし、彼は皮肉な世捨て人ではない。
私が好きなラッダイトの一遍では、彼が人とのかかわりを愛しているのがよくわかる。

ラッダイトとは新しいものが大嫌いな人間のこと。
パソコンが嫌いなヴォネガットは、
原稿が仕上がると封筒を一枚だけ買いに文房具屋に出かける。

そこで気にいりのものを買って、郵便局の列に並ぶ。
さまざまな人を登場させ、ニューヨークの風景を切り取った
すてきなエッセイになっている。

彼の直筆の文字がデザインされた版画も収録されている。
非常に洒落た一冊。プレゼントにもいいかも。






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2008年04月15日

MM9・山本弘




結論から言うと、
私はあんまり好きじゃなかった。
だけど普段本を全く読まない夫が熱中し、
転げまわって喜んでいる。そういう本、なのか。

MMとは怪獣の規模を著す単位である。
読み方はモンスター・マグニチュード。
怪獣のサイズから予想される災害の脅威度を数字化したものだ。

世界各国には怪獣が頻繁に現れる。そういう設定の世界。
日本で怪獣に対応するのは気象庁特異生物対策部、略して気特対。

いまどきの若者風だが、実は仕事熱心な涼。
ちょっとどじな女の子、さくら。
美人科学者の悠里。
仕事のストレスで胃が痛い、最高責任者の久里浜。
彼らが気特対のメンバーである。

なんかパトレイバーみたいだな。

暴走するエビの群。放射能を浴び、
アフリカから飛んできたコウモリの変種。
巨大な女児の怪獣。
気特対は怪獣から日本を守るべく日々奔走している。

しかし、この小説の世界では、
怪獣が現れるのは日常の普通の出来事である。
怪獣の規模、発生場所が一般市民には警報として知らされるが、
予報が間違っていたら非難されることもある。
パトレイバーみたいなんだよなあ。

さて、5編収められている小説だが、
最終話がクライマックスになる。

日本に、九つの頭を持つ竜の怪獣が現れた。
規模はMM9。かつて存在しなかった大きさだ。

これは日本古来から伝わる神話の竜、ヤマタノオロチではないか。
色めく気特対。

その気特対のオフィスに、ある団体が乱入し、鎮圧しようとする。
それは、科学者悠里の知己だった男だ。

彼は自分の正体を妖怪だと告白した。

妖怪はかつて存在していた。いまもしている。
しかし、それは伝説や昔話としてなかったものにされている。

怪獣だってそうだ。
いつか、テレビの連続ドラマだと思われてしまうかもしれない。
存在を忘れられることは苦痛だ、そうだろう。
怪獣が存在しないものなら、気特対だって…。

神話の中で、ヤマタノオロチを制するのは巨人、
それも女性である。
そうだ、つい先日出現したではないか。
人間の女児の容姿をもった怪獣が…。

皆さん、お忘れではないですか?
さっきさらっと書いてしまいましたが、
巨大な女児の怪獣、彼女こそがヤマタノオロチと対決できる
神話の女性だったのです。

著者はと学会の方。
「物理法則に従えば、そもそも体重100トンを超える生物が
地上で直立歩行できるわけがないのである。
しかし、この重大な謎をいまだ生物学者は解き明かしてない」
なんて文章もある。

科学なんて関係ねえ!怪獣が存在する、それが現実!
お好きな方はぜひどうぞ。





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2008年04月14日

不機嫌な職場




新書。
日本の職場が変化している。その様子、改善策を提案している。

一章
かつて日本企業のサラリーマンは、
なんでもできるジェネラリストであった。
だが、今の職場では専門化が進み、個人の仕事が分断されている。

結果、社員は孤立しがちで、
他人の苦労やトラブルに気が回らないことが多い。

二章
以前の職場には、社員が仕事以外で知り合いになる機会が多かった。
クラブ活動、飲み会、社員旅行などである。
だが、経費削減のあおりを受けて、そういった場が少なくなった。

また、仕事の専門性が高まることは、
社員個人がタコツボに入って仕事をしているような
「タコツボ化」を進めた。

関係が希薄で、タコツボ化の進む会社では
問題が共有化されにくい。

三章
何かトラブルがあったら誰かに協力してもらう、
自分も誰かのトラブルに協力する。
そんな信頼関係を作らなくてはならない。
そのためには、コミュニケーションが大切である。

四章
グーグル、サイバーエージェント、
よりた歯科という3つの企業の例を挙げて、
社員同士のコミュニケーションを円滑にする方法を示している。

グーグルには仕事以外で
社員が知り合いになるメーリングリストがある。
昼食を一緒に食べるコミュニティもあるそうだ。

よりた歯科という病院では、社員が自発的に行うイベントがある。
診療を休みにして、クイズやゲームを行う日があるというから驚き。

院長自らクレド(信条)を作り、
社員にお客様を大事にするという意識を共有化させる。
社員の取り組みも積極的に採用するという姿勢が見られる。

五章
こういった協力関係を築くには、長期的取り組みが大切だ。
どの会社も、社内の雰囲気を変えるのに3年ほどかかったそうだ。

意識を共有化する。仕事を個人が抱えるものにしない。
また、仕事以外で社員が知り合いになる機会も見直してみたい。

といって、社員旅行をすればいいというものではない。
飲み会をいやがる若い人のことがニュースになるが、
それは「あなたとの」飲み会がいやなのだと自覚した方がいい。

本気で、社員にとって魅力的なイベントであるかどうか
再考してみよう。

そして何より大切なことは、社員を認める、
社員に感謝するという気持ちである。
経営者だけではなく、自分の仕事場を気持ちのいいものにしようと考えたら、
誰でもできる大切なことである。

ありがとう、すごい、さすが。こんな言葉を使いたい。
業績至上主義だった会社が、社員至上主義になって、
かえって業績を伸ばした例もある。

会社は仕事をするところ、仕事だけしていればいい。
そんな風潮に、一石を投じる一冊。






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2008年04月11日

“本当の豊かさ”を引き寄せる「お金持ちマインド」の育て方




「お金はコツコツ貯めるものではありません。
<降ってくる>ものです」

帯にこう書いてある。
にっこり笑った女性の写真もなにやら幸福そうで、
こっちまでリッチな気分になってしまう。

その女性が、アメリカ滞在時に接した
「本当のお金持ち」から学んだお金持ちになるための考え方を
教えてくれている本書。
読むだけでもわくわくします。

お金持ちになるには順番がある。彼女はそう言います。

まず、豊かさの似合う人になる→BE
そして、豊かな気持ちにふさわしい行動をすること→DO
最後に、実際に豊かさを所有すること→HAVE

私たちはお金持ちというと、ブランド物のバッグや高級車、
こういうものをイメージするけど、本当の豊かさはそこにはない。

高級ホテルやレストランで物怖じしない。
著名人と会ってもうちとけて話すことができる。
絵画などに造詣が深い。

そういう、BEの状態があってこそ、
ブランドバッグが似合うのだと彼女は考えています。

そんなあほな、それでお金ができたら世話ないわ、と
私の中の下品な本音が言うのですが、
もう少し読みすすめてみましょう。

私たちは、意外とお金持ちになることを
無意識で拒否していないでしょうか。

お金持ちになったらバチがあたる。
自分がお金持ちになることは他人を搾取することだ。
無難が一番。
好きなことをしているから、貧乏でも当然…。

ああ、聞いたことあるこのフレーズ。

お金持ちでない人は、実は、
自らがお金持ちになることを否定していることもあるのだそうです。
お、思い当たることがある…。

そんな私みたいな人は一緒にこう言ってみましょう。

「私は周りの人から愛され、サポートされることを自分に許し、
受け入れます。私は周りの人を愛し、助け、
サポートすることを自分に許し、受け入れます」

そうだよな。
実は、自分が一番自分が幸せになることを
許していないのかもしれない。
そうじゃなくて、豊かになる自分を
大々的に許してしまおうじゃないか!
そう考えると気分がいい。

風水の教えにも同じようなことが書かれているそうなのですが、
「豊かさは汲んでも汲んでも尽きることはない」。
安心してお金持ちになっていいんだそうです。

まず、否定することをやめる。最大限に望んでみる。
あたたが幸せになることで、まわりも幸せになる。
あー、いい感じ。





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2008年04月10日

ウォルマートに呑みこまれる世界





デフレと言われて久しい近年、
その安売りの裏で何があったのか。

ウォルマートは米国でチェーン展開するスーパーマーケットだ。
雑然としたディスプレイ、大きな駐車場、格安の食品や衣料品。
アメリカ人はウォルマートで買物をするのが大好きだ。

そのウォルマートを調査、研究した本書。

ウォルマートは徹底した節約で、その経費を削減している。
倉庫のような店内はもちろん、
本社で働く人たちにもその意識は浸透している。

本社の役員室にある椅子は、簡素なベンチチェアだそうだ。
どこかの仕入先から見本としてもらったものを
そのまま使っているという。

そのようなわけだから、仕入先にも徹底的な経費の削減を要求する。
毎年の値下げは当然のように言い渡される。

ある経営者の言葉が紹介されている。
「ウォルマートとの取引は麻薬だ」

販売量が多いので、最初は取引が成立するとうれしい。
しかし、相次ぐ値下げの要求に、経営が成り立たなくなる。

人員を削減し、工場を海外に移し、体力がなくなっていく。
その頃になってウォルマートとの取引を見直そうとしても、
その売上なしには会社がまわらない。
まさに麻薬だ。

経費の「節約」は従業員の給料にも影を落とす。
ウォルマートは従業員に平均9ドルの時給を支払っているという。
だが、それで生計を立てるのは非常に難しい。
さらに、時間外労働などの不当な労働も指摘されている。

が、ウォルマート側にも言い分はある。
ウォルマートの総利益を従業員一人当たりで割ってみると、
通常の年では一時間あたり3ドル。
ここに給料を上げる余裕はない。

ウォルマートが進出することで、
競合する地域の小売店は売上を減らしている。
週末に、大量に買物をする層には、
ウォルマートのような店はありがたい存在なのだ。

ウォルマートで売る服を作るために、
アジアの労働者はひどい労働環境で仕事をしている。
給料が安すぎて、歯ブラシ一本も買えないという
労働者の言葉が紹介されている。

ウォルマート・イフェクト。
安売りを武器に巨大化するスーパーマーケットが、
経済に与える効果をこう呼びながら、
その実態を綿密に取材している。

最後に、著者はこう言う。
「ウォルマートは米国人を写す鏡。
私たちがそこで買物をするということは、
ウォルマートに賛成票を一票投じることなのだ。

しかし、私たちはそのすべてを理解した上で
賛成をしているわけではない。
私たちは個人として、社会として、
疑問に答えを出していく義務がある」

実際に働く人、取引先の人間の話もよく紹介されている。
決して批判一辺倒ではない。

ベーコンを焼く機械を発明した親子の、
ちょっとばかり心温まるエピソードも紹介されている。
良書。






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2008年04月09日

続・柴犬さんのツボ





イラストレーター、景山直美さんのイラストエッセイ。
日本犬を特集する雑誌、Shi-baにも連載されていたそうです。

最近猫の本がやたらと多いけど、犬だって負けてられません。

柴犬川柳と四コママンガ、景山さんの愛犬ゴンとテツの日常など、
柴犬のかわいらしさがいっぱい。

それでは、柴犬川柳を少しご紹介。

・尻の毛に 寝癖がついてる 冬の朝

寝る前に手入れをしていたのか、
しめっていた毛に寝癖がついている。
こういうの、こっちが笑ったりしたら、
ちょっとムカッとする顔をするんですよね。

・職場にて 探ったポッケに ウンチ袋

散歩に連れて行ったとき、ウンチを持ち帰るための袋。
ついついいつものジャケットに入れっぱなし。

・気を抜くな 「さてと」は禁句よ 犬の前

人の言葉が分かるのか、「散歩」というと
大はしゃぎしちゃうワンちゃん。
「さてと」の次に来る言葉に期待して…。

・この広い ドッグランにて ただお座り

ドッグランとは犬が走り回れるための施設。
利用するのにはお金もかかる。
せっかく連れてきてあげたのに、
元を取りたい人間の思惑なんてなんのその。
休みたいときは休みます。

川柳だけじゃなく、愛犬の日常を
イラスト入りで紹介しているんだけど、その中にこんな一こまも。

旅行に行った景山家。もちろん二匹も一緒で、
ホテルはドッグランがあるところを選んだ。

ホテルに着くとすぐドッグランに放してあげる。
しばらく走りまわっていたけど、
すぐにある場所で立ち止まって動かなくなる。

そこには換気扇があって、
レストランの料理のにおいが流れてくる…。

とにかく、イラスト満載でかわいい。
犬が飼えない我が家ですが、これで堪能いたしました。


景山さんのHP
http://www.geocities.jp/atelierkotori/






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2008年04月07日

悪人/吉田修一




福岡県と長崎県を結ぶ県道263号線には、
三瀬峠という峠がある。
そこで、若い女性の死体が発見された。
女性の名前は石橋佳乃。
彼女を殺害したとして警察に逮捕されたのは、
長崎県の土木作業員、清水祐一であった。

だが、佳乃の同僚は、
佳乃が最後に会ったのは彼女の恋人、増尾圭吾だと証言した。

実際に、佳乃を殺したのは祐一である。
これは文頭でも述べられている。

しかし物語は、増尾という男を佳乃の殺害現場に置くことで、
どちらが本当に殺したのか、
中盤までよくわからない構成になっている。
ミステリーとしての要素が小説を盛り上げる。

と同時に、祐一と増尾という同世代の男性を対比しながら、
世の中の不条理、人間の強さと優しさ、孤独を
著者は書こうとしている。

佳乃と祐一は携帯電話の出会い系サイトで知り合った。
彼について、佳乃は生前、「
セックスだけが上手で、退屈な人」と言っていた。

一方増尾は資産家の息子である。佳乃は同僚に、
増尾と付き合っていたと言っていたが、事実はそうではない。
佳乃が一方的にメールを送るといっただけの関係であった。

祐一は、幼い頃母親に捨てられ、祖父母の家で暮らしている。
裕福な暮らしではない。無口で車だけが趣味という青年だ。

友人は祐一の性格を評してこう言う。

「祐一はグラウンドにもう何日も落ちたままのボールのようなもの。
子供に一日中使われて、転がって、
また翌日には他の誰かに蹴られて…。
でも、それが苦痛じゃないんですよ」

祐一は、佳乃を殺害した後、出会い系で光代という女性に出会う。
光代は30歳。結婚する予定もなく、
双子の妹と二人で暮らしている。

祐一と光代はお互いに強く惹かれあい、
光代のすすめで逃亡をくわだてた。

ラブホテルを泊まり歩きながら、
見えない明日にあがく二人だが、そんな生活が続くわけもなく、
警察の手に落ちてしまう。

逮捕されるとき、祐一は
「俺はお前が思っているような男じゃない」と、
光代の首に手をかけた…。

祐一は、増尾のような「勝ち組」の人間ではない。
ずっと人のために犠牲になるような生き方をしてきた若者だった。
一方増尾は、佳乃の死すら
友人との笑い話にして友人に話すような振る舞いをする。

一体、悪とは何なのか。それを問いかける作品である。

佳乃、祐一、増尾を中心にして、いろいろな人物が登場し、
事件を語る。一人一人の人生が丁寧に描かれているのもよい。

ずっしりと何かが残る。







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なりたい自分になれるフラワーエッセンス




アロマテラピーは知っていましたが、
このフラワーエッセンスというものは
、私はこの本で初めて知りました。

フラワーエッセンスとは、
花の波動エネルギーを水に転写したもののこと。

飲用したり、お風呂の入れたりすることで、
ネガティブな感情をポジティブなものに帰ることができるそうです。

これを体系化したのは、エドワード・バッチ博士という方。
博士は今から約70年前に、この手法は確立されました。

彼がまとめたのは、38種類のフラワーエッセンスと、
そのブレンドエッセンス。
ヨーロッパでは広く注目されているようです。

花を見て美しいと思う感情、花の持つ波動エネルギー、
すなわち生命エネルギーなど、
いろんな言葉でその効用が説明されています。

私が一番わかりやすいと思ったのは、
「音楽を聴いて感動したときとよく似たポジティブな効果」
という表現でした。

フラワーエッセンスは購入して使用することが多いのですが、
この本には作り方も紹介されています。

用意するのは薄いクリスタルのボール。
それになるべく純度の高い水(湧き水)を
7分目くらいまで入れておきます。

花を摘むのは開花直前のタイミング。
少し長めに茎から摘み取って、
用意したボールの中に浮かべます。
このとき、花には直接手を触れないことが肝心。

そのボールを太陽光線の下に3、4時間置いて花を取り出し、
残った水をろ過する。保存するためにブランデーを加える。

さらに精製水、グリセリンなどを加えるので、
実際に製品になったものは、
花のエッセンスもアルコールも、それほどきつくない状態です。

ふーん。なるほどなるほど。

病気とは言いがたい、しかしどうにも気が晴れない、体がだるい。
こんなときにはこういった、
あまり副作用のなさそうなケアがいいのかも知れない。

35種類のフラワーエッセンスの詳しい使い方、
ブレンドするときの配合なども書かれています。
ご興味のある方はぜひ。






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2008年04月03日

カリスマ・コンサルタントの稼ぐ超思考法




あんまり理論的って感じではないけど、
経験からなるものなのか、読んでいて面白かった。

いや、もちろん理論もあるんだけど、
それ以上に具体的な例が豊冨で読みやすい。

この出版社さんの本にありがちなパターンの、
気楽に読める軽いビジネス本というわけで、
週末にご紹介させていただくことにしました。

それでは、さくさくいきましょうか。

・カフェは古い

日本で最初のカフェは、銀座のカフェパウリスタ。
そこから喫茶店ができ、さらにノーパン喫茶などの亜流ができた。

現在カフェが人気なのは、流行の焼き直しである。
ご自分で事業をされている方は、
その事業の歴史を洗いなおしてみると
明日の展開が読めるかもしれない。

・500万円貯めるより100万円貯めるほうが難しい

いろんな顧客の(この方は経営コンサルタントです)
決算書を見て、著者は「1・3・5の法則」に気がついた。

100万円貯めるまでは非常に苦労が要る。
しかし、300万まではあっという間。
次に500万貯めるまでに何かトラブルが起きることが多々ある。

企業の売上も同じで、1億円の次は3億円、5億円…と
伸び方に法則がある。
中小企業は5億円から10億円へのステップが困難な場合が多い。

これは理屈はわからないが、実務で使うと便利である。

・ちょっとした差で結果は決まる

「お金を貯めるのは簡単ですが、実行できる人はわずか。
なぜでなのでしょうか」

「差なんてないよ。稼いだ以上には使わない。やるかやらないかだ」

・成長すれば苦痛も消える

現在、日本は中国からドジョウを輸入しているのだそうです。
(ドジョウの危険性のお話ではありませんからね…)

しかし、空輸する際に振動のせいで死ぬドジョウが
約8割にのぼった。
そこで、対応策として水槽になまずを入れてみることに。

なまずはドジョウを食べてしまうのですが、
ドジョウが死ぬことがなくなった。
なまずが食べるドジョウは約2割。差し引きすると、
輸送効率は実に4倍になった。

安定を捨てて苦痛(と考えられる)ことを選択するのも
経営判断のひとつである。

ちょっとだけ視点を変えてみようという本。
ビジネスマン以外の方が読んでもきっとおもしろいと思います。





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ウォーキング考・デューク更家





そうだ。デューク更家さんも言うておる。

現代人は疲れたとよく言うが、脳が疲れているだけ。
体が疲れていることが少ない。

歩こう。歩くのは運動ではない。

がむしゃらに歩かなくていい。
一日一万歩なんて考えなくていい。

メタボ?そんなの意味ないじゃん。
健康なら、体のサイズなんてどうでもいい。

デュークさんが歩くことを研究し始めたのは、
お母様が亡くなったことがきっかけになったそうだ。

お母様は肝硬変と診断され、
医師から歩くことをすすめられました。
膝を痛めても歩き続け、その結果、
ちょっとした事故で車椅子に乗る生活を余儀なくされました。

気落ちされたお母様は、
そのまま衰弱するように亡くなられたといいます。

デュークさんは、一日一万歩などという、
ウォーキングをがむしゃらにすすめるやり方には反対しています。

無理してはいけないし、何より、
悪い姿勢で歩き続けて体を壊してしまったら元も子もない。

歩くことは人類に共通する、ごくごく普通の動作。
それを意識して、正しい姿勢で行うことで、
むちゃくちゃに量を歩かなくても
運動効果は得られるというのが本書の主張です。

まず、きれいに立つ。体の重心をまっすぐおろせるように、

・右足のかかとに重心を乗せ、次に右足の親指に重心を移動
・左足でも同じことを行う

こういう動作をしてみることがいいと言っています。

これだと、会社でコピーをとるとき、
電車に乗るとき、台所に立って。
いつでも実行できますね。

次に歩き方。

かかとから足を下ろし、足の小指、
次に親指に重心を移動させながら歩く。

おへそを中心に、上半身は引っ張られるように、
下半身はぶら下がるように意識する。

よく、ウォーキングの時には腕をふるようにと言われますが、
これもデュークさんはすすめてはいません。
ひじをまげず、腕を後ろに引くやり方がいい。
胸筋が開いて、胸をはった状態をキープできるのだそうです。

この本を読んでいると、肩の力がすっと抜けました。

無理しなくていい。ウォーキングと気張らなくていい。

いや、気持ちの問題ではなく、
実際に体を緩める方法なんかも図説で書いているわけです。

こう、腕を前に上げて、
肘鉄を食らわせるような感じで腕を引きながら
「ガッ」と言ってみたり、
この方ならではという説明も楽しい。

春からウォーキングを始めてみよう。
そう考えておいでの方、ぜひご一読どうぞ。





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2008年04月02日

不都合な真実 ECO入門編




アル・ゴア氏の書いた不都合な真実。
よく売れたみたいで、映画もできてましたね。

こちらは不都合な真実の廉価版というところ。
よくDVDでもありますよね。
特典映像なんかがちょっと少ないバージョンのもの。
あんな感じです。理解するにはこちらの一冊でも十分。

写真が多い。
環境問題はうそだ、という本や主張があることは私も知っています。
科学者でない私にはその是非はわかりません。

ただ、確実に変化が起こっているということは
この本を見ればわかる。

1970年には真っ白なキリマンジャロの山頂が、
2003年には茶色の部分が多くなっている。

1932年の写真では一面が氷のモンタナ州の氷河は、
1988年にはただの荒地になっている。

西暦1000年から現在までの気温のグラフが出ていますが、
ここ50年で急激に温度が上がっているのがわかります。

気温が上がると台風、ハリケーンの発生が増える。
アメリカに上陸するハリケーンは、
数だけではなくその威力も増している。

アメリカではハリケーンに人の名前を付けるのだが、
2005年にはその数が多すぎて、
つける名前が足りなくなってしまった。
歴史上初めて、名前にギリシア文字を使うことになった。

アラスカやシベリアでは、永久凍土の上に立てられていた建物が
倒壊し始めている。氷が溶け出したためだ。

北極、南極の氷が溶け出すと、
海面が最大で5から6メートル上がると言われている。
世界中で海に沈む都市が出てくる。

地球の環境が変わりつつあるのは、
人口が爆発的に増えているからだ。

生活をするために、森を切り開き町を作る。
また、畑をつくるために森を焼くこともある。

カリブ海の、一つの島にある二つの国、
ハイチとドミニカ共和国の写真が載っています。
ドミニカ共和国の山は青々と木々が茂っています。

一方、ハイチの山は木がぽつぽつとしか生えていない、
丸坊主みたいな山。
環境に配慮した政策がある国とない国。
同じ島とは思えない写真です。

環境を守るため、私たちにできることもある。

この辺はもうやっている、という人も多いと思うのですが、
最後にまとめられているのでちょっとご紹介。

・車の停車中はエンジンを切る。
・リサイクル用品を積極的に活用しよう。
・蛇口をこまめにしめよう。
水道水の送水に使用されるエネルギーを削減できる。
・エコバッグを使おう。

写真、グラフが豊富。プレゼンテーションみたいな本。
一度は考えてみるべき内容だとも思うので、
忙しい方は立ち読みでぱらぱらめくるだけでも、ぜひどうぞ。






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