映画化されるんですって。
有名な作品なので、ご存知の方も多いと思います。
中学生になったまいは、学校へ行くことができなくなってしまった。
祖母の家に預けられることになったのだが、
母が電話口で話していた言葉がまいの脳裏から離れない。
「生きにくい子」「扱いにくい子」
実際に自分でもそうだと思う。
だが、祖母は
「感受性の強い自慢の孫。あなたは魔女の子孫だから」
と言ってくれた。
祖母はイギリス人である。日本に憧れていて、
英語教師としてこの国にやってきた。
一人暮らしをしながら、鶏を飼い、ハーブを育て、
いわゆるスローライフを実践している人である。
祖母の母には不思議な力があったそうだ。
そして祖母も魔女の修行をしている。
まいはそれに惹かれ、自分もその修行をしたいと祖母に告げる。
魔女は、自分のことは自分で決める。
強い意志を持たなくてはいけない。
そのために、決めたことを地道に粘り強くやり続けること。
第一歩として、規則正しい生活をしなさい。
そう祖母は言う。
今まで2時まで起きていたまいだが、
自分で決めて11時に寝て、7時に起きる生活を始める。
鶏の産んだ卵を取り、ハーブティをいれ、
祖母と二人で野いちごを摘む。
大きな鍋で煮てジャムにするためだ。
シーツを洗濯するにも、庭で大きなたらいの中で足で踏んで洗う。
家に洗濯機がないのだ。
二人でシーツをねじって絞るのだが、
生き生きとした暮らしの描写がすばらしい。
ついでに言うと、ジャム作りの場面もまた素敵だ。
摘んできた野いちごを大鍋に入れてかまどにかけ、薪で炊く。
なんつーか、カントリーライフへの憧れを
存分にかきたててくれる物語なのである。
途中、鶏が夜のうちに何かに殺される事件が起きる。
生き物のばらばらになった死体にショックを受けるまい。
そして祖母との語り合いの中で、まいは死について考える。
冷静に読むと、やや消化不良の感は残る。
家事にほぼ一日を費やす祖母と、仕事を持っている母との軋轢。
無作法な隣人への誤解がうまく解消していないこと。
だが、思春期の少女が、
豊かな自然と生活に触れて人生を考えるという、
とてもとても心温まるお話であることは確かである。
中学生のお子さんがいたら、女のお子さんだったら特に、
大人からの贈り物として渡してあげたい一冊。
多分どこの図書館にもあると思うので、週末にはぜひ。
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