2008年07月23日

タイガーフォース





2004年度のピュリツァー賞を受賞した作品。

ベトナム戦争中、アメリカ軍の中に
タイガーフォースという部隊があった。
少人数でジャングルに入り込み、索敵、ゲリラの殲滅を任務とする。

ベトナムのソンヴェ渓谷に、タイガーフォースは降り立った。

ゲリラをあぶりだすため、
米軍はソンヴェの住民たちを強制移住させようとした。

しかし、土地に愛着を持つ農民たちはなかなか離れようとしない。

いつしか、タイガーフォースの役割は残っている村人を
「説得」することになっていた。

熱帯の蒸し風呂ような気候、いつ襲ってくるとも知れぬゲリラ、
蛭、サソリ。兵士たちの消耗は続く。
農民たちは、移住先への列から逃れて村に戻ってくる。

兵士たちは、「ベトナム人は自分たちとはちがう」と考えていた。
人間ではない。サルと呼ぶ兵士もいる。

言うことを聞かず、農作業を続ける村民に後ろから発砲する。
戻ってこられないように家を焼く。
家の中に人がいてもかまわず
火をつける。
老人を殴り、頭にライフルを突きつけて撃ち殺す。

ソンヴェ渓谷から戻ったタイガーフォースは、
わずかな休みを与えられただけで、
再びチュ−ライで戦うことを命じられた。

そこにはゲリラが待ち構えていた。
木の上からタイガーたちを狙い、狙撃してくる。
仲間が倒れる。

民間人を殺すのが兵隊の役割ではない。
そう説く兵士も中にはいた。
残虐行為に抵抗を示す人間もいた。
しかし、疲弊がタイガーたちを消耗させていく。

村を襲い、村民を殺し、
地下壕に逃げ込んだ人間を手榴弾で焼き殺し、
死んだ人間の耳を首飾りにして
「記念品」にする兵士も出てきた。
乳児の首をナイフで切り落とした兵もいた。

戦後、CID(米軍犯罪捜査司令部)のグスタフは、
乳児殺害の告発書を手に取る。

タイガーフォースに所属していた兵士たちに面会し、
戦争犯罪を暴こうとする。

調査の中で兵士に面会したグスタフは、
彼らが皆一様に過去の犯罪におびえ、精神を病んでいることを知る。

「彼らの心は、スナップ写真を撮っていたのだ。
家族と団欒しているとき、
血まみれのスナップ写真が目の前に現れる」

兵士たち何人かの生まれ、育ちも記されており、
彼らがどんな人生を歩んで
ベトナムに赴いたかが丁寧に書かれている。
その後の不幸な人生にも筆が及んでいる。

アマゾンのレビューによると、翻訳があまりうまくないらしい。
軍の階級があいまいだそうだ。

また、人の名前がごちゃごちゃしてわかりにくいというのは
私も感じた。

しかし、数十年も前のことを、
丁寧に資料を探して書ききったという点においては
力作といわざるを得ない。








こちらのブログがあなたのメールBOXに届きます。
平日日刊・メルマガだけの前フリも好評です♪
まぐ2.JPG

★blogランキングに参加しています★
posted by momo at 07:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 硬派!社会派系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/103408257

この記事へのトラックバック