2008年09月17日

ジャーナリズム崩壊






面白かった。
日本のジャーナリズムの現状を憂える本。

抽象論ではなく、
著者が実際に体験した事例をたくさん挙げてくれているので、読みやすい。

また、まじめな内容のものなのだけど、
その奇妙さに驚き、笑ってしまう箇所も多い。

著者、上杉氏の経歴を簡単にご紹介しておく。
NHK勤務を経て、衆議院議員の公設秘書となる。
その後、ニューヨークタイムス東京支社で働いた後、
現在はフリーランスのジャーナリストである。

上杉氏は言う。日本の新聞記者は、
世界の基準から言うと、ジャーナリストとは言えない、と。

日本の新聞記者は、国際的には
通信社社員の仕事をしていると考えられる。
速報を追うことが仕事で、事象を深く掘り下げない。

それは報道の中立性を保つためと言うが、実際には違う。
海外の新聞は、自社の、または記者の政治的立場を鮮明にし、
批判も行う。
日本の記者は政府の発表をそのまま紙面に載せるだけだ。

その一方で、取材対象である政治家と親密になりすぎ、
政治に口を出す記者がいる。

記者が、取材対象と適切な距離を取れていない様子が書かれている。

その元凶は記者クラブだ。
キシャクラブは、外国でも通用する日本語だ。
その特異性、閉鎖性は悪評高い。

日本では、記者クラブに所属していないと
官公庁の取材が満足にできない。

フリーランスは、その取材を記者クラブに妨害されることすらある。
同業者なのに、だ。

官公庁で取材をした記者たちは、「メモ合わせ」なるものを行う。

取材の後、違う新聞社に務めている記者たちが集まって、
取材メモの確認を行うことをそう呼ぶ。

みんなが同じことを書くために、同じ情報を得られるように
すり合わせを行っているのだそうだ。
これではスクープは生まれない。

政治家への批判、糾弾を行う政治記者は
記者クラブからは阻害されるため、
このような慣習ができたようだ。

いや、ほんとすごいです。知らなかった、こんなこと。

NHKの閉鎖性、自己批判ができず、
訂正記事ひとつ満足に載せられない新聞社の現状、
匿名記事が生む責任のあいまいさ。
いろいろ問題があるんだなあ。

しかし、それは新聞記者の方一人の責任では決してない。
上杉氏も、日本人の貴社の優秀さ、まじめさは認めている。

そんな記者たちを潰してしまっている
日本の「ジャーナリズム」の現状を、上杉氏は嘆いているのだ。

新書。一読を、ぜひともおすすめしたい一冊。




読むのが面倒な方は↓
http://haraguro-momo.seesaa.net/article/106699624.html







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posted by momo at 14:25| Comment(0) | TrackBack(1) | 硬派!社会派系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Excerpt: 国会では相変わらず民主からの「解散せよ」の突き上げ。麻生さんが雑誌に書いたからとかなんとか,いくら迫ってみても解散権は総理にしかないんだからと冷めてるのが庶民だわね。あんまり麻生ローゼン就任でも支持率..
Weblog: iFinder 雑読乱文
Tracked: 2008-11-09 13:01
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