著者の吉越氏はトリンプという下着メーカーの
日本支社の社長だった方。
今は引退されて講演活動などをなさっているそうだ。
吉越氏は社長時代、残業ゼロ、早朝会議など、
独自の経営手法を編み出してマスコミなどからも注目された。
この本では特に、残業をなくした過程を紹介している。
残業をなくす。これにはトップの強い意志が必要になる。
残業がないというと、
社員側としては諸手をあげて大賛成なのかというと、
そうでもないらしい。
最初のうちは反対が多かった。仕事が終わらないというのだ。
吉越氏は、デッドラインなるものを設け、
個人の生産性をあげようとした。
締め切りがある方が仕事は早くできるものだ。
日本では、隣の人とちょっと話をしたり、
コピー機の周りで集まってみたり、
そういう職場が「活気がある」よい職場だと思われがちである。
しかし、それは能率が悪い仕事のやり方だ。
社員に個室を与えるくらいの方が仕事の効率はよい。
集中すればどれくらい仕事ができるか
社員にわかってもらうために、
トリンプでは「がんばるタイム」を導入した。
午後十二時半から二時半までの間、私語、電話、
たち歩きを禁止して仕事を片付けることだけに集中させた。
吉越氏の取り組みは徹底している。
ノー残業デーを設けたときは、就業時間が終わると、
各フロアを歩きながら電気を消してまわったそうだ。
社長自らがである。
また、残業している社員のいる部署には徹底的に反省会をさせ、
さらに罰金を課すこともある。
このがんばるタイムについても、総務が社内を見回り、
違反者はやはり罰金が課せられる。
ここまで、と少々恐ろしくなるが、
会社にとってよいことと経営者が判断したことは、
徹底的に導入しなければならないと著者は言う。
著者がこのように残業をよしとしないのは、
仕事が全てという人生はよくないと思うからである。
家庭も顧みず働いて、いざ定年になったら帰る場所がない。
それでは何のために生きているかわからない。
また、優秀な女性が働きやすい職場を作るため、
ひいては少子化に歯止めをかけるためにも、
残業=よいことという働き方を変えなくてはならない。
なるほど。まったくその通りだよなあ。
経営者、管理職の方にそっとおすすめしてみたい一冊。
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