2011年02月09日

軽くて深い 井上陽水の言葉







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軽くて深い 井上陽水の言葉  齋藤 孝
¥ 1,575  角川学芸出版 (2010/4/21)

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いろんな名言集を読んできたけど、これはまた、格別に新鮮で面
白かった。井上陽水さんの言葉を齋藤孝先生が解説したもの。

いわく陽水さんは「音楽界のニーチェ」なのだそうだ。独特の美
意識を持ち、ありきたりのことは言わない。その言葉は鋭く、異
彩を放っている。人と共振はするが、馴れ合うことはなく、どこ
か孤高の存在である。

齋藤さんが感銘を受けたのは、陽水さんがサングラスをかけてい
る理由をこう、答えたからである。

「たとえばいかがわしい場所で人間の道をきわめるため」

サングラス一つで、これだけ深い言葉をつぶやける人が、ほかに
いるだろうか。

「傘がない」という歌をご存知だろうか。「都会では自殺する若
者が増えている」という、あまりにもショッキングな歌詞で始ま
る歌だ。

だが陽水さんはこう歌い上げる。「だけど問題は今日の雨 傘が
ない 行かなくちゃ 君に逢いに行かなくちゃ」

この歌を、陽水さんは「天下国家より目先の女って歌ですから」
と語る。浅間山荘事件があったその年に発表されたこの歌で、彼
は政治よりも色恋だと語っている。ほかのミュージシャンとは、
別の角度から世の中の悲哀を見たわけだ。さすが。

いつも剥離し、隔絶はしない。こんなことも言っている。「逆
らってはいけない 合わさってもいけない」 奥田民生さんとの
共作「手引きのようなもの」の歌詞の一部。

私がいいなと思ったのは、こういった力の抜き方だ。

「(作曲も)ふすま貼りと同じ。一種の仕事にすぎない」「100
書いて、いいのが一つあるかどうかだから、いっぱい書くことが
大切」

日々の仕事に向き合ったとき、過剰な期待を抱き、そしてそれに
押しつぶされそうになることはないだろうか。

陽水さんの仕事は歌を作ること。クリエイティブな仕事なんであ
る。でもその仕事に対しても「淡々と、手馴れてくるまでこなす
しかない」とおっしゃっている。

りきみ仕事になって、かえってだめにしてしまうことがある。そ
うなりそうなとき、ふと思い出したい言葉だ。日々を淡々と、誠
実にこなすこと。

「大変な目に遭っている人は大体いいですね」

陽水さんは、その四十代を「真綿で首を絞められるような」気持
ちで過ごしたのだそうだ。がむしゃらに仕事をして、無理がた
たって倒れた。

精神的に病んでしまうのは困る。「兼ね合いですかね。でも四十
代には泣いていただかないと」 そこをくぐり抜けた強さ、しな
やかさというものが、後の人生に深みを与える。

苦労は買ってでもせよと言う。辛いことの後には、素晴らしい世
界が開けているとも考えられる。説教くさくはならず、さらりと
言えるのが陽水さんのすごさ。

あと、言ってみたいのがこの言葉だ。難易度が高そうだけど。

「謙虚、謙虚でやってまいりました」

四十周年スペシャルサンクスツアーで語られた言葉。人を食って
いて、なかなか味わいがある。陽水さんのあの声、しぐさで言う
から素晴らしいんだろうなあ。


齋藤先生の解説がまた面白かった。意味がなさそうである、あり
そうでよくわからない陽水さんの言葉を、こういう風に解釈する
のかと、気持ちが新たになる思いだ。

齋藤先生も、ふすま貼りの言葉がとてもお好きなのだそうだ。ご
著書を多く書けたのは、この言葉のおかげだとおっしゃっている。

力まず、こつこつ。凡人としてはぜひ、見習いたいところ。









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posted by momo at 08:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 自己啓発系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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