1996年に第五回開高健賞奨励賞を受賞した作品。
今年、ホテルルワンダという映画が公開されたのを記念して、
装丁も新たに復刊しました。
どうしてもトランスアフリカンレターズと間違えてしまうんだよなあ…、
なんて独り言はおいといて。
新聞社のカメラマンが、自衛隊機とともにルワンダ入りし、
取材したドキュメンタリー。
自衛隊論、国家の武装について、新聞記者について、
やや厳しい目も向けられている。
日本人の記者があまり行っていない虐殺現場も取材していて、
読み応えのある一冊です。
とはいえ、アフリカのことはあんまり知らない私。
ルワンダってどこ?という程度の知識で読み始めました。
ルワンダには大きく分けて二つの部族がいます。
農耕民族のフツ族と、狩猟民族のツチ族。
長い間、その管理能力をもって、
少数ながら国を支配していたツチ族。
ヨーロッパの各国が、ルワンダを植民地にしたときも、
ツチ族を支配層において間接統治を行っていたそうです。
独立国になったとき、政権が交代し、フツ族が支配することに。
やがて、隣国の大統領の飛行機事故をきっかけに、
フツ族によるツチ族の虐殺が始まる。
ツチ族が抵抗し、現在は政権をツチ族が握っている。
報復を恐れたフツ族が、国境を越えたのが難民となっている、
ということらしい。
7人が、ひとつのテントで過ごす家族。
キャンプで行われる質素な結婚式。
外国人ジャーナリストから、通訳などの仕事を得て、
なんとか食いつなぐ人たち。
難民たちの様子がよく描かれています。
何度も手書きの偽領収書を作って、
著者に経費をせがむ少年がいるんだけど、
あっけらかんとしていて読んでいる私にはおかしい。
政府にとって、虐殺現場なんて取材されても厄介なだけ。
妨害を避けて、数時間にも及ぶ登山の末、
腐臭漂う現場を取材したシーンは臨場感あり。
また、小さな山が、実は殺された人間をまとめて埋めた場所だと
聞かされたりもする。
人間の威厳なんてそこにはなくて、
白骨を蹴飛ばしてしまう場面が物悲しい。
新聞記者の方の書いた本ですが、決してお涙頂戴ではない。
アフリカ人相手に値切り、最後は服まで売りつけたという著者。
読んでいてしらけてしまうところがない。
日本の安全保障についても述べていて、
それがとても現実的なのがいい。
こういう人が論説を書いたら面白そうなのに。
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