2006年11月22日

漂泊のルワンダ




1996年に第五回開高健賞奨励賞を受賞した作品。
今年、ホテルルワンダという映画が公開されたのを記念して、
装丁も新たに復刊しました。

どうしてもトランスアフリカンレターズと間違えてしまうんだよなあ…、
なんて独り言はおいといて。

新聞社のカメラマンが、自衛隊機とともにルワンダ入りし、
取材したドキュメンタリー
自衛隊論、国家の武装について、新聞記者について、
やや厳しい目も向けられている。

日本人の記者があまり行っていない虐殺現場も取材していて、
読み応えのある一冊です。

とはいえ、アフリカのことはあんまり知らない私。
ルワンダってどこ?という程度の知識で読み始めました。

ルワンダには大きく分けて二つの部族がいます。
農耕民族のフツ族と、狩猟民族のツチ族。

長い間、その管理能力をもって、
少数ながら国を支配していたツチ族。
ヨーロッパの各国が、ルワンダを植民地にしたときも、
ツチ族を支配層において間接統治を行っていたそうです。

独立国になったとき、政権が交代し、フツ族が支配することに。

やがて、隣国の大統領の飛行機事故をきっかけに、
フツ族によるツチ族の虐殺が始まる。

ツチ族が抵抗し、現在は政権をツチ族が握っている。
報復を恐れたフツ族が、国境を越えたのが難民となっている、
ということらしい。

7人が、ひとつのテントで過ごす家族。
キャンプで行われる質素な結婚式
外国人ジャーナリストから、通訳などの仕事を得て、
なんとか食いつなぐ人たち。

難民たちの様子がよく描かれています。

何度も手書きの偽領収書を作って、
著者に経費をせがむ少年がいるんだけど、
あっけらかんとしていて読んでいる私にはおかしい。

政府にとって、虐殺現場なんて取材されても厄介なだけ。
妨害を避けて、数時間にも及ぶ登山の末、
腐臭漂う現場を取材したシーンは臨場感あり。

また、小さな山が、実は殺された人間をまとめて埋めた場所だと
聞かされたりもする。
人間の威厳なんてそこにはなくて、
白骨を蹴飛ばしてしまう場面が物悲しい。

新聞記者の方の書いた本ですが、決してお涙頂戴ではない。
アフリカ人相手に値切り、最後は服まで売りつけたという著者。
読んでいてしらけてしまうところがない。

日本の安全保障についても述べていて、
それがとても現実的なのがいい。

こういう人が論説を書いたら面白そうなのに。



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posted by momo at 10:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 硬派!社会派系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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