タイトルは石油の終焉ですが、
エネルギー問題がテーマになっている、
非常に読み応えのある一冊です。
最初に、文明の発達とエネルギーについて書いてあって、
なるほど、
文明の発達は使えるエネルギーの増加によって支えられてきたのが
よくわかります。
石油が、エネルギーの主役になったのって、
せいぜいここ100年くらいのものなんですね。
それまでは、石炭が主なエネルギー源だった。
石炭業者たちはこぞって、石炭の枯渇を認めようとせず、
石油にとって代わられることは否定していたという。
さて、100年の間、エネルギーの主役の座にあった
石油はの現状はどうなのか。
本来、産出量が少なくなる→値段が上がる、のが正常な市場です。
ですが、著者は、OPEC諸国の政治的な駆け引きによって
石油の値段は適正な競争下には置かれていないと主張しています。
現在、OPEC諸国以外でも石油はとれますが、
そのほとんどが「採取が難しい石油」。
この話は本書では繰り返し出てくるのですが、
石油採取の現状は、「低い枝のものはほぼ取り尽くした。
あとは、取るのが難しい高い枝のものだけ」。
たとえば、北極ではまだかなりの石油埋蔵量があるそうですが、
掘り出す技術と、運搬を考えると不可能に近いみたい。
環境にも負担がかかりすぎるそうです。
また、アゼルバイジャンなどでは、
明らかに石油の枯渇が見られるということも書かれていました。
結果的に、イージーオイルを手に握っているOPEC諸国が
石油の価格を調整できる、と著者は言っています。
それでも、エネルギーの需要は依然増加の一途をたどっている。
中国では産業が発展し、
今まで以上にエネルギーを消費する傾向が高まっている。
本書では、現状で開発途上にある代替エネルギーも
いくつかあげられています。
植物を使ったバイオマス、アルコール燃料。
これは最近よく話題になっていますね。
もうひとつ、水素電池というものも開発されているようです。
非常にクリーンなエネルギーですが、
実用化されていないのが残念。
全体的に、石油の将来に対しては非常に悲観的。
実際に、現在の技術で採掘、
利用できる石油は減少の一途をたどっている。
ただ、いろいろな政治的な思惑にとらわれて、
対応策はとられていない。
減少を認めず、ぎりぎりまで生産能力を上げ、
現在の需要に対応する。
そうすると、ある日いきなり、
石油の値段が高騰する事態に陥る、
という論旨ですが、考えるとすごく怖い。
「燃費を考えずにオフロードの大きな車を買ってしまう」
(まあ、そんな人種はアメリカ人くらいだと思いますが)
人には、ぜひ読んでいただきたい一冊。
あなたのメールボックスに、このブログが届きます。
平日日刊。
メルマガだけの「前フリ」も好評です♪

