2007年01月24日

パーマネント野ばら




去年西原さんの本を一冊読んで、
それ以来なんとなくはまっています。
どうしたらこんなに悲しくて、おかしい世界を描けるんだろう。

パーマネント野ばらは、村でたった一つの美容院。
女たちがパーマをかけに来て、
ざんげのようにナニカを話して帰っていく。

主人公はなおこ。
ひっそりした美人だ。まわりが怪獣みたいな女ばかりなので、
よけいにそう見える。
なおこの目から見たいろんな女たち、という設定で
いろんなエピソードが語られていきます。

幼馴染のみっちゃんは、金髪で指輪もジャラジャラつけてて、
スナックの経営をしている。
またいい味出してんだ、これが。

私が好きなのはまぐろ屋のひろこちゃんのエピソード。

ひろこちゃんの家は漁港の魚屋さん。
毎日魚くさくなって、まぐろをおろしているのに、
だんなはふらふら出かけていってしまう。

ある日、靴下の場所がわからないだんなを
包丁で刺してしまった。

救急車呼んでくれ、という男に、みっちゃんが一喝。

「あんたは三枚におろされてもしかたがないのに、
その上にゼータクに救急車ですかあ。
大事な話しとるのに、だまっとれ!」

事故ということで通しちゃって、
みっちゃんのスナックに女たちが集まる場面が豪快。

結婚生活20年、我慢の定期預金に金利がついてきた〜!と
大笑いして、
「人生はじけてみるもんやなあ!」と明るいひろこちゃん。
いいわあ。

自分の夫が死にそうになったのを見て、
「今日は天気がいいから死なしたろう」と、
救急車を呼ばないおばあちゃん。

虚言癖があって、結婚後に自殺したけいちゃん。

好きな男に逃げられて、
「好きな人がいない布団は砂をまいたようだ」というゆきママ。

下品な絵、せりふで、女の人生の妙味が描かれている。
このバランスがすごい。

主人公のなおこは、そんな毎日を送りながら、
ひそかに恋人と会っている。
なおこの傷をかわいいといってくれて、
ただ散歩したり、手をつないだりする恋人。

ずっと好きなんてないから、私は毎日うそをつくという
なおこの恋は悲しい。

この漫画で唯一の叙情的できれいなシーンなんだけど、
最後のオチがなんとも言えず悲しい。

傷つきやすくて、たくましくて、したたかで、強くて、弱くて。
女の人生もいろいろ大変なんです。

いいです、この本。ほんと。




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