2007年01月24日

東京タワー





だんなが筑豊出身なので、とても楽しく読めました。
出てくる風景とか、方言とか、あれもこれもリアルに思い浮かぶ。

リリー・フランキー氏の自伝的小説。
炭鉱の町、福岡県筑豊地方での
少年時代からの思い出が描かれています。

麻雀でたとえると、
「役満(一番点数の高いあがりかた)にしか興味がない」。
地味なことがきらいなオトン。
(この辺、非常に筑豊の人らしいと思う私)

就職してもまともに続かず、
ぶらぶらしているオトンと結婚したオカン。
その子供としてリリー氏は生まれます。

夫婦の関係はうなくいかず、オカンは子供をつれて親戚の家へ。

オカンは結局一人で子供を育てます。
貧乏だけど、服や布団はつねにいいものを子供に与える母。
明るく、花札が得意で、料理が大好き。
このお母さんの個性が、物語全般に明るく輝いています。

やがて高校生になり、リリー氏は福岡を離れます。
その後、東京の通うことになり、
母と子はずっと離れて暮らすことになりました。

東京に出てきたものの、まともに勉強もせず、就職もせず、
その日暮らしのリリー氏。
老いた母親に仕送りをせびる情けない青年期。

いつまでも甘えていた母が、
がんになったという知らせを受けます。

一回目の手術は成功。
普段どおり暮らし始めたものの、住む家もなく、
親戚の家に間借りしている母を見かねて、
リリー氏は東京に母を呼びます。

小さな荷物ひとつでやって来た母は、
たちまちそのバイタリティで東京の生活になじんでいきます。

このお母さんってほんとすごいんだ。
「みんなおなかがすいている。おなかいっぱいになれば幸せ」
という哲学の元、
リリー氏の近くに集まってくる人たちに
いっぱいいっぱいご飯を作って出す。

自慢のぬかづけ、豚汁、カレーライス。
リリー氏の自宅件仕事場には、いつも人が出入りしていて
オカンのご飯を食べていたそうです。

若い人と一緒にゲームして、ボランティアにも出かけ、
お酒が大好きなオカン。

そんなオカンですが、がんが今度は胃に転移していました…。

母親って、こんなにも子供に全てを与えることができるのか。
東京でろくに仕事もしない子供に仕送りして、
年金も払えなかった母。
毎日毎日ご飯を作り、死ぬ間際まで子供を心配する母。

みんなが泣くっていうから、絶対泣かずにいようと思ったけど
だめだった。
いまさらなんて言わずに、ぜひ、読んでいただきたい一冊。



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posted by momo at 12:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 話題の小説系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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