現代の日本を、二つの観点から論じています。
まず一点目。リスク化。
昔は、生まれた集落から出ることがリスクで、
それをしなければ人生には大きな問題がなかった。
親の職業を継ぎ、親と同じようなライフスタイルを守る。
それで一生を終えるのが普通だった。
今は、親の職業を必ずしも継ぐ必要はない。
だがしかし、自分で選んでも、それがかなうとは限らない。
また、結婚も、親や周りが決めるわけではないので、
かえって結婚できない男女が増えている。
人生のリスクが増えている、ということだ。
二点目は二極化。
高学歴の人は、高収入の職につきやすい。
人間関係の範囲もそれにともなうものになるので、
結婚相手もそういった人間になる。
従って、高学歴・高収入の強者連合ができる。
生まれてきた子供にも高い教育を受けさせることができる。
一方、フリーター同士が結婚してしまうと、
生活に追われ、教育にまで手が回らない。
そのようにして、格差が「世襲」されてしまう社会ができあがる。
また、かつては、学校を出ればそれなりの職について、
それなりの生活ができた。
だけど今は、学校から就職へという
パイプラインの機能がうまくいかなくなり、
そこから落ちた人間はフリーターにならざるを得ない。
そうして、下流になってしまった人たちから希望が失われてしまう。
それがタイトルになっている「希望格差」です。
恵まれた強者は、希望を持つことができるが、
大半の人にとっては、現代は「努力が報われない機会が多い」。
そういった人たちは、自暴自棄型の犯罪に走ったり、
趣味に逃げるように没頭したりする。
それを単純に自己責任と切り捨てるのは間違いである。
経済的にだけではなく、
心理的なセイフティネットが必要だ、と言いうのがこの本の主張です。
確かにねえ。
この国では首相が格差を認めちゃうような発言をしてるけど、
格差なんてあんまりあってもいいもんじゃないと思うな。
特に、リベンジの希望がないなんて最悪。
去年読んだ、ルワンダの虐殺に関する本、
カラシニコフ銃が蔓延する社会の本、
イラクのバグダッド・バーニングなど、
混乱する社会を書いた本の数々。
その混乱の背景は、
どれも下層階級が虐げられて希望がない社会なんだよね。
そんな国に、しちゃあいけないよなあ。
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