2007年01月26日

希望格差社会





現代の日本を、二つの観点から論じています。

まず一点目。リスク化。

昔は、生まれた集落から出ることがリスクで、
それをしなければ人生には大きな問題がなかった。

親の職業を継ぎ、親と同じようなライフスタイルを守る。
それで一生を終えるのが普通だった。

今は、親の職業を必ずしも継ぐ必要はない。
だがしかし、自分で選んでも、それがかなうとは限らない。

また、結婚も、親や周りが決めるわけではないので、
かえって結婚できない男女が増えている。

人生のリスクが増えている、ということだ。

二点目は二極化。

高学歴の人は、高収入の職につきやすい。
人間関係の範囲もそれにともなうものになるので、
結婚相手もそういった人間になる。
従って、高学歴・高収入の強者連合ができる。
生まれてきた子供にも高い教育を受けさせることができる。

一方、フリーター同士が結婚してしまうと、
生活に追われ、教育にまで手が回らない。

そのようにして、格差が「世襲」されてしまう社会ができあがる。

また、かつては、学校を出ればそれなりの職について、
それなりの生活ができた。

だけど今は、学校から就職へという
パイプラインの機能がうまくいかなくなり、
そこから落ちた人間はフリーターにならざるを得ない。

そうして、下流になってしまった人たちから希望が失われてしまう。

それがタイトルになっている「希望格差」です。

恵まれた強者は、希望を持つことができるが、
大半の人にとっては、現代は「努力が報われない機会が多い」。

そういった人たちは、自暴自棄型の犯罪に走ったり、
趣味に逃げるように没頭したりする。

それを単純に自己責任と切り捨てるのは間違いである。
経済的にだけではなく、
心理的なセイフティネットが必要だ、と言いうのがこの本の主張です。

確かにねえ。
この国では首相が格差を認めちゃうような発言をしてるけど、
格差なんてあんまりあってもいいもんじゃないと思うな。
特に、リベンジの希望がないなんて最悪。

去年読んだ、ルワンダの虐殺に関する本、
カラシニコフ銃が蔓延する社会の本、
イラクのバグダッド・バーニングなど、
混乱する社会を書いた本の数々。

その混乱の背景は、
どれも下層階級が虐げられて希望がない社会なんだよね。

そんな国に、しちゃあいけないよなあ。




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posted by momo at 11:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 硬派!社会派系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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