中国の春秋戦国時代、秦による中国全土統一前のこと。
当時、中国にはいろんな思想家集団がいたそうです。
有名なところでは、孔子の儒家。孫子もこの時代の人らしい。
その中で異彩を放っていたのが墨家。
大国に攻められた城に入り、城を守る「戦闘職人」がいた、
というのが他の集団にはない特徴です。
土木、武器の考案から作成、用兵、食料の管理。
さまざまな技能を持つ人間たちが、
ひたすらにその城を守りぬいたそうです。
さて、ストーリーを。
大国趙に攻められた、小さな梁の国。
その城を守るために、墨家から革離という男が派遣されます。
不審がられる革離ですが、王を説き伏せて、
城中の全権を委託されることになります。
村人は全員、男も女も戦うべし。
小さい集団に分け、連帯責任を負わせる。
男と女は会ってはいけない。
戦闘中は、男女の接触は禁止する。
厳しい規律を与え、革離は着々と防御の備えを進めます。
壁を、武器を作り、素人である村人を指導し、
超人的な働きぶりの革離。
戦争は作業である、という徹底した職人ぶりが、
なんとも言えずクール。
やがて、趙兵が進撃してきますが、難なく撃破。
城壁に群がる兵だけでなく、
地面を掘り進んできた敵に対しても、
墨家には対応できるノウハウがあった。
こちらからは3本のトンネルを掘り、
敵の3倍の兵力を投入することで退けたのだ。
強い!強すぎる墨家。
しかし、一方で、強い指導力を発揮する革離に、
王の息子、梁適が、不信感を募らせている。
その頃、趙の軍隊には退却命令が出ていた。
将軍の港は、梁の捕虜から
墨家が守りを指揮していることを聞き出します。
墨家が相手なら、この苦戦も仕方がない。
それでは、今一度攻めてみて、だめであったら退却しよう。
港は捕虜を城に戻し、最後の出撃を始める。
梁の城では、戻ってきた捕虜を、革離が処刑します。
その捕虜とは、梁適の最愛の女性だった。
梁適の怒りが頂点に達し、その矢が放たれた先には…。
戦闘シーンも迫力がありますが、
まず、墨家という集団の魅力に取り付かれてしまう。
薄い本ですが、読み応えは十分。
映画とあわせていかがでしょうか?
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