あー、私はだめだった。この本。
あんまり自分の好き嫌いは
書かずにいようと思ってるんだけど、だめだった。
東京でフリーライターをしている女性、君子さんが結婚した。
相手は「死体みたいな顔をした、足が死ぬほどくさい」男。
30歳なって、新入社員として入社した会社の初出勤日に、
ループタイをしていく彼。
個性的な彼ですが、彼の家族もなかなかのツワモノだった。
田舎の旧家で、親族はみなお医者様。
広い庭には蔵がどーんと建っている立派さ。
そこで君子さんが悪戦苦闘する、という感じなんだけど。
これ、タイトルが「嫁いでしまった!」になってるんだけど、
田舎で両親と同居って訳じゃあないんですよ。
普段は東京、お台場の公団住宅に住んでいる。
盆正月に帰省して、そこで悪戦苦闘…というエッセイ。
まあ、これじゃあ、本当に旧家に嫁いでしまって、
頑固な両親と同居している奥様は、
「キーッ!こんなの嫁ぐうちに入ってないわよ〜!!」
と頭から湯気を出してしまいそうだ。
まあ、嫁ぎ先もちょっと変わってるといえば変わってる。
お母さんはかなりおっとりした人で、
夕食を作るのに、夕方から深夜までかかったりする。
だから、その家では、
男性は食事ができるまでカップラーメンを食べて
待っているのだそうです。
それに、ものを捨てるのが苦手で、
なんでも蔵にしまいこんでしまう。
歩けないほど積まれた贈答品に、
うんざりしてしまう君子さんには同情。
だけど、この君子さんもたいてい変わってると思うんだ。
この君子さんの性格を、いいと思えるか、
思えないかでこのエッセイの許容度は変わると思う。
私はだめだ。
だんなさんのことはひたすら悪く書くばかりで、
じゃあなんで結婚したの?といいたい。
皿洗いくらいでぶつぶつ言うし、
墓掃除に行けば「めんどくせえ」と草むしりもしない。
ぶりをさばいて、と言われれば「気持ち悪い」だし、
〈私もできないんだけど、学ぼうって気持ちはないのかな)
お義父さんがあけたドンペリを一人で飲んじゃうし。
ドンペリは一回あけたらフタなんてしないもの、
このくらいで喜んじゃって田舎モノ〜!って感じなんだけど、
別にいいじゃない。
一緒にありがたがってあげてもいいと思うんだけど、
だめかな?
ごはんはコンビニ弁当。
パンツを脱ぐのが面倒くさいので、
夫は風俗に通ってくれてたほうがありがたい。
不妊治療なんて暇人がやることだよ、ばかばかしい!
よくここまで殺伐とした感性を育て上げたねえ、と思う。
配偶者をけなしまくり、結婚生活のセキララぶりを書きまくった
「ブスの瞳に恋してる」。
あれを読んだときはこんなにうんざりしなかった。
むしろ、そのノロケにやられてくらくらしたけど。
書き方が屈折してるだけなのかわからないけど、
このエッセイからは微塵も愛情が感じられないのだ。
他者に対する愛情が。
ひたすら、自分かわいい、自分カワイソウなんだもんなあ。
そこに愛はあるのかい!?
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