朝日新聞の天声人語で紹介され、また去年の紅白歌合戦で歌われて、
有名になったこの曲。
もともと英語圏で読まれていた詩で、作者は知られていません。
「a thousand winds」というのが原題です。
9.11のテロの追悼式典で被害者の娘さんが朗読したり、
IRAのテロリストの青年が、
両親に「私が死んだときに開封してください」といって
渡した手紙に書かれていたり、
英語圏では有名な詩のようです。
この詩を日本語に約した方がこの本の著者です。
どうしてこの歌が日本に生まれたのか。
これを読むとわかります。
はじめに、きれいな写真と歌詞が載っていて、
じっくりと歌詞を味わうことができます。
それにしてもいい詩だなあ。
私のお墓の前で 泣かないでください
そこに私はいません 眠ってなんかいません
千の風に
千の風になって
あの大きな空を 吹きわたっています
親しかったあの人が、いなくなったわけじゃなくて、
いつも空にいる。生きているときよりも自由になって。
生きているものの感傷でしかないかもしれませんが、
救いを感じるのが、永く愛されている理由でしょうか。
後半ではこの詩が生まれたきっかけについて、
述べられています。
この詩を知っていた著者は、
なんとかメロディーをつけてみようとする。
けれど、なかなかうまいものができなかった。
そんな折、友人の奥様が亡くなってしまう。
著者は友人にかけてあげられる言葉がなく、
とても苦しい思いをする。
そこでこの詩を思い出し、
日本語に訳してみることを思いつきます。
そうすると、とてもスムーズにメロディーができたそうです。
奥様の法要の折にCDにして流してもらい、
「それでやっと宿題を提出できた気がした」。
最初の出会いから数年、
数枚しか作っていなかったCDですが、
口コミで少しずつ欲しいという人が現れます。
新聞で紹介されたのをきっかけに、
静かに広がっていったんだそうです。
死ってとても厳粛なものだし、
死んだことのない私が語るのはおこがましいんだけど、
私が死ぬときにも、
こんな言葉を残してあげられるといいなあ。
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