鈍感ね、と言われて、
ほめられていると感じる人は少ない。と思う。
でも、鈍感であることって案外得なことが多いかも。
失楽園、愛の流刑地、あじさい日記など、
話題性の高い作品を次々と世に送り出してきた、
渡辺淳一氏の最新エッセイ。
「鈍感、それはまさしく本来の才能を大きく育み、
花咲かせる、最大の力です」
渡辺氏に言われたらものすごく納得しますね。
さて、では、どんな風に鈍感であればいいのか。
渡辺氏の前歴が外科医であったのは有名です。
外科医というのは、いつ急患が出るかも知れず、
勤務中は決して気を抜くことができないそうです。
他の同僚が、眠らないために努力している横で、
氏はどこでも寝られる技術を身につけたのだとか。
そのおかげで、仕事にも集中できた。
また、口うるさい上司(この場合先輩の医師)に
辟易していたが、
何を言われても「はいはい」と受け流す先輩がいた。
その先輩は、しかられていても話を聞いていない。
「鈍感」であることで、
他の人が落ち込むときにも平然と、
楽しそうにすらしていたそうです。
仕事場でも、怒られても
鈍感にやり過ごすことができる人こそ伸びる。
それはそうかもしれないな。
氏が作家のたまごであったときのエピソードもおもしろい。
才能のある知人がいたそうですが、
彼は作品が受け入れられないと、
暗くなって自問自答を繰り返すタイプ。
それに引き換え、渡辺氏は、バーのママに、
「才能あるわよ!」と言われて
なんだかわからないけど自信を持ってしまう。
ママは、氏の作品を読んでいないというのだから
笑ってしまいます。
また、恋愛編では氏の本領発揮。
女性は、基本的には一度や二度のデートでは許してくれない。
それを、「もうだめだ!」と思わずに、
鈍感にまた次も誘う。
それができないと、女性と仲良くなることはできない。
部屋に連れてくるにしても、
ほどよくだらしないほうがいい。
女性も、そのほうが楽に過ごせるからである。
身近にいると気になる鈍感な人。
でも、自分がなってしまえば楽しそうな気がしてきた。
簡単に読めます。
リラックスしたいときにいかがでしょうか。
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