2007年04月04日

山谷でホスピス始めました。




山谷とかいて「さんや」と読む。
ここには日雇いで仕事をしている、
ホームレスの人たちが集まっている。

その町で、病気で治る見込みのない人たちの
宿泊所を作った人の記録。
ホスピス、「きぼうのいえ」の施設長の方が書いた本です。

山本さんは、20代をいわゆるニートのような状況ですごす。
その山本さんの人生の転機となったのは、
日光ジャンボ機の墜落事故でした。

事故で肉親を亡くし、悲しんでいる人たちをテレビで見、
うちひしがれる人たちのかたわらにある人生を歩みたいと思う。

キリスト教を学び、仕事についてみるものの、
理想と違う現実に納得できず退職。
そんな中、奥様の美恵さんと出会い
山谷でホスピスを作ることを決意する。

お金もない、土地もない中から、寄付を募り、
なんとかオープンさせたきぼうのいえ。

余命わずかな人たちの希望になれば、
という思いではじめたものの、
善意だけが空回りする現実に何度も打ちのめされます。

なにしろ、相手はいろいろな事情を抱えたホームレスの人たち。
集団生活になじめなかったり、
悲しい生い立ちのせいで
人間不信を抱えたままの人たちばかりで、
なかなか一筋縄ではいかないのだ。

それでも、ややあって心が通じ合うことの、
なんとも言えず美しいこと。

職員に悪態をつきながらも、
「あの人たちがおれの親なんだ」という老人。

「ちゃんと食事をしましょうね」といわれて、
人から気にかけてもらったことがはじめてと泣き出す男性。

もとやくざの田中さんは、取材に来たカメラマンに
「あんぱんを買って来て」という。
カメラマンは、覚せい剤の隠語だと思い、
「どんなものですか」と問う。
「甘いやつだ」と言われて安堵するカメラマン。

痴呆症でもある田中さんは、
スタッフに「ママ」と甘えてみなに愛されていた。

ここにいるのは私たちと同じ、ごくごく普通の人。
ほんの少し、人生の歩き方が違っただけで、
私たちだっていつあっちに行くことになるかもしれない。

著者の情熱には頭が下がる。
が、彼も決して器用な人間ではない。
どちらかというと社会には適応しきれない人間だと思う。

そんな人たちが、失敗し、試行錯誤しながら必至で運営している
きぼうのいえ。

こんなところが、社会にあってもいいと思う。



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posted by momo at 14:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 硬派!社会派系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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