2007年04月19日

シュミじゃないんだ





本を読むことは生活の一部であって、
食べることと同じ。
趣味なんていえるなまやさしいものではないんだ。

これが、タイトルの「シュミじゃないんだ」の意味。

直木賞作家である三浦しをんさんの読書録。

といっても、お利口な本をすすめているわけではなく、
この本ではいわゆるBL(ボーイズラブ)といわれる、
男性同士の恋愛を描いたマンガをひたすら論じている。

いやあ、それにしてもすごいなあ。
この人どれだけマンガ読んでるんだ?
膨大な読書量の中から、テーマにあった作家、
作品を紹介してくれている。

BLマンガというと、どうしても過激な性描写に目がいきがち。
おい、こんなの読んでいいのかよ、と
突っ込みたくなる絵柄の本がたくさんある。

しかし、しをんさんが求めるのはそんなエロ描写ではない。
そこに描かれている人間関係、
恋愛心理こそが彼女の欲しているものだ。

ジェラールとジャックという作品で、
トラウマを負った男と
貴族の少年の純愛を描いたよしながふみ。

どこかへ帰ること、帰属する場所をテーマに描き続ける
語シスコ。

友情と愛情の微妙なゆれを描く山田ユギ。

女の子の目線を通して、恋を失うつらさを語る紺野けい子。

BLというジャンルの中で、これこそは!という作品を
列挙してくれているので、
しをんさんの説明に惹かれたら、
(そして、男性同士の恋愛に嫌悪感がなければ)
読んでみる価値大。

それにしても、さすが、というのは権威に負けているようで
情けないのだが、さすが直木賞作家。
作品に対する考察と、それをミーハーな口調でありながら
丁寧に語る文章には感心させられる。

馳星周がデビュー前に書いていた
「バンドーに訊け!」という書評があるが、
それの中で、彼が自分が好きな本、
作品の傾向を一方向に定めていく様子がよくわかる。

救いのない暗黒の世界。
それを突きつめて、デビュー作の不夜城は誕生したのだそうだ。

本を読む、書評を書く、
好きな作品の傾向を知ることで創作へつながる。

作家誕生の裏をしりたければ、
案外書評本というのは面白いのかもしれないなあ。




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posted by momo at 08:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 世間話、時事ネタ系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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