2007年04月27日

新平等社会




以前にご紹介した、
希望格差社会のその後の社会考察をまとめた、新平等社会。

なんだかこっちのほうが希望が持てるタイトルですが、
さてその内容は。

この本のキーワードは、
「希望」と「ニューエコノミー」ではないかと思っています。

著者は、収入の格差ではなく、
社会に希望の格差が広がることこそを危惧している。

将来に希望が持てなくなる人間が増えることが、
不安定な社会を作ると繰り返し述べている。

まず、これまでの日本の社会を俯瞰してみる。

戦後の高度成長期から1990年代前半までを、
努力保証社会という。
努力が報われた社会だというのだ。

それが、1990年代の後半から社会生活分野の多くの指標が悪化。

自殺率、生活保護世帯、子供の就学支援の上昇。
ニート、引きこもりの問題化、窃盗事件の増加。

その後、将来に希望が持てない人、
持てる人の格差が広がる希望格差社会の到来。
これは前作に詳しいので、
ご興味のある方はどうぞご覧になってみてください。

しかしこの格差が広がったのは、小泉政権のせいではなく、
世界的な流れで止められないものであるという。

生産性の高い少数の仕事と、それに従事する少数の人、
生産性の低い多数の単純作業と、
それに従事せざるを得ない多数の人。

これが、世界に席巻するニューエコノミーを形成する
経済のあり方だと著者は説いています。

それでは、そんな社会でどうやって
絶望の広がる国にしないでいられるか。
対応策も述べられています。

フリーターなどの生産性の低い仕事への就労期間が
なるべく短くなるような支援。
(正社員への昇進など)

日本では、一度正社員のルートから外れると復帰が絶望的。
これをもっと改善するべきである。

また、フリーターであっても昇進、
仕事の充実感を得られるような仕組みづくり。

社会保障制度を改革する。
たとえば、今の年金制度は、正社員として収入が増える人生を
モデルにして作られている。
それを、一律の負担額にし、払える人は多く払い、
その分後にたくさんもらえるポイント制度を導入する。

希望を持てなくなる人が増えると、社会が不安定になる。
そうならないための対策を採ることは、
経済的にもプラスになることだ。

日本が今まで安全な国であったのは、
みんなに希望があったからなのかな。

やけっぱちな人が増えることが決していいことじゃないくらい、
経済にうとい私でもわかる。

年収100万円で楽しく過ごそう、なんて本を書く人がいるが、
それは自分がそうならないから書けるのだ、と
著者は喝破している。
全く同感。



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posted by momo at 11:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 世間話、時事ネタ系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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