交渉術、とあるが、
交渉術を学ぶ本ではない。
こんなの、一般人がまねしたら仕事をなくしたあげく、
親類縁者妻子友人から絶交されるのがオチではないだろうか。
アップルの創始者であり、現在のCEOである
スティーブ・ジョブズ氏のビジネス人生を俯瞰し、
彼がどのようにビジネスを行ってきたかを書いた本書。
完璧主義者で、どんなささいなことでも
把握していないと気がすまない。
自分が主人公でなくてはならない。
どんな交渉も、相手が譲歩するのが当たり前だと思っている。
強烈な人物です。
では、エピソードをご紹介。
アップルの創始者でありながら、
一度はアップル社を追われるジョブズ氏。
復帰の機会を用意してくれたのは、前CEOのアメリオ氏である。
ジョブズ氏が作った赤字だらけの会社のOSをアップルに採用し、
巨額の報酬をもって特別顧問の肩書きを彼のために用意した。
しかし、復帰したジョブズ氏はクーデターを起こし、
彼をアップル社から追い出す。
そして、彼が行っていたアップル社の経営改善が
うまくいったのを見ると、
自分の手柄として大々的に発表する。
また、彼がかかわった会社として有名なのは、
ファインディング・ニモなどのディズニー映画のCGを作った
ピクサーという会社だ。
最初、制作費を出してもらう代わりに、
キャラクターグッズなどの収入を放棄していたピクサーと
ディズニーの契約を、
強引に変更させる。
自分がいやだと思ったことは、
契約事項に書かれていても気にしない。
契約内容は変わるものだと言わんばかりに
強引に交渉に持ちこむ。
アップル社内で、ソフトを開発するときにも
社員には不眠不休、完璧を要求する。
反抗しようものなら、翌日出社したときには
その社員の席はない。
こんな一種の恐怖政治で社内を統制します。
しかし、その強引な手法でさえ、
彼のカリスマ性を引き立たせる理由になる。
自分の思ったこと、要求することを厳密に、
徹底的に追い求める情熱。
それってすごいことだし、
プレゼンにおいて人を巻き込んでいく原動力になる。
アップル社の歴史、社内の風土もよくわかる。
まねはできないけど、こうやって
自分の人生を切り開いていくのも格好いいなあ、
なんて嘆息できる一冊。
ああ。鬼畜、独裁者なんて思いながら読んだけど、
やっぱりジョブズ氏の魅力には逆らえないみたいだ。
あなたのメールボックスに、このブログが届きます。
平日日刊。
メルマガだけの「前フリ」も好評です♪

