ずいぶんと暑くなってきましたが、
みなさんお変わりありませんか?
あちー、あちーとわめきながら、本屋で見つけた一冊。
見ているだけでひんやりするので、
時々眺めてはにやにやしています。
写真家の方が、北国の鈍行列車に乗って写真を撮り、
文章をつけた本。
大きな駅ばかりではないので、
そこはかとない寂しさがまた寒さを感じさせ、
タイトルどおり郷愁あふれる仕上がりになっています。
たとえば、秋田・青森間を走る五能線。
東能代から川部まで、147.2キロの旅。
東能代の駅を7:52に出て、能代、向能代、北能代、と電車が進む。
ここは吹雪や強風、高波で運休することが
年に何回かあるのだそうだ。
岩館の駅では、腰ほどの高さに積もった雪を
シャベルでかいている駅員さんが写真に撮られている。
窓から見える民家の屋根には雪が積もり、遠景に日本海が見える。
車内では、向き合った座席に座り、元気に話している女性たち、
もたれあって座っている男子高校生たちがいる。
先頭の車両には、雪がこびりついていて、
駅員さんがスプレーをかけて除雪作業をしている。
自分自身が鉄道に乗っているみたいな気分になってくるから
不思議だ。
しかし、この旅には予定外の時間がかかってしまう。
途中、大雪のために列車が運休してしまうのだ。
そのときの駅の写真が出ているけど、
誰もいないホームの屋根に分厚い雪が積もり、
真っ白になっていて、
これがまた寂しくていい。演歌が聞こえてきそうだ。
運行が再開された早朝、駅務室にいた駅員さんに、
「ぬぐだまっていかねが?」と声をかけられて、
外国語のように感じる。
他にも、只見線、根室本線、釧網本線の様子が書かれている。
よく考えたら、鈍行列車の旅ってかなり贅沢だなあ。
当分、そんな贅沢を味わうこともできそうにないので、
とりあえずこの本で堪能してみました。
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