読んでいて、最初から最後まで
涙が止まらなかった。
2ちゃんねると言えば、
ニュースなどでもおなじみの巨大掲示板です。
この本は、その巨大掲示板のあちこちに
投げられた書き込みの中から、
特に感動的なものをテーマにそって編集している本です。
2ちゃんねるにはあんまりよくないイメージもありますが、
アクセスしている人の大半は、ごくごく一般の人。
その普通の、名もなき人たちが、
名前を明かさないことを頼りにするようにぽつりともらす
人生の機微。
まるで、旅先の見知らぬ酒場で、隣り合って座った
明日は会うことのない人の身の上話を聞いているような、
演歌みたいな、映画みたいな感動がある。
母への想いというテーマでは、
血がつながっていないのに必死で働いて一人で育ててくれた母、
ひとり立ちした息子に、好きなお菓子やら野菜やらを送ってきて、
「お母さんはいつもあなたの味方よ。」という母の姿が語られる。
父だってがんばっている。
母を亡くした子供のために、大きいアルミの弁当箱に皮付のままで
みかんをいれ、品数だけは多い弁当を作った父。
男は誰かを守って死ね。悪いが、おれはここまでだ。と
言い残して逝った父。
歌手のDVDが欲しいといった娘に、
テレビから録画した画像を送ってくれた父。
両親が亡くなった後、引き取ってくれた祖父は
いつもかまぼこを食卓に出した。
祖父がかまぼこが好きだと思っていたら、
祖父は、「女の子だからピンクのかまぼこを喜ぶだろう」と
思っていたのだと死後に聞かされる話。
睡眠時間が1時間しかないほど働いていて、
死にたいと思っていた男性が、
皆の書き込みのおかげで会社をやめて「生き直したい」という話。
どの彼女も汚いといったお好み焼き屋に連れて行った女性が、
「おいしいおいしい」と喜んでいるので、
もっとたくさん食わしてやりたいという話。
車椅子の男の子が乗っている電車の中。
中年のサラリーマンとOLと茶髪のにーちゃんがいるが、
皆興味なさそうだ。
その子が降りるとき、車椅子が大きく傾いた。
「私」も、サラリーマンも、OLも、茶髪のにーちゃんも、
みんなが車椅子に飛びつくようにしてそれを支えた話。
どうだどうだ!
世の中、まだまだどうして捨てたもんじゃない。
けっこういい人ばっかりなんだよな、なんて思えます。
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