2007年08月06日

吉原手引草




今回の直木賞受賞作。
ややネタばれ気味ですので、これから読む方はご注意。

吉原一の花魁、葛城が突然姿を消した。

男が一人、彼女に関わった人たちの間を歩き、
葛城という女性の抱える謎に迫っていく。

引手茶屋の内儀、お延は言う。
葛城が消えたことで迷惑をこうむっただけで、
話すことはないもない。

舞鶴屋の見世番、虎吉は言う。
女房を吉原に沈めた虎吉に、
葛城は「人の世は深き井戸。暗うて底は見えぬもの。」と言った、
賢い女であった。

他にもさまざまな人が、葛城は賢く、芯が強く、
年下の子供にも優しい女性であったと言う。

葛城のひととなり、花魁になるための修行、
吉原での決まりごとが一通り語られ、
本の三分の二を過ぎたくらいからやっと事件は核心に迫り始める。

舞鶴屋抱え船頭、富五郎は、
ある夜吉原の外まで送っていった若侍のことを話す。
きつい白粉のにおいがする、堂々とした侍であった。

指切り屋、お種は言う。
何度か、葛城の着物を仕立て直して
古着として売ったことがある。

そして、若衆の衣装が欲しいという葛城のために、
小袖と袴を用意してやった。

女衒、伝蔵は、葛城を仲介したときのことを思い出した。

身なりのいい侍に連れてこられた葛城は、
もう14という年齢で、
これからの地獄も知っていただろうに、
唇を真一文字に結んで、あきらめとは程遠い顔をしていた。

蔵前札差、田之倉平十郎は、
かつて見聞きした秋山家という家の末路を話してくれた。

組頭、河野某にいびられた秋山という殿様は、
ついに刃傷沙汰におよび、お家はお取り潰しになった。

平様と吉原界隈で呼ばれ、上客である平十郎は、
葛城がその秋山家の最後の生き残りであることを知っていた。

そして、最後に、葛城が消えた夜、
葛城の部屋で殺された男がいたことが語られる…。

最後の事件までが長いと言えば長いですが、吉原の風俗、
しきたりなどが細かく書かれていて面白かったです。




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posted by momo at 12:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 話題の小説系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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