今回の直木賞受賞作。
ややネタばれ気味ですので、これから読む方はご注意。
吉原一の花魁、葛城が突然姿を消した。
男が一人、彼女に関わった人たちの間を歩き、
葛城という女性の抱える謎に迫っていく。
引手茶屋の内儀、お延は言う。
葛城が消えたことで迷惑をこうむっただけで、
話すことはないもない。
舞鶴屋の見世番、虎吉は言う。
女房を吉原に沈めた虎吉に、
葛城は「人の世は深き井戸。暗うて底は見えぬもの。」と言った、
賢い女であった。
他にもさまざまな人が、葛城は賢く、芯が強く、
年下の子供にも優しい女性であったと言う。
葛城のひととなり、花魁になるための修行、
吉原での決まりごとが一通り語られ、
本の三分の二を過ぎたくらいからやっと事件は核心に迫り始める。
舞鶴屋抱え船頭、富五郎は、
ある夜吉原の外まで送っていった若侍のことを話す。
きつい白粉のにおいがする、堂々とした侍であった。
指切り屋、お種は言う。
何度か、葛城の着物を仕立て直して
古着として売ったことがある。
そして、若衆の衣装が欲しいという葛城のために、
小袖と袴を用意してやった。
女衒、伝蔵は、葛城を仲介したときのことを思い出した。
身なりのいい侍に連れてこられた葛城は、
もう14という年齢で、
これからの地獄も知っていただろうに、
唇を真一文字に結んで、あきらめとは程遠い顔をしていた。
蔵前札差、田之倉平十郎は、
かつて見聞きした秋山家という家の末路を話してくれた。
組頭、河野某にいびられた秋山という殿様は、
ついに刃傷沙汰におよび、お家はお取り潰しになった。
平様と吉原界隈で呼ばれ、上客である平十郎は、
葛城がその秋山家の最後の生き残りであることを知っていた。
そして、最後に、葛城が消えた夜、
葛城の部屋で殺された男がいたことが語られる…。
最後の事件までが長いと言えば長いですが、吉原の風俗、
しきたりなどが細かく書かれていて面白かったです。
あなたのメールボックスに、このブログが届きます。
平日日刊。
メルマガだけの「前フリ」も好評です♪

