2007年08月30日

絶望に効くクスリ




先週から戦争とか格差とか、
なんだか現代に絶望しそうな本ばかり読んできたので、
ここはひとつ、タイトルもそのまま。
「絶望に効くクスリ」を。

漫画家、山田玲司さんがさまざまな人物に会い、
インタビューしている本。もちろん漫画です。

これを読んでいると、
自分のつまらない悩みなんか
まだまだたいしたことがないんだ、とか、
こんな風に生きている人もいるんだ、といつも励まされる。

この本に出てくるのは、
・解剖学者 養老孟司
日本テレビ 土屋敏男(電波少年のT部長)
ダンサー アキコ・カンダ
・作家 猪瀬直樹
・作家 宮城まり子
・ギタリスト 野村義男
・文筆家 伊勢華子
・ピアニスト 舘野泉 

どの人の言葉も含蓄があり、深く感動できるんだけど、
私が好きな話は宮城まり子さんと野村義男さん。

小説家吉行淳之介と不倫の恋に落ちた女優、
宮城まり子の壮絶ともいえる愛し方。

病魔に侵され、
時にひどい欝になり作品を燃やしてしまったという吉行氏。
宮城氏は言う。
「だからいつでも燃やせるように暖炉を作ったの。」

こんな風に支えるだけの愛情っていうのもあるんだなあ。

そして、その優しさと強さが、
ねむの木学園という障害児を預かる施設を作ることに
つながるのかなあ、なんて優しくも強くもない私は思う。

無邪気なんだ。
ただ、自分のやりたいことをしたの、彼女は言う。

無邪気といえば、野村義男もそうである。

野村義男。ええ、私の世代のアイドルですよ。
アイドルのヨッちゃんが
地味なギタリストになっていたのを、一時は笑いはしたが、
今では十分に成功したといえるのではないでしょうか。

ただギターが好きなだけ。

仕事がない時代にはそれなりに苦労もしたようだが、
それでもそう言って笑う。

貯金をはたいてギターを買って、
残りが120円くらいになったと言って笑う。
好きなことに没頭して笑えるというのは素敵なもんだと思う。

他にも、左手だけでピアノを弾く舘野氏。
世界の子どもたちの言葉を集める伊勢氏。
道路公団に命がけの戦いを挑んだ猪瀬氏。

こんな人もいる。
暗いニュースばかり読んでいると、
私みたいな凡人はすぐにやけっぱちになってしまうけど、
決して世の中いやなことばかりじゃない。

後ろ向きになってるひまなんてないな。
そう思える一冊である。



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