梅原潤一さんは、
有隣堂書店という本屋さんの社員さん。
その梅原さんが今まで書いてきた本のポップを集めた本。
読んでみると、本当に本が好きなんだということがわかる。
通り一遍等の説明書きではなく、
まして売らんかな主義の適当なあおり文句でもない。
きちんと本を読んだ上で書かれたもので、
そのポップを見ているだけで梅原さんの興奮が伝わってくる。
レイアウトも素敵。
思わず手に取りたくなる、衝動買いを誘われそうなポップが多数。
たとえば、紺色のふちどりに同じく紺色の、
「CRAZZZY!」の文字が踊る、小川勝己の彼岸の奴隷。
コピーは、「クライムノベルはこいつで臨界点を突破する!」
ポップに影響されて買っていかれる本は、
やはり文庫が多いそうだ。
値段の関係があるという。衝動買いできる値段ということだろう。
それを逆手にとって、宮部みゆきのR・P・G 文庫版にはこうだ。
「模倣犯より軽くて安い!
あの量と値段にマイった宮部ファンも今回は気楽にどうぞ。」
そうかそうか、と手に取ること間違いなし。
梅原さんは、それほど売れていなくても、
自分が読んで面白いと思う本には積極的にポップをたてる。
彼のおすすめの作家さんは萩原浩だ。
コールドゲームという本のポップは、
黄色の目を引くテープがふちに貼られている。
そして、「昔いじめたあいつが復讐に来る。」
本の内容も書いていて、そうやって小出しにされると
読みたくなる人のサガに訴えかけている。
面白いのは、ウラがあるポップ。
別に意味を深読みしろというものではないですよ。
文字通り、ぱらりとめくると別のポップがあると言う仕掛けだ。
雫井脩介の火の粉は、表のポップに、
「隣人は殺人犯?ズブズブ嵌まる犯罪小説!」とあおっておいて、
めくると、
「最凶最悪!モンスター級の犯人像があなたの心臓を鷲掴みする!」
このポップでもはや私の心臓は鷲掴みされてしまってあせる。
ポップを出した時期と売上の関係もグラフ化されており、
セールス術としてもおもしろい。
それ以上に、ここにも本が大好きな人がいた、と読書好きなら
思わずにんまりしてしまう愛情あふれる一冊。
おすすめ。
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