本書の執筆に12年かかったのだそうだ。
なるほど、と読むほどに納得させられてしまう。
現在起きている事柄を読み解くだけではなく、
過去から現在、そして未来にいたるまでの
人間の暮らしを考察している本。
おもしろかったです。一回でご紹介するのももったいないので、
今回は上下巻を2日に分けてご紹介します。
本日は上巻。
世界では今、富を生み出す方法の歴史的変化の中にある。
今まで、経済の主役になっていたものは
9時から5時まで働いてモノを生産することであった。
それが今、富を生み出すものは知識になっている。
知識はモノと違い、無形であり、単純な「線型」ではない。
つまり、ごく小さなひらめきでも
大きな成果をもたらすことができるものである。
移動が簡単であり、蓄積に必要な空間は日に日に縮小している。
昔は音楽を聴くのにラジカセが必要だったが、
今はごく小型のMP3プレイヤーを持ち歩けばいい、ということだ。
知識が経済の主役になると、
24時間サービスを提供する会社が現れる。
労働者も、時間や空間に縛られない働き方ができるようになり、
仕事のスタイルに変化が見られるようになる。
この本のユニークな点は、「非金銭経済」という考え方だ。
私たちは富というとどうしても金銭を思い浮かべる。
しかし、世の中には金銭が介在しなくても
欲求を満たす方法はたくさんあり、
また、金銭を得ることを目的とせずに
サービスを提供している人がたくさんいる。
たとえば、育児や介護、家事をしている人たちだ。
また、災害時にかけつけるボランティアもそれにあたる。
そして、私もいつもお世話になっているが
書籍販売サイトの本のレビューがまさにそれである。
それを書いている人は出版社から
金銭をもらっているわけではない。
無償で、自分の思ったことをネット上で表現している。
そういった消費者のことを
「生産消費者」という言い方をしている。
自分で消費するために何かを生産する人のことだ。
企業はこういった人たちを利用して
コストを下げることに成功している。
そういわれればそうだよなあ。
本の紹介を無償でやっているわけだもの。
これはガソリンスタンドのセルフサービス、
銀行のATMなどにも言えることである。
もともとは従業員を使って行っていたことを
消費者にさせてしまうのだから。
富を生む方法は現在大きく変化している。
経済は主に金銭で語られることが多かったが、
実はそれに並行して非金銭経済の活動があり、
それらを無視することはできない。
下巻の紹介はこちらから
http://wadainohon.seesaa.net/article/65836810.html
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