現時点で、アメリカでもし女性の大統領が誕生するとしたら、
まちがいなくこの二人のどちらかになるだろう。
アメリカの国家権力に近しい位置で活躍を続ける
二人の女性を対比し、そのキャリアや素顔を著した本。
ヒラリー・クリントン。言わずと知れた元大統領夫人である。
こんなジョークがあるらしい。
夫人とドライブをしていたクリントン元大統領。彼女が学生時
代に交際していた男性が、ガソリンスタンドで働いているのを
見つけます。
夫「もし君が彼と付き合っていたら、
君はガソリンスタンドの店員の女房だよ。」
妻「いえ。もし私が彼と付き合っていたら、
彼が大統領になったわ。」
とはいえ、ヒラリーという人は意外と不器用な人間のようだ。
アメリカの中流家庭に生まれ、
お嬢さん学校と言われる女子大に入学する。
女性ばかりの環境の中で、おしゃもせず、
議論を戦わせることに熱中する日々。
クリントンと出会ってプロポーズされるものの、
決断まで二年の月日を要している。
結婚してからは政治家としての彼をサポートし続けた。
自分は高収入の弁護士としての仕事があるにも関わらず、
夫を助けることに全力を費やした。
彼女は、人付き合いが下手で
敵を作ってしまう不用意さがあるるが、
一度親しくなった人とは長く付き合いが続くようだ。
おせっかいだが情にもろく、
困っている人をほっておけない面がある。
一方コンドリーザ・ライスという人にはこんな一面がある。
ハリケーンが南部を襲ったとき、
彼女はNYのフェラがモで買物をしていた。
居合わせた人に
「こんなところで買物なんてしていていいの?」
と言われたそうだ。
差別の厳しい地域で生まれ育ったライス。
彼女の両親は、彼女に
「差別されないように、白人の2倍優秀でありなさい。」と
教えたそうだ。
父も母も教育者であり、
勉強に熱心だったライスは15歳でデンバー大学に入学する。
19歳で卒業、ノートルダム大学に留学し、
26歳でデンバー大学の助教授に就任。
31歳で国防総省に出向し、36歳で大学の事務局長になる。
彼女は常に、目上の人間から「引っ張り上げられて」
キャリアを積む。
努力を重ね、じっとチャンスを待ち、
チャンスが来たときには全力で自分をアピールする。
そんな様子が見て取れる。
ヒラリーが泥臭く選挙戦をゼロから戦ってきた様子と比べると、
優雅にすら思えるライスの人生である。
ヒラリーが情熱あふれる政治家であるとしたら、
ライスは冷静で有能な能吏。そんな書き方もされている。
仕事をしている女性にはぜひおすすめの一冊。
どちらの努力にも、悩みにも共感できる。
文章も平易、読みやすいのもいい。
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