爆笑問題の太田光氏のエッセイ。
TVブロスに連載していたもの。
太田氏の職業は漫才師だけれど、
このエッセイでは政治に関する記述がとても多い。
特に戦争に関しては多く筆を割いており、
太田氏の戦争に対する考え方に興味のある方には、
読み応えのある一冊になっている。
太田氏は「全ての戦争を否定し、拒否したいと思っている。
しかし、一生その意思を貫けるという確信が持てない。」と言う。
戦争は「家族を守る行為」であり、家族を奪う相手があれば、
「むしろその相手を撃ち殺すだろうという確信に近いものがある」。
これが太田氏の抱える矛盾だ。
だが、あえて太田氏は矛盾を肯定しようと書いている。
矛盾を無理に克服せず、不完全でよし、とする。
(ん?結局具体的にはどうしたいんだ?)
最終的な太田氏の考えは、
「自分は戦争に参加する可能性はあるが、
それでも全ての戦争を否定するという立場」なんだそうだ。
戦争が起きることは不可避だが、
なるべくなら起こらないように努力したい、
起きたとしても認めない、ってことでいいのかな?
しかし、現実には太田氏の表現を借りると、
「終わりのない戦争」があちこちで起きている。
民族テロなどが現代の戦争であり、
価値観がその紛争の種であるとすると、
帝国主義の時代と違って戦争に終わりがない、
というのがその主張だ。
国土争いなら力の大小で決着がつきやすい、ということか。
そんな中、アメリカの、アメリカ製の価値観を
押し付けようという考え方に異を唱える。
日本は先の大戦を敗戦で終えており、
戦争に対しては否定的な立場でいる。
その日本こそが、「戦うな」と主張できなくてどうする…。
世界に誇る平和憲法を持つ日本。自衛隊を持ち、
九条が形骸化しているとしても、
「体が逆でも顔だけは理想に向けておくべき」という。
もちろん、エッセイの全部が
政治的なことをテーマにしているわけではない。
子どもの頃、友達が底なし沼に沈みそうになった話、
バレンタインデーに女の子にからかわれた話、
人一倍蚊にさされやすいという体質、好きな本と映画の話。
太田氏の人柄が見える、
(他に比べると比較的)楽しいエッセイもある。
文章が抽象的で読みにくいと感じたのは私の頭が悪いからだろうか。
書いてあることはおもしろいのだけど、
太田氏が思考をまとめるために書いたもので
読者に対する視線がないように、私は思えた。
ただ、自分の内面を必死で見つめながら書いている様子が
伺われるのは確か。
あの太田光が、一人机に座り、筆を手に(キーボードを前に?)
鏡を見ながら自答している様子が浮かんできてなんだかかわいい。
太田氏の思考をのぞいてみたい人はぜひ。
こちらのブログがあなたのメールBOXに届きます。
平日日刊・メルマガだけの前フリも好評です♪
★blogランキングに参加しています★

