福岡市のある公立小学校で
いじめ事件が発生した。
いじめの犯人はクラス担任の教師である。
ある男子児童にアメリカ人の曽祖父がいると知った教師は
「血が穢れている」と言い、彼に体罰を加えた。
その体罰は、両頬を強くつかむ、
もしくはぐりぐりと拳を押し付けるアンパンマン、
また、両耳をつかんで体を持ち上げるミッキーマウスなど、
教師が独自の名前をつけた凄惨なもの。
児童はPSTD障害にかかり、
両親は教師に損害賠償を請求する訴えを地方裁判所に起こした。
朝日新聞をはじめとするマスコミがこぞって報道し、
殺人教師なるあだ名をつけた報道機関もあった。
だが、裁判所は両親の訴えを棄却。
事件の真相は意外なものであった。
事の発端は教師、川上が浅川裕二の家を家庭訪問でたずねた日の
何気ない会話である。
その中で、裕二の母和子は
自分の祖父がアメリカ人であることを話した。
帰国子女なので、日本語を習得するまでに苦労があったことも。
川上は世間話として当たり障りのない返答をしただけだった。
それから3週間後、和子が学校に
「子供が血が穢れていると言われ、体罰を加えられている」
と訴えてきた。
穏便にという校長の指示があり、いったんは謝罪する川上。
しかし和子の主張はエスカレートし、
川上のクラスには川上を監視する目的で副担任がおかれ、
ついには半年間の停職を命じられる。
裁判にまで発展したときには、
マスコミの報道により川上は孤立¥無援に近い状態だった。
裁判がすすむにつれ、原告側の主張に違和感が生じてくる。
まず、和子の言うアメリカ人の尊属は浅川家にはいないこと。
和子はアメリカ育ちというが、
地元の小中学校を卒業していること。
また、PSTDといったんは診断された裕二だが、
入院先の病院ではそのそぶりはまるで記録されていなかった。
いたって元気な、やんちゃといってもいいほどの元気ぶりが
日誌に記録されている。
耳から血が出たなどという「体罰による」怪我も認められなかった。
これ、いわゆるクレーマーというやつではないでしょうか。
以前にクレーマーに関する本を読んだことがありますが、
針小棒大に物事を述べるところがクレーマーそのもの。
それならば、きちんと筋道を正して対応するのが正解だと
その本には書いてあった。
父兄の主張におもねり、「穏便に」すませようとした
校長の態度が事件を大きくしたように思える。
そして、真相を知ろうとせず盲目的に教師をたたこうとする
マスコミの姿勢にも背筋が凍る思いがする。
「川上先生はそんなことをしない。」
子どもたちはテレビの報道を見てショックを受けていたそうだ。
一番の被害者は子どもである。
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