家庭をテーマにした短編6編。
どの主人公にも共感できる部分があり、
おかしくなり、切なくなる。
・サニーデイ
中学生の子供二人を持つ主婦。
不用品のいすを売ったことから、
インターネットのオークションに熱中するようになる。
熱が高じて夫の大事なステレオを出品するのだが…。
・ここが青山
勤めていた会社が倒産した男性。
妻が働きに出ることになったので主夫業をこなすことになる。
周りの人はみな同情し、励ましてくれるが、
子供の弁当作りは意外に奥深い。
・うちにおいでよ
妻が別居するといって家を出てしまった。
一人残された夫は、レコードプレイヤーを買い、
押入れにしまっていたミステリー小説を取り出してご満悦。
同僚もうらやむ男の城が完成したが…。
・グレープフルーツモンスター
DM用の宛名入力の内職をする妻。
新しく営業担当になった男は、今風の礼儀知らずの若者。
次第に彼の訪問を心待ちにするようになった妻の夢に、
怪物が現れるようになる。
・夫とカーテン
夫がまた会社を辞めてきた。転職して一年目だというのに。
妻はイラストレーターとして働いている。
やきもきしながらも、自分のイラストが高く評価されて驚く。
考えてみると、
自分がイラストの仕事で新境地を切り拓いてきたのは、
夫が無謀とも思える事業を始めたときばかりである。
・妻と玄米御飯
これが一番好き。
名のある文学賞を受賞した小説家。家計が突然豊かになった。
妻は仕事をやめ、「ロハス」に凝り始める。
唐揚げやとんかつの並んでいた食卓には
玄米ご飯が乗るようになり、子供たちも不平たらたら。
ヨガ、流木を使ったへんな工芸。
そんなものを皮肉な目で見ていた夫は、
ある日ロハスを風刺する小説を書き上げる。
編集者からは傑作と絶賛され、
自身もいい出来だと思っているが、
身の回りの人をモデルにしたことがありありとわかる。
迷った末、小説家はその小説をボツにすることを決意する。
どれも後味よく、きれいにまとまっている。
読んで損のない一冊。
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タグ:家日和

