2008年02月14日

生物と無生物のあいだ




文系の私には難しかった。
でも、飽きなかった。

文章がとても読みやすい。
単調でなく、例えも上手。
著者の研究時代のこともよく書かれていて、
学者の世界の大変さも垣間見せてくれる。

生物学に関する読み物といった感じの一冊。

さて、生物学なんてぜんぜん詳しくない私だけど、
DNAという言葉くらいは耳にしたことがある。

今では誰もが知っているそれが、
発見されるまでには熾烈な科学者たちの競争あった。

DNAの構造を解明し、ノーベル賞を受賞したのは
ジェームズ・ワトソンとフランシス・クリックという
二人の学者である。

しかし、彼らにヒントを与え、
そのことを知らないまま亡くなった女性がいるのだ。

彼女の名前はロザリンド・フランクリン。
彼女は、DNAにX線をあてて解明するための研究をしていた。

フランクリンは上司とうまくいっていなかった。
そしてその上司が、あるときワトソンに一枚の写真を見せる。

それこそが、ノーベル賞受賞のヒントとなるDNAのX線写真であった。

それまでにも、
遺伝子の本体がDNAであると示唆していたエイブリー、
DNAを構成する4つの文字の質量が
同じであることをつかんでいたシャルガフなど、
ワトソンとクリックのいわば踏み台になった人たちがいることも
興味深かった。

さて、二人が解明したDNAだが、
それがらせん状の形態であることも、私たちは知っている。

なぜらせん状で対になっているかというと、自己複製を行うためだ。
互いに補完しあい、複製しあって
情報を安定的に保持しているのである。

私たちの体は、目には見えないが日々生まれ変わっている。
病気になったり、ストレスで傷ついたたんぱく質は、
日々取り除かれ、新しく作りかえられているのだそうだ。

マウスにプリオンタンパクを欠損させる実験を行った話がある。

牛の脳にあるプリオンタンパクに異常が生じると狂牛病になるが、
それではこのマウスはどうなったのか。

結果、プリオンタンパクがなくても健康に、
寿命を生きたそうである。
DNAにより、ない「部品」を補う働きがあったのだそうだ。

が、異常プリオンを組み入れたマウスは
異常行動を見せて死んでしまった。
部品がないほうがいっそ長生きできたのである。

中身の部品の全くないテレビが写っているのに、
一つ部品が壊れたテレビは動かない。
こんな不思議なことが、生命体にはある、と著者は書いている。

生物とは、生命とは、と思って読み始めるとやや肩透かし。
それについては、「生物とは自己複製をするものである」とあるが、
あまりそれに関する記述はない。

ただ、複雑な体のはたらきを知ると、生物って奥深いとは思う。




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