今年はオリンピックが開かれる中国。
その実態を、14の章に分けてレポートしている。
日本の100円ショップで売られている商品は、
ほとんどが中国で製造されている。
働く人の月収は、1万8千円程度。
大量に買う100円ショップとしては、
1円の価格差が大きな意味を持つ。
日本からのバイヤーは、商品の仕入れ価格を1円下げるために
3日粘ったこともある。
2万円弱の月収でミシンを踏み続ける青年がいる一方、
経済発展を遂げる中国には巨額の富を手にする人間もいる。
不動産の投資によって数百億円の金を手に入れた人。
広告会社を立ち上げて、ナスダックに上場させた元詩人。
中国のパソコンメーカーで、レノボという会社があるが、
この会社が昨年IBMを買収した。
中国では評価はされていないが、世界に向けて
着実に歩を進めている。
経済発展の恩恵から取り残されているのは農民たちだ。
四川省では、「開発区建設計画」の名の下に、
土地を強制的に取り上げられた農民がいる。
農民の一人がその窮状を訴え続け、
ついに最高裁で「適切に処理するように」との紹介状を手に入れた。
が、四川省の裁判所職員はそれを紙くず扱いして
取り合ってくれなかった。
そんな中国では、キリスト教がその信者を増やしている。
中国では非公認の宗教であるが、
地下教会に通う信者は年々その数が増している。
日本と中国。靖国問題で揺れる。
中国では今でも反日教育が行われている。
テレビドラマでは残虐な振る舞いをする日本軍人の姿が
いまだに描かれている。
その役を演じるのは日本人の俳優。
日本では無名だが中国ドラマへの出演は多い。
だが、市井の人々の間には意識の変化が生じている。
谷村新司のコンサートには大勢の中国人が集まる。
また、タクシーの運転手がこう言ったという。
「これは政治体制の問題。民主主義がなく、世論が誘導されている。
反日になる中国人を責めないで欲しい」
本や民間の交流で、一般の人々の間には
中国政府の行う愛国教育に違和感を感じている人たちが増えている。
追いつめられるのは子供たちだ。
格差の激しい中国で、親は子供が裕福に暮らせることを必死で祈る。
勉強しかさせてもらえず、友達との交流もなく、
自殺をはかるまでに神経を病む子供。
母親にカッターナイフで切りつけることが
日常化している子供もいる。
事実を、これでもかと列挙する。中国の実情がわかる良書。
受験ノイローゼ、建築ラッシュや新興事業によるバブル、
開発に伴う環境破壊。
かつて見た風景を思い起こさせる。
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