2008年03月06日

トヨタ世界一の光と影




3章からなる構成。

1章では、トヨタ本社、トヨタ関連の会社で働いていた人が4人、
実名で登場する。

過労死した人、うつ病になった人を取り上げ、
トヨタの非人間的な仕事の状況をレポートしている。

トヨタの工場は、昼勤と夜勤の二交代制で仕事をしている。
昼勤は午前6時25分から午後3時15分。
夜勤は午後4時10分から午前1時まで。

この昼勤と夜勤の間が1時間空いているのに注目して欲しい。
ホンダの工場では、昼勤と夜勤の時間に空白はない。
平日に残業をさせないためだ。

トヨタでは、夜勤のあと、
午前1時から残業が始まる過酷な勤務体系なのである。

しかも、トラブルがあると解決しないと仕事は終わらない。
過労死した男性は、その前日ラインで多くのトラブルが発生し、
「夜九時、下請けを呼び出して」不具合部品の選別を行っている。

ああ、下請けさんも大変だ。

2章では、トヨタイズムなるトヨタの企業文化を検証している。

トヨタ用語で有名なものと言えば、やはりカイゼンであろう。

常に現場を見直し、時間の短縮、
コストの縮小のアイディアを出し続ける。
カイゼンは無限であり、マニュアルはない。
マニュアルを作ったとたん、カイゼンではないからだ。

新工場に導入された「革新ライン」では、
今まで1分かかっていた作業を50秒でこなすことになった。
目標は46秒だという。

労働者は休みなく働かされる、ロボットのようなものになる。

また、豊田綱領というものがあるのだが、
そこには「産業報国」なる文字がある。
非常に封建的な意識を持つ会社なのである。

3章では非正規雇用の若者に焦点を当てる。

この辺は、他のワーキングプア、請負偽装の本などを読むと書
いてある程度のことしか述べられておらず、ページ数も少ない。

うーん。
別に驚くこともなく、著者と温度差を感じながら読了。

1章で過労死した車のセールスマンの話が出てくるのだが、
私には、それがトヨタのせいだとはどうしても思えないのだ。
もちろん、お気の毒だとは思う。

ただ、基本給が10万で、あとは歩合という給与制度も、
営業職ならそう珍しいものではない。

また、このセールスマンの方は倒れて意識がなくなるのだが、
その際に家族の名前ではなく、「トヨタ」という一言を口に出す。
それはトヨタのせいだろうか?

成長するトヨタ。
マスコミがもてはやすほど理想の会社ではない。
たくさんの問題を抱えている。

しかしそれは、トヨタ一社だけの問題であろうか。
日本全体の問題としてみるなら、それなりに興味深い一冊。






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posted by momo at 11:48| Comment(0) | TrackBack(0) | ビジネス、営業系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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