やられた〜!
いやあ、女子高生を描いた短編集なんだけど、これはいい。
収録は7作品。その中で、
私の好きな2つのあらすじを簡単にご紹介します。
・忘れないでね
美奈の父親は転勤族のサラリーマン。
美奈も、転校を何度もくり返してきた。
転校生である美奈が学校で友達に選ぶのは、
ちょっと浮いている子ばかりだった。
友達のいない、一人でいる子。
そんな子なら近づくのが楽だからだ。
嫌われている子と友達になるけど、
いつも自分はその子たちを置き去りにして転校する。
逃げられるのだから、いやな子と一緒にいるのも
我慢しておけばいい。
でも、今回はちょっと失敗だと思っている。
もう父親が転勤することはないのに、
またいつものくせなのか、
クラスで嫌われている真琴と友達になってしまった。
大学受験だけが真琴から逃れられる道だと美奈は思う。
成績の悪い真琴と、同じ大学を受けたものの…。
別れ際に真琴が言う。
「美奈に話しかけてもらった時、あたしすんごく嬉しかったよ。
美奈が居てよかった」
・ゆうちゃんはレズ
ゆうちゃんは大粒のマシュマロのような女の子だった。
明子は後輩のゆうちゃんから告白される。
「あたし、先輩が女の子だからじゃなくて、
明子先輩だから好きなんです。
ただ一緒にいて嬉しくて、ちょっとどきどきして、
もっと話してみたいなって。
あんまり考えなくていいから、
あたしともう少し一緒にいてくれませんか?」
そして、明子はゆうちゃんとメールをしたり、勉強をしたりする。
頬に軽いキスも受ける。
しかし、大学の入学式を控えたある日、
ゆうちゃんはささいな事件をきっかけに明子に別れを告げた。
男性の教師に憧れる生徒が明子の友人として登場するのだが、
それがまた絶妙。
どう絶妙かというと、ゆうちゃんの先輩への恋心と、
「ゆうちゃんが自分を好きな気持ち」を
好きになってしまう明子の心理、
これがうまく友人の恋に重なって描写されているからだ。
まだ恋を知らない、恋に恋している未熟な年頃の心情が、
とても上手に書かれている。
うそやろ〜。こんな上手な作家さんがいたなんて。感動!
女の子の残酷さ、未熟さ、純粋さ、
そんなきらきらした感情が、たくさん描かれている短編集。
女子高生の方にもおすすめしたいが、
かつて女子高生だった大人の女性に読んでもらいたい。
そして、その女子高生に憧れ、
悩まされたかつての男子高校生にも。
要するに、みんな読んでみたらどうだい、ってことだ!
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