2008年04月28日

墓場鬼太郎




ちょっと古いですが。
こっそりブームになっているのと、
昨年再版されたのを言い訳にして今日はこちらをご紹介。

ゲゲゲの鬼太郎。アニメ番組としてもヒットし、
ウエンツ君主演の実写映画も作られました。
正義感の強い妖怪、鬼太郎が仲間と協力し、
悪い妖怪を倒す痛快なお話と思っておりましたが。

墓場鬼太郎は、漫画が貸本として読まれていた時代に描かれた、
ゲゲゲの鬼太郎の原点になるお話です。文庫では全6巻。
鬼太郎の誕生の秘密にも触れられています。

それにしても、この墓場鬼太郎は
アニメなどのイメージとはずいぶんちがう。
ちょっと朝から想像したくないようなものを食べているし
たばこは吸うし、絵も不気味な感じがします。

その昔、幽霊は
(この本では妖怪ではなく幽霊という言葉がよく使われています)
地上で平和に暮らしていた。
ところが人間が現れて住処を追われ、数が少なくなってきていた。

その幽霊族の最後の生き残り、
二人の夫婦の間に生まれたのが鬼太郎。
父親は子供が不憫で、見守ってやりたいという気持ちを
強く残したまま死んでしまいます。

その思いが腐った目玉に残り、落ちた目玉が鬼太郎を追って行く。
それが目玉のおやじなんですね。

うえー。まじですか。茶碗の風呂に入っているかわいいお父さん、
こんな「生い立ち」だったなんて!

赤ん坊の鬼太郎は、幽霊族の夫婦の家の隣の男性に拾われます。
男性は血液銀行の社員で、
血液に幽霊の血が混じっていたことを調査しており、
その際に夫婦とは面識があったんですね。

血液銀行というのは、戦後日本であった会社、なのかな。
私も詳しくはないんですが、
当時は生活のために血を売る人が多かったようです。

幽霊の妻は生活のために血を売り、
それを輸血された人が幽霊になってしまったことから、
社員は彼らのことを調べたのでした。

赤ん坊を捨て切れなかった男性は、墓場で生まれた子供に
「墓場鬼太郎」という名前をつけた。

鬼太郎が大きくなるにつれ、巻き起こる不思議な事件。
男性が地獄へ行くエピソード、
鬼太郎が妖怪からカネを取り立てる仕事をするエピソード、
ねずみ男も出てくるのだが、
そこに現代のアニメのようなかわいらしさや爽快感はない。

まだ子供の鬼太郎が、
水神からカネを取り立てる仕事を請け負って、
報酬のことを考えたとき言う台詞。

「1割が報酬だから、1000万とりたてたら100万か。ボロイ!」
鬼太郎、すさんでます。

気持ち悪いんだけど、
じわじわくるものがあって目を離せなくなる。
美しく、快活なものだけが人間のこころを捉えるわけじゃないんだな。

あんまり声を大にしてはおすすめしません。
こっそり読むのがオツというもの。







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