2008年07月16日

モテたい理由





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2008年07月11日

へんなほうりつ






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2008年06月30日

こんな募金箱に寄付してはいけない




世の中の大半の人は、
誰かに親切にしたい、してみたいと考えているのではないだろうか。

でも、いろいろなニュースを見るたびに、
例えば募金や支援物資が横流しされちゃった、ってなことを聞くたびに、
「やっぱりな、世の中キレイ事ばっかりじゃないよ」なんて
言ってしまいそうになる。複雑なもんだ。

そんな現代の、「善意」の行方を詳細に書いた本。

数年前、ホワイトバンドなるものが流行した。
白いゴム製のリストバンドだ。

もともとは、白いものを身につけることで、
貧困に関心を持っているという意思を示す運動から
生まれたものだった。

ホワイトバンドは意思表示のツールだったのである。

だが、そのCMは、購入資金が貧困にあえぐ人たちへの直接支援、
つまり寄付になるような誤解を人々に与えてしまった。

結果、ホワイトバンドは詐欺だという声が上がったのである。

また、災害が起きると、日本各地から支援物資が集まってくる。

日本の家庭にはたくさんのいらない衣服がある。
中古衣料の寄付、寄贈は特に多い。

が、集めて整理し、被災地に送るのには
手間もお金もかかるのである。
被災地の状況は日々変化するため、
必要な衣料や物資も日を追って変わってくる。

支援の衣料により助かった方も多いが、問題点も残る。

日本で今、声高に叫ばれている「善意」のひとつにエコがある。
特に、身近な問題だけに
スーパーのレジ袋は批判の対象になっている。

スーパーでレジ袋をもらわないために、
エコバッグというものが流行している。

ブランド物のエコバッグを手に入れるために、
徹夜してデパートに並ぶ人までいる。
それは少し奇妙ではないだろうか。

そもそも、レジ袋の削減が地球温暖化防止に役立つかといえば、
異論があるのが現実だ。

レジ袋をゴミ袋にしている人も多く、
レジ袋がなくなったら新たな袋をゴミ用に購入するだけだ。
それでは何も変わらない。

募金、ボランティア、エコ、という問題の、現実を書いた本。

だからといってそれらに批判的なスタンスではない。

むしろ、NPOもNGOも、
霞を食って生きているわけではないのだから、
善意の人たちを取り込める新しいしかけを作ろうと提案している。

募金などに関しても、
きちんと出口を見極めることの重要性を説いている。
無関心が一番よくないと言う。

そして、ボランティアに参加した人の、
「多くの仲間ができた」「新しい知識や技術が身についた」という
肯定的な意見が紹介されている。

いいことをしたら楽しい。ボランティアはする側も、
される側もうれしいwin-winの法則がいい、と著者は言う。

そういうのがいいなあ。







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2008年06月25日

生活保護VSワーキングプア




著者は、大学卒業後、市役所の福祉課で働いていたことがある。
現在は児童相談所勤務。福祉課在籍中は、
生活保護ケースワーカーの仕事をしていた。

生活保護110番というウェブサイトをボランティアで立ち上げ、
さまざな相談に乗るうちに、
現在の生活保護が抱える問題点に注目するようになる。

ウェブサイト開設から6年、寄せられた相談件数は約3500件。
そのうち半数以上が20代、30代の女性からのものだった。

生活保護を実際に利用しているのはお年寄りが多い。
若い人では母子家庭が大半である。

助けを求めてサイトに相談を寄せる若い人たちは、
いったいどうしているのか。

生活保護を行政の視点から見ると、
それは「補足性のもの」でなけれはならない。

健康で文化的な生活を送るのに足りない生活費を、
生活保護でまかなう。
できる限りの努力を受給者に求めた上で、というのが大原則になる。

そのため、資産がある、働ける、扶養してくれる家族がいる、
などの場合は申請をしても通らない可能性が高い。

相談に来る人に、窓口で厳しく対応し
別の方法を考えさせるやり方を、水際作戦と言う。

かつて、好景気の頃は若い人たちは
この水際作戦の対象となっていた。

しかし現在、実際に働けない若者、
働いても低収入しか望めない若者はいる。

彼らに対して自己責任という言葉が叫ばれるが、
それは適切なのだろうか。

一番の被害者は、若者本人だけではなく、
その子供たちなのである。

生活に追われて保護が受けられない子供、
虐待を受ける子供が出てくる。

彼らは非行に走ったり、必要な教育を受けられなかったりする
可能性がある。

そうすると、治安などの将来的なコストが
またかかってくるわけだ。

そこで著者は、一時的な生活保護によって
若者の生活を立て直し、
将来の社会的コスト増に対応すべきだと主張している。

現在、生活保護の使命が、
「困っている人を助けること」であるために、
困っている人の定義に混乱をきたしている。

であれば、保護して後の自立率を基準として入れてみてはどうか、
という考えだ。

いろいろな若者の実例が出てくるんだけど、なあ。
悲惨だなあ、と思う。

現場にいた方の書かれたものなので、生活保護のしくみ、
役所の対応の仕方など、とてもくわしい。

また、生活保護に依存して生きている、
いわゆる「悪い受給者」のことも書かれている。

だが、問題点をあげるだけではなく、
解決法も提示しているという意味では良い本である。









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2008年05月28日

エイリアンの地球ライフ





泉流星さんの本を読むのはこれで二冊目になる。
一冊目は「僕の妻はエイリアン」という本だった。

妻は高機能自閉症、アスペルガー症候群である。
見た目は普通。
なのに、時々強烈に違和感を感じることをやらかす。

前作は、そんな奥様との生活を書いた本だった。
今回の本は、同じ症状に苦しむ人への
アドバイスのような内容になっている。

彼女は見た目は普通である。だが、日常生活を送るのが困難だ。
人との会話がうまくいかない。いわゆる空気を読むというのが、
彼女にとっては絶望的に難しいらしい。

そんな彼女が、コミュニケーション力を高めるために、
公的な相談機関を利用することを提案している。

精神保健センター、いのちの電話などに相談する。
あらかじめ「話をするのが上手ではない」ということを伝え、
考えや感情を整理する手伝いをしてもらうことができる。

また、彼女はストレスからアルコール依存症にかかり、
一時は生死も危ぶまれたほどそれが悪化した。

精神科医に偏見を持たず、
早いうちから医者に行くことを彼女はすすめている。

中には、人の言葉を悲観的に受け取る人もいるので、
気になることはきちんと聞いたほうがいい。
専門ではないから、という意味合いのことを、
拒絶されたと思いこむ例もあるようだ。

診断がおりたら、数人の人にそれを知ってもらっておくと良い。

学校の先生、上司など、進路に関わってくる人。
日常生活で接点のある大切な相手、信頼関係を築きたい相手。
カウンセラーなどの支援を求める相手。

自分が受け入れられる素地を作るのには役立ちそうだ。

妻が直接関わることが多い相手は夫だが、
ご夫婦の間でも理解のためにたくさんの工夫をされている。

自分の感情をうまく表現できない妻が、
バラエティーグッズの店であるものを買ってきた。

仮装大賞という番組がありますよね。あれの採点板。
ボタンを押すと縦に並んだランプが
下から順番についていくやつです。

機嫌がいいときはボタンをたくさん押す。
そうじゃないときは少しだけ。
うまく感情を表せない妻の、いい意思表示方法になっている。

この本、語り手は夫になっていますが、書いているのは妻、
つまり奥様ご本人なんです。

奥様が夫になりきって妻を観察した、という作りになっている。
ややこしや〜!

正直に言うと、そういう発想そのものが
エイリアンのもののように私には思える。
なんというか、びっくりした!!って感じ。

理解のために、きっと一助にはなるはず。興味深い本です。







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2008年05月27日

3月30日・千原ジュニア





お笑い芸人、千原ジュニアさんの自伝。
文章がへたくそなのは、芸能人の本にありがちなご愛嬌として
さくさく読んでいきましょう。

この人、中学2年でひきこもりになったそうですね。
進学校になじめず、家庭内で暴力さえ振るう荒れた毎日を過ごした。

15歳のとき、4歳年上の兄からお笑いを一緒にやろうと誘われる。
兄はお笑いの養成所に通っていたのだ。

養成所で、初めてネタをやるのだが、これが大いにウケる。
人を笑わせる快感を覚えた彼は、
ひきこもっていた部屋を出て舞台に立つことを決意する。

しかし、それ以降は全く笑いをとれない日々が続く。
西成で暴れたり、ナンパをしたりしながら過ごす。
約3年間、彼らは全く評価されることがなかった。

18歳で、だんだんとテレビに出られるようになる。

20歳。売れっ子になった。この辺のエピソードが面白い。

住所がいつの間にか知られ、ゴミを盗まれるようになった。
ある日郵便受けから給与明細が盗まれる。
吉本は郵送するみたいですね。

その後日、神戸であったイベントで、ファンから質問が飛ぶ。

「給料はいくらもらってるんですか?」
 素直に答えるわけにもいかず、
逆に客席に問い返す。「いくらだと思いますか?」

すると、まさにそのままの金額が客席から返ってきたそうだ。

犯人が会場にいたというわけだ。
有名税というけれど、こういうことがあると
芸能人の方も恐ろしいだろうなあ。

23歳。大阪で付き合っていた彼女に別れを告げて東京に出る。
大阪でのような人気はない。

26歳。仕事の帰り道、バイクに乗っていた彼は大事故に遭う。
顔の形が大きく崩れてしまう。絶望する彼の元に、
たくさんの人が訪れて励ましの言葉をかけてくれる。
明るく、笑わせようとしてくれる。

彼は病院で思った。
「今まで、自分が面白いと思うことだけを
やればいいと思っていた。
分からない人はそれでいいと思っていた。

だけど違うのではないか。
自分が面白いと思うことを伝えるのも優しさ。
人を笑顔にすることはすばらしい。

もう一度、お笑いがやりたい」

そうして、手術を繰り返し、リハビリを受け、
彼は今テレビに出ている。

文章がやや自己陶酔気味なのはこれまたご愛嬌としておこう。
トータルしてみると、生真面目な青年のいい話ではある。







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2008年05月19日

TOKYO0円ハウス0円生活





隅田川沿いに建つ鈴木さんの家。
建築費0円。材料はタダ。工事費(?)も自分で建てたのでタダ。

木で骨組みを作りすだれ、
段ボール、耐火シートで屋根を作る。
そして全体にブルーシートをかければ出来上がり。

家の中にはテレビ、CDラジカセ、炊飯器、コンロ、ストーブがある。
自転車は二台所有。折りたたみ式のちゃぶ台が食卓になる。

家の材料も、家具も、全部鈴木さんは拾ってきたそうだ。
東京には使えるものがたくさん落ちているらしい。

もっとも、自転車だけは別で、
海外赴任するという会社員の男性がくれたものだ。
盗難品でない証明として、
譲渡証明書もきちんと作成してくれたという。

建築を学んだ著者が、東京の、
いわゆるホームレスの家をレポーとしている本書。
しかしホームレスって一体なんだ?
鈴木さんは家を持っていると認識している。

家の中の電化製品はバッテリーで動かす。

車のバッテリーを使っているのだが、
これらはガソリンスタンドで使用済みのものをもらってくる。

車のバッテリーとしては不十分でも、
家電を動かすのには十分な電力が残っているのだとか。

都会であふれる「不要なモノ」が、
実はまだまだ実用に足るものであることに驚く。

と同時に、鈴木さんはきちんとガソリンスタンドと
交渉してもらってくるのであって、
ちょっとした助け合いの光景がそこにあることにも感心してしまう。

しかし、こんなに立派に建った家も、
一年に一度は解体しなければならない。
法律では、所有していない土地に家を建てることは許されない。

解体の日、家はばらばらになってしまう。
だが、役所の検査が終わるとまた鈴木さんは元通りに家を組み立て、
必要であれば改善を加える。
いわゆるリフォームも簡単である。

著者が0円ハウスに惹かれるのはこういったところだ。
人の身幅にあった住居。
いざとなれば取り壊し、移動し、自由な住まい。
都市における遊牧民生活のようだと考える。

著者が0円ハウスの話をすると、
「こういう生活がしてみたい。でもできない」
という感想が多いそうだ。

実は私もそうである。徹底的にものを持たない
(実際にはそうでもないけど)、ものに支配されない生活。

必要なものはそれに応じてどこかから調達できるという生活。
うらやましくも感じる。

といいつつやっぱり無理なんだけど、
いざとなればなんとかなっちゃうんだなという、
変に明るい気持ちになるのがこの本を読んでよかったことだ。

ただのレポートで終わらず、著者の建築感、
家に対する哲学も織り込まれており、読み応えがある。

何より開放感と晴れやかな楽しさが残るのがいい。







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2008年05月18日

京都花街の経営学





正確なタイトルは「舞妓 Haaaan!!!」でした。
!の数も違ってましたね。まあいいや。

そんなわけで。本日は知ってるようで(?)知らない
舞妓、芸妓さんの世界をご紹介。

著者は京都で育った女性で、現在は大学で研究員をされています。
たくさんの資料を基に丁寧に書かれており、
何より京都の花街に対する愛情が感じられる。

花街とは、舞妓さん、芸妓さんが住んでいて、
彼女らと遊べるお店がある町のこと。

といっても、私たち一般人にはどうにも敷居が高い。
その理由のひとつに、「一見さんお断り」というものがある。

一見さん。いちげんさん、と読んで、新規の客のことをさす。
一見さんお断りとは、誰かの紹介がなくては
店に入ることができないということ。

基本的に花街には財布を持たずに行っても遊ぶことができる。
掛け払い(ツケにして後で清算すること)が基本なのだ。

お茶屋で遊んだお客さんは、そこでの飲食代は後払いである。
また、御茶屋のセッティングで二次会に行くときは、
その店での支払いも移動のタクシー代も後払い。

そのため、信用の置けるお客さんしか受け入れることができない。

また、お茶屋での「もてなし」は、
客の注文を受けてされるものではない。
お茶屋が何も聞かずに手配するものである。
そのため、データのない新規客には十分に接客ができない。

さらに、お茶屋は基本的に
女性の経営者、舞妓さん、芸妓さんの住居でもある。
女所帯に知らない男性を入れることは抵抗がある。

そういったことも一見さんお断りの背景になっている。

さてその舞妓さん、最近ではインターネットを通じて
全国からの応募があるそうだ。

といって、お茶屋さんでも簡単に採用することはできない。

一人前の舞妓に育てるまでは着物も
お稽古にかかる費用もお茶屋持ち。

それは投資なのだから、きちんと勤められる人間を
見極めるのが大事なんだそうだ。

中学を卒業したばかりの女の子が家から離れて、
多分生まれて初めての集団生活を経験する。

さらに、先輩の芸妓さんをお姉さん、
女将さんをお母さんと呼んで、上下関係を叩き込まれる。
朝早く、夜はお座敷が終わるまで寝ることができない。

厳しくて逃げ出す子も多いそうだ。

だが、いったん花街に入ると、
そこにいる人たちはみな家族になる。
厳しい上下関係も、
一生その子を身内として迎え入れることの証なのだ。

入るのは厳しい、しかし入ってしまえばそこが故郷になる。
それはいったん客と認めた人間を
徹底的にもてなす花街の哲学と重なる。

舞妓さんの日常、お稽古の様子、
花街で仕事をする人たちのキャリアプランなど、
興味深いことがたくさん。
舞妓さん志望の方がもしいらしたら、これは必読です!
(いるんかいな…。)






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2008年05月13日

普通の家族がいちばん怖い





1999〜2000年、2004〜2005年の二回にわたり、総計223家庭を対象として行われた
「フツウの家族の実態調査・クリスマス、お正月編」を元に書かれた本。
調査回答者は主婦。
著者はマーケティング関連のお仕事をされているようです。

まずお正月。

正月は基本的にどちらかの実家で過ごす。
御節を作るのは老いた両親だ。手伝いはあまりしない。

手伝いをするとかえって申し訳ない。
手伝いをしないのも気遣いのうちである。
たまに手伝うと「女中みたいでいやになった」。

そういう主婦たちは、御節の作り方も知らないし、
料理の意味も知らない。習おうとはしない。

彼女らが大事にするのは自分の感覚である。
自分の好き嫌いが基準であって、
「主人が実家風の雑煮を作ってくれと言いますが、
自分の口に合った、自分の実家のものをつくります」。

この考え方はクリスマスの場面でも適応される。

「家を飾り付けるのは子供が喜ぶのがうれしいから」
「子供が喜ぶのをみて病み付きになりました」
家をイルミネーションで飾るが、料理には手が回らない。

「それらしく見えるから楽」とばかり、
鳥料理を買ってきて並べるのがクリスマスの食卓だ。

とはいえ、無邪気に子供が喜んでくれるのはやっぱりうれしい。

しかしそれがエスカレートして、
中学生、高校生の子供にまで
サンタクロースの存在を信じさせようとする親がいると聞くと
やや不気味だ。
「子供が夢をなくすのは寂しい」のだそうだ。

家族は楽しい思い出作り、イベントを大切にしなければならない。
面倒くさい御節作りやその意味を語るようでは
「うるさい親」として子供にいやな思いをさせてしまう。

クリスマスもお正月も、形にのっとりイベントとして消化し、
楽しい思い出ができればいい。

子供を叱らず、いつまでも夢の世界にいて欲しいという
いびつな家庭の姿が見られる本である。

まあ私も主婦なので、読んでていやになることもありました。

御節を作らない、クリスマスにケンタッキーを買ってくることを
非難されているような気持ちになるんですよ、これがまた。

だけどそれがテーマではない。
そのことを肝に銘じて読めば、著者の言いたい
「普通の家庭」の怖さが理解できる。






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2008年05月12日

中国動漫新人類





著者は1941年生まれ、
終戦をはさんで10代の前半まで中国で過ごした。

日本人として差別された過去も持つ。
日本に戻ってきて、現在大学で教鞭をとっている。

その著者が、多数の中国人留学生と接しながら、
彼らがどんなことを考えているか、
ひいては中国という国が現在どのような状態にあるかを考察している。

タイトルにある動漫とはアニメのこと。中国の若者は、
ほとんどが日本のアニメに接しており、熱狂的なファンも多い。

その流行の「立役者」となったのが海賊版である。
版権使用料等を支払わなくてよい海賊版の漫画、
DVDが大量に流通したため、
一般人でも簡単に日本のアニメに触れることができた。

政府は最初、「たかだか漫画、アニメ」には注意を払わなかった。

しかし、中国の若者は
「中国のアニメは古臭く、党に忠誠を誓わせる内容のものばかり」(本当にこういう発言がされている)と、
日本のアニメに傾倒していく。

それは、民衆が求めるものを自分で選ぶという、
いわば民主化の兆しともいえるものであった。

中国は民主化の動きを抑え、また若者に反日教育を施している。

反日教育について、
日本では天安門の再発を防ぐためという分析がされているが、
実際は江沢民氏の個人的な思想によるものでは
ないかと著者は言っている。

中国を「侵略」したのは日本だけではない。

しかし、日本と戦ったという共産党の正当性を高めるためには
日本が敵になる必要性があるのだ。

それに反発するのが台湾系華僑である。
国民党に気持ちを寄せている彼らは、
共産党の宣伝には反発を覚えている。
実際に日本軍と戦ったのは国民党だからだ。

ここで少し話は変わるが、2005年に中国本土で大規模な反日行動があった。
若者が中心になった行動だが、
これにはサンフランシスコの華僑の動きが影響している。

華僑たちは、サンフランシスコで国民党の働きを知るために
抗日について学び始める。
そして、日本軍のかつて行った残虐行為の記録に触れる。

反対の署名をネットで呼びかけたところ、
中国本土の若者たちがその動きに呼応したというのだ。

党により、愛国教育を受けていた若者たちの意識が反日に変わるのは簡単だった。

うう。頭痛い。

だが、中国の若者は日本人が、
「本当は残虐な人たちではない」ことにうすうす気がついている。
スラムダンクの、セーラームーンの登場人物は皆
正義と平和を愛していたではないか…。

その矛盾に、彼らは必死で目をつむっている。
日本軍、鬼のような日本人を憎む心と、
動漫の中に見られる日本に魅せられる気持ちを同時に持つ、
ダブルスタンダートが彼らの中にはある。

ネットには「日本のアニメが好きな私は売国奴でしょうか」という、
真摯とも言っていい問いかけが見られるという。

著者の視点がやや中国よりなのは仕方がないだろう。
だからこそ、ここまで近しい情報に接することができたのだ。

中国人留学生と接する方、中国でお仕事をされている方、
これは必読かもしれませんよ。






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ギネス世界記録 2008





いわずと知れたギネスブック。2008年版を見つけたのでご紹介。

昔見たのは辞書みたいな感じだったけど、
こちらは写真も多く非常にカラフル。
ぱらぱら見てるだけでも面白い。

ちなみに、皆さんギネスブックに載る方法ってご存知ですか?

私は知らなかったんだけど、
「挑戦してみて記録が出たから申請」というのはだめなんだそうだ。

ギネス社には挑戦の規定がある。健康面、安全面への配慮、
年齢制限などがあるので、前もって申請しておくこと。

こんな記録出しまっせ、という申請を行って、
ギネス・ワールドレコーズ社の出す
ガイドラインにそって達成しないと
ギネスブックにはのらないんだって。

へえ。けっこう無茶で、笑ってしまうような記録があるけど、
これらもギネス社の許可済みってことなんだな。

ちなみに、記録は世界中から年間6万5千件ほど申請される。
そのうち達成されるのは1500件、40分の1くらい。

この認定を行うのは訓練された認定員。
そのほとんどがロンドンにいるが、
なんと2007年に日本人認定員が2人誕生した。
日本支社も開設されたそうなので、
記録に挑戦したい方には心強いかも?!

2008年、日本からギネスブックに掲載された記録は以下の通り。

・みのもんたさんの
「1週間でもっとも多く生番組に出演する司会者」

・石川遼さんの「最年少プロゴルフツアーの優勝者」

・Kinki Kidsの「デビュー以来シングル25作連続初登場一位」

一般人でも、

・滋賀県で行われた184時間連続コンサートに
「世界一長いコンサート」の記録。

・大野愛知さんの
「1分間にもっとも多くヘッドスピンをした記録」

ヘッドスピンとは頭を軸にしてまわるダンスの技ですが、
ドイツのギネス収録現場でこの記録を出されたそう。回数は89回!

・岩崎智里さんの育てたりんご1.84キログラムが
「もっとも重いりんご」記録として認定された。

・タカラトミー製作の、「世界最小の二足歩行ロボット」

他にも笑える記録、目を見張る記録、
あいた口がふさがらなくなる記録がたーくさん。

いやあ、すごい。
やっぱ人間っておもしろいわ。




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2008年05月07日

ぼくのチベット・レッスン





そんなわけで、
今話題の「世界の屋根・チベット」の本をご紹介。

2001年に発行されている本で、絶版になっているので入手は難しい。
アマゾンでは、1993年版が安く買えるようです。

チベット。
中国による侵略で、その文化や民族が失われようとしている。
そう一部のテレビ番組では報じられている。

その侵略の様子を書いた本もあるが、
こちらの本は日本人旅行者の目を通して書かれており、
わかりやすく楽しく読める。
チベット初心者(私だ)にはおすすめかも。

チベット人のぺマ・ギャルポさんも、
「日本の方々のための客観的で初歩的な書物があればと思っていました。
本書は一般の方々にもわかりやすく工夫されています。
同時に、自分の足で歩き、現地の人々と話したジャーナリスティックなアプローチも見られる」と評しています。

著者は日本人。
中国を旅行していて、
ふとしたことから知ったチベットにのめりこんでいきます。

チベットの民族衣装、風景、人々の生活がよく書かれている。

また、ぺマさんも書かれている通り、
チベット人と触れ合うことで知った、
中国の影響もリアルに伝えてくれます。

おもしろかったのは、
ダライ・ラマのいるインドのダラムサラのこと。
ここには亡命したチベット人が集まって暮らし、
チベットの亡命政府が置かれています。

ここではなんと、一般の旅行者も割合簡単に
ダライ・ラマに会うことができるそうです。

謁見を申し込んで、パレスと呼ばれるダライ・ラマの住居に出向く。
簡単なチェックのあと、ダライ・ラマと直接会って
握手をしてもらうことができるそうです。

アイドルの握手会みたいなんだそうだけど、俄然行ってみたくなる。

こういうことを続けてきて、
ダライ・ラマは先進国の人たちに
その存在をアピールしているわけなんだな。

実際にチベットを訪ねてみて、
破壊された寺院なども著者は見ている。

これが書かれたのが1990年代だからなのか、
チベット人は皆明るい。

差別されたり、共産党の勉強会に出席しなくてはいけないが、
「問題ない、別のことを考えている」と笑う少年僧がいる。

政治活動をして逮捕されたが、
また活動家として運動を続けている青年がいる。

しかしこの青年は、逮捕中「電気棒を首に当てられるのが辛かった」
と言っているから、ひどい拷問を受けたのだと思う。

チベット人の公安もいるが、彼は寺院の祭りに参加している。

インドとの交流があることで、
ビジネスに成功して大儲けしているチベット人がいる。

写真をとったらうれしそうに「絶対に送ってね」という少女がいる。

中国語でチベットを歌い、ヒットさせた女性歌手がいる。
彼女は亡命したが、今でも彼女の歌はチベットで大人気である。

中国の圧制の影が見え隠れするが、楽しい旅行記としても読める。

裏返せば、楽しい旅行記になるはずだった本書に、
政治的な文章が書かれねばならないチベットの現状がある、
ということでもある。

再版しないかなあ。良書。






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2008年05月01日

ジュセリーノの予言





テレビ番組の内容をまとめた本。

ジュセリーノ・ノーブレガ・ダ・ルース。
1960年、ブラジルに生まれる。
夢に未来の出来事が出てくるという予言者。
これまでにさまざまな事件を予知している。

1991年ピナツボ火山の噴火。
1994年アイルトン・セナの死。
1997年ダイアナ元皇太子妃の死。
2001年の同時多発テロも予言していたそうだ。

彼は予言を各国の政府に手紙にして送っている。
警告というわけだ。
その文書は町の登記所に登記している。
事件の起きる前に発せられたことを証明するためだ。

よし、ではそんな彼が、
今後の世界をどう予言しているか見てみましょう。

・2008年9月13日、
アジアの都市をマグニチュード9.1の大地震が襲う。

ジュセリーノはそのとき見た夢の詳細を書いているが、
あまり高いビルのない地方都市のような感じだったという。

実は本の中には東海地方のある町の名前が書かれているんだけど、
それ、近いんです、うちに。

ギャー、と思いつつ、防災の準備をしておこうと改めて思いました。

・2011年、新型ウイルスが世界的大流行。被害者も多数出る。

この新型ウイルスとは鳥インフルエンザのことだそうだ。

実際、鳥インフルエンザの流行は
明日起こってもおかしくない状態らしい。
早急のワクチンの開発が待たれる。

民間レベルで対処できることとしては、帰宅時の手洗い、うがい。
できれば洗顔、洗髪まですることが望ましい。

・2008年、エイズワクチンが開発される。

やった!これはいい話。
植物の成分から開発される可能性があるそうだ。

・2008年、地球温暖化で日本の夏は猛暑になる。
45度を記録するかも。

去年も暑かったですよねえ。もう無理ですよ、これ以上。
おまけに熱帯性の病気が流行する可能性まで示唆されている。

蚊を媒体とする病気だが、台湾ではすでに感染者が出ている。

・2036年、小惑星が地球に接近。衝突の危機となる。

実際に、いくつかの小惑星は地球に落下しているそうですね。
知らんかった。

2036年の衝突は規模が大きく、
今後の地球の生態系を変えてしまう可能性がある…。

環境汚染、食糧不足など、
あまり明るくない未来が予言されているが、ジュセリーノは言う。
人類はきっとこの危機を乗り越えられるはず、と。







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2008年04月02日

不都合な真実 ECO入門編




アル・ゴア氏の書いた不都合な真実。
よく売れたみたいで、映画もできてましたね。

こちらは不都合な真実の廉価版というところ。
よくDVDでもありますよね。
特典映像なんかがちょっと少ないバージョンのもの。
あんな感じです。理解するにはこちらの一冊でも十分。

写真が多い。
環境問題はうそだ、という本や主張があることは私も知っています。
科学者でない私にはその是非はわかりません。

ただ、確実に変化が起こっているということは
この本を見ればわかる。

1970年には真っ白なキリマンジャロの山頂が、
2003年には茶色の部分が多くなっている。

1932年の写真では一面が氷のモンタナ州の氷河は、
1988年にはただの荒地になっている。

西暦1000年から現在までの気温のグラフが出ていますが、
ここ50年で急激に温度が上がっているのがわかります。

気温が上がると台風、ハリケーンの発生が増える。
アメリカに上陸するハリケーンは、
数だけではなくその威力も増している。

アメリカではハリケーンに人の名前を付けるのだが、
2005年にはその数が多すぎて、
つける名前が足りなくなってしまった。
歴史上初めて、名前にギリシア文字を使うことになった。

アラスカやシベリアでは、永久凍土の上に立てられていた建物が
倒壊し始めている。氷が溶け出したためだ。

北極、南極の氷が溶け出すと、
海面が最大で5から6メートル上がると言われている。
世界中で海に沈む都市が出てくる。

地球の環境が変わりつつあるのは、
人口が爆発的に増えているからだ。

生活をするために、森を切り開き町を作る。
また、畑をつくるために森を焼くこともある。

カリブ海の、一つの島にある二つの国、
ハイチとドミニカ共和国の写真が載っています。
ドミニカ共和国の山は青々と木々が茂っています。

一方、ハイチの山は木がぽつぽつとしか生えていない、
丸坊主みたいな山。
環境に配慮した政策がある国とない国。
同じ島とは思えない写真です。

環境を守るため、私たちにできることもある。

この辺はもうやっている、という人も多いと思うのですが、
最後にまとめられているのでちょっとご紹介。

・車の停車中はエンジンを切る。
・リサイクル用品を積極的に活用しよう。
・蛇口をこまめにしめよう。
水道水の送水に使用されるエネルギーを削減できる。
・エコバッグを使おう。

写真、グラフが豊富。プレゼンテーションみたいな本。
一度は考えてみるべき内容だとも思うので、
忙しい方は立ち読みでぱらぱらめくるだけでも、ぜひどうぞ。






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2008年03月18日

みんなで考えよう 世界を見る目が変わる50の事実




「世界を見る目が変わる50の事実」という本を、
若者向け(子供向け?)に編集しなおした本。
イラストが多く、字が少なくなっています。

イギリスのジャーナリストがまとめた本で、
世界にはこんなことがある、と統計の数字を示している。

世界の不平等について考えようという趣旨で書かれたものではある。
が、大変簡単にまとめられているので、
ちょっとしたネタ、マメ知識として読んでもけっこうおもしろい。

・ブラジルには軍人よりも、
化粧品の訪問販売員のほうがたくさんいる。

エイボンという会社では、
女性が訪問販売員としてはたらくことができる。
学歴や資格は不問なので、多くの女性の自立を助けている。

外見が優先されるブラジルでは、美容産業は景気がいい。
ブラジル軍の兵士が28万人、エイボンレディは100万人。
兵士よりも美しい女性が多い国ってのはなかなかいいなあ。

・先進国の国民は、一年間に7キロの食品添加物を食べている。

コンビニで売っているハムサンドには、
13種類もの食品添加物が入っているそうだ。
一年間で7キロか。気をつけたい。

・マクドナルドの黄色いMマークが分かる人は88パーセント。
キリスト教の十字架はたった54パーセント。

ヨーロッパでは、「宗教を信じる人は未熟」と言う人が増えている。
宗教を信じない人が増えている。

・アメリカ人の3人に1人は、
エイリアンがすでに地球に来ていると信じている。

はい、うちの配偶者もそうです。

・世界では7人に1人が日々飢えている。

一方で、アメリカでは痩せたいという気持ちが
病気にまでなっている。
摂食障害を患っている女性が700万人もいる。

地球全体で食料が足りないわけではない。
均等に分けることができれば、飢えはなくなるはずだ。

・世界の紛争地域で戦う子供兵士は30万人。

・世界の人口の70パーセントは電話を使ったことがない。

・武力紛争による死者よりも、自殺者の方が多い。

難しい漢字には読み仮名がふられているので、
子供さんと一緒に読んでも楽しいかも。

ちょっとだけ、世界のことを考えるきっかけになる一冊。







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2008年03月06日

非情な男ほど、なぜモテる?





モテる男とはどんなものか。
たくさんの女性と恋愛遍歴を重ねる男性の特徴を書いた本。

はあ、そうですかそうですかと思ったけど、
こういうことをまじめに考える人も世の中にはいるのだなあ。

まず、モテる男は非情である。
静かな目をしていて、いつもチャンスを狙っている。
ここぞというチャンスは決して逃がさない。

文字に書くとキザすぎてぞっとするようなことも、
大真面目に言うことができるのがモテ男である。

といって、付き合った女性と一生をともにしたいとは思わない。
社会人になると、会社での評判も気になるので、
安全な女性を見分ける眼力は必要である。

安全な女性。つまり、別れても悪い評判をたてない女性とは、

・経験の浅いお嬢様。自分のことを吹聴しない。
・プライドの高い美人。
・愛嬌があり、優しいタイプの女性。いい思い出にしてくれる。

などのタイプである。

そういうタイプを、非情なモテ男は本能的に見分けるのだそうだ。

初めてのデートでは、彼女の斜め前の位置に座ると
気楽に話ができる。

相づちが重要で、ふうん、とか、へえ、とか
そんなものではいけない。
そうなんだ、さすがだね、わかるよ、など、
バリエーションを豊富にしよう。

話をきいてもらっているという安心感を女性に与え、
誘うときは強引なくらいにきっぱりと言い切る。

「うちにおいで」「一緒にいよう」など、単純な言葉がいい。

さまざまにテクニックが書いてあるのだが、
この本の肝要なところは、
「男性は決して女性に惚れないこと」である。

女性に惚れさせる。手に入れて、
後は面倒がないような付き合いをする。
それが非情なモテ男のやり方だ。

「非情な男とは、常に自分本位。自分に利があるように考え、
そのために必要なことはなんでもできる人間」こそが
モテるのだと著者は考えている。

まあ、面白かったです。
悪い人が好きというのは女性としてはまあ、
ないでもない心理ですからね。

ただ、たくさんのものを(女性も含め)求め、
手に入れることが生きがいという人生だけがすべてではない。
一つのものを一生涯かけて追求する人生だって十分に豊かであり、
それに魅力を見出す人間だっている。

そういう視点が著者にあると、もう少し面白かったかな。

簡単に読めるので、暇つぶしにどうぞ。




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2008年02月20日

受けてみたフィンランドの教育




著者が二人になっているが、
これはフィンランドに留学された娘さんと
そのお母さんが書いているから。

実際に留学された真由さんの話も面白いが、
その娘の変化を驚きを交えて書いている
お母さんの視点もすごくいい。

真由さんはAFSという団体の留学制度を利用して、
フィンランドに一年留学します。

フィンランドは、OECDが世界各国で調べる学習到達度調査で
上位にランクインする国。一方日本のランクは下がるばかり。
では、フィンランドの教育とはどんなものなのか。

フィンランドでは、勉強をするという言葉を使わない。
その代わりに「読む」という言葉を使う。

テスト前にすることは「読む」。勉強する、ではない。

フィンランドのテストは記述式のものばかりだ。
課題について述べよ、というものであり、
自分の考えも書かなければいけない。
暗記してカッコを埋めていく日本のテストとはかなり違う。

真由さんはこの記述式のテストにはかなり苦労したみたいだ。
そりゃそうだろう。
だけど、この本を読んでいると文章がとてもしっかりしていて、
そのご苦労はしっかり身になっているようだ。

失礼な言い方だけど、
20代のお嬢さんの書いた本なんかはまさに日記、
自分にしか語りかけていないものが多いと思うんだけど、
真由さんの文章は他人に読ませることを
意識していることがよくわかる。

学校は単位式で、生徒は自分の興味のある授業、
必要な授業を選択して受けるのが普通だ。
授業中に寝る子供はいない。
授業中に集中しているので、塾に通う子供もいない。

日本では、学校というのはもちろん勉強をする場所だけど、
生活そのものであるともいえる。
友達を作り、学校での生活が中心になる。

しかし、フィンランドでは
学校は純粋に勉強をする場所としてとらえられている。
子供たちは授業は真剣に受けるが、
休み時間には喫煙をしたりして自由に過ごす。
もちろん制服も校則もない。

また、フィンランドでは教育費は無料である。
そのせいもあるだろうが、留年することを恥じる人はいない。
むしろ、わからないことをそのままにして
進級することの方を問題と考えている人が多いようだ。

フィンランドがなぜ、そこまで教育に熱心になるか。

それは、フィンランドが資源小国だという
危機感を持っているからだと著者は言う。

資源小国であり、人が少なく、
近隣にはスウェーデン、ロシアといった大国がある。

そんな国では教育こそが資源だと人々は考えているようだ。

だから、国籍、民族、もちろん性別に関わりなく、
皆が自分の個性と才能を生かす教育を受けられるシステムを、
国を挙げて作っているというわけだ。

日本の教育についても、思わず考え込んでしまう一冊。




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橋下徹「まっとう勝負」




大阪府知事になった橋下徹氏。
物議をかもしているけれど、私は応援している。
いろいろな障害はあると思うけど、
今の志を忘れずに改革を進めてほしいと思っている。

週間ポストに連載していたコラムをまとめたもの。
そのせいか、男性向け、下ネタっぽい表現が多い。

ある事件をテーマにして、橋下流法律的解釈を施すという本書。
さて、橋下氏はどんな事件をとりあげているんでしょうか。

オウム真理教の教祖、麻原彰光の死刑確定までは
およそ8年の月日がかかっている。

弁護側の引き伸ばしに思えたその裁判だが、
橋下氏はそれなりの理由があった、という。

麻原の弁護士は国選弁護士である。報酬はよくない。
事務所を構えている弁護士にとっては
赤字になる金額なのだそうだ。

長くなれば損をする裁判。
しかし、弁護団はあえて細かい反対尋問を行った。

麻原は直接手を下していない。はっきりした命令もない。
これを簡単に死刑にしてしまうと、
無罪の人間が死刑判決を受ける前例となってしまう。
それを弁護士は恐れたのだ。

しかし、橋下氏の奥様はそんな理屈を
「麻原は別でしょ!」と一喝。

橋下氏は「パンツを洗ってもらえなくなると困るから、
反論はしなかった」そうだ。世の中をわかってらっしゃる。

世間を震撼させた酒鬼薔薇聖斗の事件では、
犯罪を犯した少年の更正について述べている。

少年を更生させることはひいては社会の利益のためである。
世の中には、事業を興した人たちの中には
「昔ちょっとやんちゃだった」人もたくさんいる。

しかし、橋下氏は言う。
殺人と強姦に関しては更正させる必要はない、と。

被害者は復讐権を持っている。
しかし、実際に復讐を個々で行うと社会秩序が乱れてしまう。
だから、国家が代理でそれを代行する。
裁判官にはその使命感を持ってもらいたい。

そう考える橋下氏は、死刑に対しては肯定的な考えを持っている。

くだけた言葉で書かれているし、ちょっと下品な表現も多いが、
「そうだよなあ」と共感してしまうことも私は多かった。

それにしても、なんでこの人こんなに下ネタが好きなんだ?
優等生が笑いを取ろうとすると、やたらと暴走して
お寒い結果になることがよくあるけど、
そのぎりぎりのラインかなあ。
まあ、笑ったけど。

それに、金にならない弁護はしない、
政治家と弁護士はうそをついてナンボ、みたいな
偽悪的な表現があるのも今となっては気になるんです、知事。
こんなことで足元をすくわれないでよ。

橋下さん、がんばってや!




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余命1ヶ月の花嫁




乳がんの女性を取材したドキュメンタリーの書籍化。
TBSのイブニング・ファイブという番組だそうだ。

長島千恵さん。享年24歳。
カラーコーディネーターになりたかった女性。
その資金を貯めるためにコンパニオンのアルバイトをしていた。
その仕事で、彼女は太郎さんという男性と知り合います。

デートをして、太郎さんは知恵さんに告白をします。
千恵さんの答えは、「待って。」
彼女はそのとき、
胸にできたしこりの検査結果を待っていたのです。

3週間後、太郎さんが答えを聞こうとすると、
千恵さんは泣き出してしまう。「実は私…乳がんなの」

予期せぬ答えでしたが、太郎さんは励まします。
「病気を治そう。俺も協力するから」

国立がんセンターに入院し、抗がん剤、放射線治療、手術など、
治療は進んでいく。
彼女も、副作用に泣いたりしながらも、
持ち前の明るさでがんばっている。

髪が抜けた夜は恋人のそばで泣き、
でも次の日はカツラを買いに行って、
おしゃれなものを3つも買ってくる。

将来は結婚することを夢見ている普通の娘さんというのが、
もうなんというか、残酷すぎて重い。

約半年後、肺がんが見つかる。再入院。
若いため、がんの進行が早く
肺に転移してしまったのだ。

辛い治療の日々を送るが、回復の見込みはない。
千恵さんの父と叔母は、
千恵さんの余命を「月単位で考えてください」という告知を受ける。
一年でも、半年でもなく一月の長さで考えてくれ、
ということだ。

千恵さんには誰もそのことを告げなかった。
でも、千恵さんはうすうす気がついていたようだ。
その当時、千恵さんが太郎さんにこんなメールを送っている。

「たろちゃん、ちえ生きたいよ…。助けて、怖いよ」

医療が施せることがなくなって、千恵さんは自宅療養となる。

その頃、友人の桃子さんはあることの計画をたてていた。

千恵さんの夢、ウエディングドレスを
着せてあげたいと思ったのだ。

時間がない。そのため、対応してくれる式場も少なかったが、
なんとか見つけた教会で
とうとう千恵さんはウエディングドレスを着ることができた。

その日、親戚や友人が集まり、
恋人の太郎さんはタキシードを着て千恵さんの横に立った。
千恵さんが欲しいと以前言っていた、
シャネルの指輪を贈ることもできた。

表紙のきれいな花嫁の写真は、その日の千恵さんの姿だ。

千恵さんは言う。「明日が来ることは奇跡」だと。

ああ。自分の生活を見直してしまう。
この世の中からこんな病気が消えてしまえばいいと心から思う。




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2008年02月15日

佐藤可士和の超整理術




アマゾンの書評では賛否両論あるみたいだけど、
私は面白かった。
ただ、整理方法の本としては弱いかもしれない。

佐藤可士和という人の経歴をちょっとご紹介。

広告会社の大手、博報堂から独立、
現在は「サムライ」という事務所を開いて活躍中。

キリンの発泡酒、極生の商品開発から広告、
TSUTAYA TOKYOの空間デザイン、ファーストリテイリング、
楽天グループなどで広告やロゴデザインのお仕事をされている。

この本では、これらの仕事が
どのような発想で行われたかが書かれていて、
広告をしかける裏側の様子がわかる。それが面白かった。

佐藤可士和は整理好きである。
彼のオフィスも、来た人がびっくりするくらい
シンプルでモノがない。

モノを整理する時間がもったいないという人がいるが、
整理されていないと余計に無駄な時間がかかることが多いと
著者は考えている。

彼が物事を整理する視点は3つ。空間、情報、思考だ。

彼はかばんを持ち歩かない。
持って歩くのは携帯電話、鍵、カードケース、小銭。これだけ。

メモやペンは必要なときに借りればいい。
クレジットカード二枚と札が数枚あればお金は十分。
もちろんかばんがないと仕事ができないという人もいるだろうが、
不要なモノを思い切って切り捨てることも重要である。

捨てるためには優先順位をつけることが大切。

この本の中では、本質を捉えるということが
繰り返しか書かれています。

一番重要なものをまず決めることで、
モノも情報も仕事も、整理ができると著者は考えているようです。

情報を整理するときも同じ。

彼の仕事は広告、アートデザインだが、
最初にすることはクライアントが
何を本当に望んでいるかを理解することだ。

要望の本質が理解できるとビジョンが見えてくる。

発泡酒の極生のコンセプトは、「安いビール」ではなく、
「新しいお酒」という発泡酒独自の価値を確立すること。

そう決まったときにシンプルなデザインで、
「現代的なライトな飲み物」というイメージを
打ち出すことができたそうです。

思考はまず、言語化することから整理が始まる。

ユニクロのNY店のデザインを決めたとき、
社長が日本のブランドであることを強調したいと言ったのが
印象的だったそうだ。

他にも、ユニクロは服を完成品として提供するのではなく、
部品にしたい。
組み合わせは買った人が決めればいい、というコンセプトがあった。

これも本質を捉えるということにつながるけど、
社長と時間をかけて話をして、
NY店にはカタカナを配したデザインを施した。

モノの整理術というよりは、私たちが触れるロゴやデザインが、
どんな思考の元に作られているのか。
一流のデザイナーの頭の中をのぞいてみると思えば興味深く読める。

時間があれば読んでみてもいいかも。




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