2008年03月06日

非情な男ほど、なぜモテる?





モテる男とはどんなものか。
たくさんの女性と恋愛遍歴を重ねる男性の特徴を書いた本。

はあ、そうですかそうですかと思ったけど、
こういうことをまじめに考える人も世の中にはいるのだなあ。

まず、モテる男は非情である。
静かな目をしていて、いつもチャンスを狙っている。
ここぞというチャンスは決して逃がさない。

文字に書くとキザすぎてぞっとするようなことも、
大真面目に言うことができるのがモテ男である。

といって、付き合った女性と一生をともにしたいとは思わない。
社会人になると、会社での評判も気になるので、
安全な女性を見分ける眼力は必要である。

安全な女性。つまり、別れても悪い評判をたてない女性とは、

・経験の浅いお嬢様。自分のことを吹聴しない。
・プライドの高い美人。
・愛嬌があり、優しいタイプの女性。いい思い出にしてくれる。

などのタイプである。

そういうタイプを、非情なモテ男は本能的に見分けるのだそうだ。

初めてのデートでは、彼女の斜め前の位置に座ると
気楽に話ができる。

相づちが重要で、ふうん、とか、へえ、とか
そんなものではいけない。
そうなんだ、さすがだね、わかるよ、など、
バリエーションを豊富にしよう。

話をきいてもらっているという安心感を女性に与え、
誘うときは強引なくらいにきっぱりと言い切る。

「うちにおいで」「一緒にいよう」など、単純な言葉がいい。

さまざまにテクニックが書いてあるのだが、
この本の肝要なところは、
「男性は決して女性に惚れないこと」である。

女性に惚れさせる。手に入れて、
後は面倒がないような付き合いをする。
それが非情なモテ男のやり方だ。

「非情な男とは、常に自分本位。自分に利があるように考え、
そのために必要なことはなんでもできる人間」こそが
モテるのだと著者は考えている。

まあ、面白かったです。
悪い人が好きというのは女性としてはまあ、
ないでもない心理ですからね。

ただ、たくさんのものを(女性も含め)求め、
手に入れることが生きがいという人生だけがすべてではない。
一つのものを一生涯かけて追求する人生だって十分に豊かであり、
それに魅力を見出す人間だっている。

そういう視点が著者にあると、もう少し面白かったかな。

簡単に読めるので、暇つぶしにどうぞ。




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2008年02月20日

受けてみたフィンランドの教育




著者が二人になっているが、
これはフィンランドに留学された娘さんと
そのお母さんが書いているから。

実際に留学された真由さんの話も面白いが、
その娘の変化を驚きを交えて書いている
お母さんの視点もすごくいい。

真由さんはAFSという団体の留学制度を利用して、
フィンランドに一年留学します。

フィンランドは、OECDが世界各国で調べる学習到達度調査で
上位にランクインする国。一方日本のランクは下がるばかり。
では、フィンランドの教育とはどんなものなのか。

フィンランドでは、勉強をするという言葉を使わない。
その代わりに「読む」という言葉を使う。

テスト前にすることは「読む」。勉強する、ではない。

フィンランドのテストは記述式のものばかりだ。
課題について述べよ、というものであり、
自分の考えも書かなければいけない。
暗記してカッコを埋めていく日本のテストとはかなり違う。

真由さんはこの記述式のテストにはかなり苦労したみたいだ。
そりゃそうだろう。
だけど、この本を読んでいると文章がとてもしっかりしていて、
そのご苦労はしっかり身になっているようだ。

失礼な言い方だけど、
20代のお嬢さんの書いた本なんかはまさに日記、
自分にしか語りかけていないものが多いと思うんだけど、
真由さんの文章は他人に読ませることを
意識していることがよくわかる。

学校は単位式で、生徒は自分の興味のある授業、
必要な授業を選択して受けるのが普通だ。
授業中に寝る子供はいない。
授業中に集中しているので、塾に通う子供もいない。

日本では、学校というのはもちろん勉強をする場所だけど、
生活そのものであるともいえる。
友達を作り、学校での生活が中心になる。

しかし、フィンランドでは
学校は純粋に勉強をする場所としてとらえられている。
子供たちは授業は真剣に受けるが、
休み時間には喫煙をしたりして自由に過ごす。
もちろん制服も校則もない。

また、フィンランドでは教育費は無料である。
そのせいもあるだろうが、留年することを恥じる人はいない。
むしろ、わからないことをそのままにして
進級することの方を問題と考えている人が多いようだ。

フィンランドがなぜ、そこまで教育に熱心になるか。

それは、フィンランドが資源小国だという
危機感を持っているからだと著者は言う。

資源小国であり、人が少なく、
近隣にはスウェーデン、ロシアといった大国がある。

そんな国では教育こそが資源だと人々は考えているようだ。

だから、国籍、民族、もちろん性別に関わりなく、
皆が自分の個性と才能を生かす教育を受けられるシステムを、
国を挙げて作っているというわけだ。

日本の教育についても、思わず考え込んでしまう一冊。




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橋下徹「まっとう勝負」




大阪府知事になった橋下徹氏。
物議をかもしているけれど、私は応援している。
いろいろな障害はあると思うけど、
今の志を忘れずに改革を進めてほしいと思っている。

週間ポストに連載していたコラムをまとめたもの。
そのせいか、男性向け、下ネタっぽい表現が多い。

ある事件をテーマにして、橋下流法律的解釈を施すという本書。
さて、橋下氏はどんな事件をとりあげているんでしょうか。

オウム真理教の教祖、麻原彰光の死刑確定までは
およそ8年の月日がかかっている。

弁護側の引き伸ばしに思えたその裁判だが、
橋下氏はそれなりの理由があった、という。

麻原の弁護士は国選弁護士である。報酬はよくない。
事務所を構えている弁護士にとっては
赤字になる金額なのだそうだ。

長くなれば損をする裁判。
しかし、弁護団はあえて細かい反対尋問を行った。

麻原は直接手を下していない。はっきりした命令もない。
これを簡単に死刑にしてしまうと、
無罪の人間が死刑判決を受ける前例となってしまう。
それを弁護士は恐れたのだ。

しかし、橋下氏の奥様はそんな理屈を
「麻原は別でしょ!」と一喝。

橋下氏は「パンツを洗ってもらえなくなると困るから、
反論はしなかった」そうだ。世の中をわかってらっしゃる。

世間を震撼させた酒鬼薔薇聖斗の事件では、
犯罪を犯した少年の更正について述べている。

少年を更生させることはひいては社会の利益のためである。
世の中には、事業を興した人たちの中には
「昔ちょっとやんちゃだった」人もたくさんいる。

しかし、橋下氏は言う。
殺人と強姦に関しては更正させる必要はない、と。

被害者は復讐権を持っている。
しかし、実際に復讐を個々で行うと社会秩序が乱れてしまう。
だから、国家が代理でそれを代行する。
裁判官にはその使命感を持ってもらいたい。

そう考える橋下氏は、死刑に対しては肯定的な考えを持っている。

くだけた言葉で書かれているし、ちょっと下品な表現も多いが、
「そうだよなあ」と共感してしまうことも私は多かった。

それにしても、なんでこの人こんなに下ネタが好きなんだ?
優等生が笑いを取ろうとすると、やたらと暴走して
お寒い結果になることがよくあるけど、
そのぎりぎりのラインかなあ。
まあ、笑ったけど。

それに、金にならない弁護はしない、
政治家と弁護士はうそをついてナンボ、みたいな
偽悪的な表現があるのも今となっては気になるんです、知事。
こんなことで足元をすくわれないでよ。

橋下さん、がんばってや!




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余命1ヶ月の花嫁




乳がんの女性を取材したドキュメンタリーの書籍化。
TBSのイブニング・ファイブという番組だそうだ。

長島千恵さん。享年24歳。
カラーコーディネーターになりたかった女性。
その資金を貯めるためにコンパニオンのアルバイトをしていた。
その仕事で、彼女は太郎さんという男性と知り合います。

デートをして、太郎さんは知恵さんに告白をします。
千恵さんの答えは、「待って。」
彼女はそのとき、
胸にできたしこりの検査結果を待っていたのです。

3週間後、太郎さんが答えを聞こうとすると、
千恵さんは泣き出してしまう。「実は私…乳がんなの」

予期せぬ答えでしたが、太郎さんは励まします。
「病気を治そう。俺も協力するから」

国立がんセンターに入院し、抗がん剤、放射線治療、手術など、
治療は進んでいく。
彼女も、副作用に泣いたりしながらも、
持ち前の明るさでがんばっている。

髪が抜けた夜は恋人のそばで泣き、
でも次の日はカツラを買いに行って、
おしゃれなものを3つも買ってくる。

将来は結婚することを夢見ている普通の娘さんというのが、
もうなんというか、残酷すぎて重い。

約半年後、肺がんが見つかる。再入院。
若いため、がんの進行が早く
肺に転移してしまったのだ。

辛い治療の日々を送るが、回復の見込みはない。
千恵さんの父と叔母は、
千恵さんの余命を「月単位で考えてください」という告知を受ける。
一年でも、半年でもなく一月の長さで考えてくれ、
ということだ。

千恵さんには誰もそのことを告げなかった。
でも、千恵さんはうすうす気がついていたようだ。
その当時、千恵さんが太郎さんにこんなメールを送っている。

「たろちゃん、ちえ生きたいよ…。助けて、怖いよ」

医療が施せることがなくなって、千恵さんは自宅療養となる。

その頃、友人の桃子さんはあることの計画をたてていた。

千恵さんの夢、ウエディングドレスを
着せてあげたいと思ったのだ。

時間がない。そのため、対応してくれる式場も少なかったが、
なんとか見つけた教会で
とうとう千恵さんはウエディングドレスを着ることができた。

その日、親戚や友人が集まり、
恋人の太郎さんはタキシードを着て千恵さんの横に立った。
千恵さんが欲しいと以前言っていた、
シャネルの指輪を贈ることもできた。

表紙のきれいな花嫁の写真は、その日の千恵さんの姿だ。

千恵さんは言う。「明日が来ることは奇跡」だと。

ああ。自分の生活を見直してしまう。
この世の中からこんな病気が消えてしまえばいいと心から思う。




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2008年02月15日

佐藤可士和の超整理術




アマゾンの書評では賛否両論あるみたいだけど、
私は面白かった。
ただ、整理方法の本としては弱いかもしれない。

佐藤可士和という人の経歴をちょっとご紹介。

広告会社の大手、博報堂から独立、
現在は「サムライ」という事務所を開いて活躍中。

キリンの発泡酒、極生の商品開発から広告、
TSUTAYA TOKYOの空間デザイン、ファーストリテイリング、
楽天グループなどで広告やロゴデザインのお仕事をされている。

この本では、これらの仕事が
どのような発想で行われたかが書かれていて、
広告をしかける裏側の様子がわかる。それが面白かった。

佐藤可士和は整理好きである。
彼のオフィスも、来た人がびっくりするくらい
シンプルでモノがない。

モノを整理する時間がもったいないという人がいるが、
整理されていないと余計に無駄な時間がかかることが多いと
著者は考えている。

彼が物事を整理する視点は3つ。空間、情報、思考だ。

彼はかばんを持ち歩かない。
持って歩くのは携帯電話、鍵、カードケース、小銭。これだけ。

メモやペンは必要なときに借りればいい。
クレジットカード二枚と札が数枚あればお金は十分。
もちろんかばんがないと仕事ができないという人もいるだろうが、
不要なモノを思い切って切り捨てることも重要である。

捨てるためには優先順位をつけることが大切。

この本の中では、本質を捉えるということが
繰り返しか書かれています。

一番重要なものをまず決めることで、
モノも情報も仕事も、整理ができると著者は考えているようです。

情報を整理するときも同じ。

彼の仕事は広告、アートデザインだが、
最初にすることはクライアントが
何を本当に望んでいるかを理解することだ。

要望の本質が理解できるとビジョンが見えてくる。

発泡酒の極生のコンセプトは、「安いビール」ではなく、
「新しいお酒」という発泡酒独自の価値を確立すること。

そう決まったときにシンプルなデザインで、
「現代的なライトな飲み物」というイメージを
打ち出すことができたそうです。

思考はまず、言語化することから整理が始まる。

ユニクロのNY店のデザインを決めたとき、
社長が日本のブランドであることを強調したいと言ったのが
印象的だったそうだ。

他にも、ユニクロは服を完成品として提供するのではなく、
部品にしたい。
組み合わせは買った人が決めればいい、というコンセプトがあった。

これも本質を捉えるということにつながるけど、
社長と時間をかけて話をして、
NY店にはカタカナを配したデザインを施した。

モノの整理術というよりは、私たちが触れるロゴやデザインが、
どんな思考の元に作られているのか。
一流のデザイナーの頭の中をのぞいてみると思えば興味深く読める。

時間があれば読んでみてもいいかも。




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2008年02月14日

ゆうちょ銀行




朝日新聞の記者が書いた本。
ゆうちょ銀行の誕生までとその問題点が詳細に書かれている。

ゆうちょ銀行は、世界で最大の銀行である。
総資産222兆円、従業員数24万人。
これはメガバンクが束になってもかなわない数字だ。

郵便貯金は最初、民業を圧迫しないという方針の下、
預金額を減らす方向ですすんでいた。
当時の生田総裁は、預金獲得をしないよう
営業担当者に指導していた。

だが、民営化が決定してから竹中平蔵が選んだ新総裁は、
三井住友銀行で頭取を務めていた西川という人物である。

西川は豪腕で知られ、銀行時代は強引な売込みで
金融庁の指導を受けたこともあるほどの人物だ。

西川が総裁になって、郵便貯金の方向性は変わった。
預金獲得を強化し、投資信託などの金融商品を売り出すことに
力を入れるようになった。

海運業出身の生田と違い、金融機関出身の西川には、
ゆうちょ銀行を普通の銀行にしたいという考えがあるようだ。

郵便貯金の持つ資産は、他のメガバンクの追随を許さない
巨大なものである。

しかし、その運用方法には多くの問題点がある。

もともと、郵便貯金には運用を「考える必要」がなかった。

大蔵省に財政投融資として丸投げし、
その代わりに上乗せした金利を支払ってもらっていたのだ。
それが、郵便貯金の利益であった。

だが、現在では財政投融資に使われることはない。

代わりに自らで運用先を選ぶことができるのだが、
巨額を運用できる商品は日本にはない。

郵便貯金が主に買い入れているのは国債だが、
上乗せ金利がもらえない現状では十分な利益を得ることができない。

また、郵便貯金の定期は6ヶ月で解約できるのが特徴。
低金利の現在、客が短期で解約したら、現金を作るために
国債を売らざるを得ないが、
国債の金利では赤字になることが簡単に予想される。

普通の銀行を目指す西川としては、
国際市場での運用を目指しているが、
そのノウハウは郵便局にはない。人材もいない。

そして、普通の銀行を目指すということ自体、
民業を大きく圧迫することになる…。

郵政民営化。一言で言うのは簡単だが、
たくさんの問題をなお抱えていることがよくわかる。
問題解決への提言、示唆がなかったのがやや残念。





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裁判官の爆笑お言葉集




爆笑のお言葉とあるが、笑える言葉ばかりではない。
中には重いもの、悲しいものもあって、
お気楽に読めると思ったら大違いである。
けれど、読んでよかったと思える一冊。

右ページに言葉、左ページに事件の概要と解説が書かれている。
マスコミをにぎわせた事件も多く、被告人たちがその後、
どのように裁かれたのかもわかる。

「交通事故裁判での、被害者の命の重みは
駅前で配られているポケットティッシュのように軽い。
遺族の悲嘆に対して、加害者はあまりに過保護である。
命の尊さに、法が無慈悲であってはならない。」

飲酒運転と信号無視で子供をひき殺した被告人に。
裁判官は求刑より重い刑を言い渡した。

ポケットティッシュの例えはなぜなのかわからないが、
法の前に被害者の命が軽いことが、
裁判官には苦々しく感じられたのだろうか。

「家族らの信頼を裏切ったが、
多くの人たちが更正を期待していることは、
じゅうぶんに分かっていると思う。」

覚せい剤取締法違反で逮捕された槇原敬之に。
犯罪を犯した者に罰を与えるのが仕事ではあるが、
その心に寄り添うことも忘れない。

「もうやったらあかんで。がんばりや。」

裁判官は、身を乗り出して被告人の手を握ったそうです。
母子家庭で生活が苦しく、
窃盗を繰り返した被告はこの言葉を受けてその場に泣き崩れた。

「二人して、どこを探しても見つからなかった
青い鳥を身近に探すべく、
じっくり腰をすえて真剣に気長に話し合うよう、
離婚の請求を棄却する次第である。」

夫が頑固で横暴であると離婚を請求した妻に。
夫は妻の短気さに我慢を重ねてきたと主張していた。

法というものはデジタルである、と著者は言う。
つきつめればあるとないで二分化されるものだからだ。

ただ、それでは割り切れない裁く者の気持ち、苦悩がよくわかる。
考えさせられる言葉も多い、いい本でした。




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タグ:判例 裁判
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2008年01月17日

姫の告白




期待の(?)不倫の件はそれほど多くは書かれていません。
姫井氏の自叙伝とでも言えばいいか?

姫井氏は岡山県生まれ。司法書士だった父を早くに亡くしている。

学生時代はおとなしく目立たない子だったと書いてある。

が、負けん気が強い少女でもあった。
クラスメイトの好きな男の子に、バレンタインのチョコレートを
抜けがけして渡しに行ったエピソードは面白い。

家の場所がわからなくなってしまい、交番に助けを求めた彼女。
夜も遅いということで、
親切なおまわりさんにパトカーに乗せてもらって彼の家へ。
彼のご両親もびっくりされただろう。

しかしそれは淡い恋で終わってしまい、
本格的に男性と交際を始めるのは大学の夜間部に入ってから。

姫井氏は、好きになったら一生懸命相手のことを知ろうとする。
車が好きな彼氏と話をあわせるために免許を取り、
運転の練習をする。

しかし、あまりの熱心さに男性の方がさめてしまい、
結局知識だけが残った。

彼女の恋愛パターンはいつもこんな感じなのだそうだ。

ご主人とはお見合いで結婚。
その頃には司法書士として仕事をしていた彼女は、
仕事の邪魔になる相手とは結婚したいと思わなかった。

その点、育ちのいい彼はおっとりしていて
彼女のやることにも鷹揚と相対してくれた。

そんな彼が猛反対したのは、
彼女が県議会議員に立候補しようとしたとき。

政治はきらいだ。そう言って折れようとはしなかった。

姫井氏はもともとゴミのリサイクル運動をされていたようだ。
県議会に提案してもまともに対応をしてくれない。
そのジレンマが、彼女を政治に向かわせる原因となった。

国会議員に打って出るときは、彼はもはや反対もしなかった。
どうせ落選するだろうとたかをくくっていた様子でもある。

不倫騒動が述べられる章には「運命」とタイトルがついていて
笑ってしまった。運命って。

相手の方は熱心に夢を追うタイプの方だったそうだ。
夢を追う男性に惹かれるのは、女性として当然ではないでしょうか、
と姫井氏は述べている。

ご家族の対応は、これまた皆さんお優しい。

子供たちは「2ちゃんねる、見たよ。」と笑い、
夫もマスコミにユーモアを交えてコメントを出すほどだ。

夫いわく、「彼女は一に仕事、二に仕事、三四がなくて五に仕事。
僕なんか百番目くらいですよ。」

仕事第一。浮気もしてしまった。
これが男性ならどうだったんだろう。
いや、たたかれはするだろうが、
ちょっとニュアンスが違う気がする。

でもなあ、男性だったら、愛だの恋だの、
変な言い訳はしないだろうな。
まして扉絵でドレスとかヨガのポーズとか、
妙なグラビアもどきの写真なんて絶対に載せないだろう。

字、大きめ、少なめ。立ち読みで十分。



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2008年01月16日

親の品格




昨年のベストセラー、
「女性の品格」の著者が書いた「親の品格」。

最近、やたらと品格という言葉が流行しているような気がしますが、
それではいったい親の品格とはどのようなものでしょうか。

子育ての目標は、自立した人間にすること。そう著者は言う。

そのためにどうするか。

子供の機嫌とらない。
子供が我を通すために泣きわめいても、
親は毅然とした態度をとることが大切です。

親と子は対等ではない。
親は子供を導く存在だということを認識させ、
親はそのことに自信をもたなければなりません。

ただ、叱るときは、よくないことを叱るのであって、
子供が憎くて叱るのではないということをはっきりさせましょう。

挨拶などは子供はわからないこともあるので、
まず親がやってみせて、
十分納得させてあげるようにしたいもの。
叱るのはその後です。

子供は親のやることをよく見ている。
仕事のこと、食事のことを子供に話してあげましょう。

仕事のことを語るときは、どうしてその仕事をしているのか、
情熱をもって取り組んでいることを
ユーモアをもって話してあげたい。

「お金のため」「いやいやながら」などとぼやきながらではなく、
仕事を通じて社会とつながっているのだと、
職業に尊敬の念を持たせるような話し方をしたいものです。

子供が大きくなると、親の手を離れて自分だけの世界、
友達を持つようになります。

子供がよい人間と知り合えるか、
友達になれるかということは親が努力して
なんとかできるものではありません。

また、親が少し心配するような友達に、
子供はひかれることがしばしばあります。

親にできることは注意深く子供を見守ってあげること。
心配しているのだ、いつでも助けたいのだということを
繰り返し伝えてあげましょう。

それは子供が配偶者を選んだときも同じ。
自分の配偶者ではない、子供が選んだ人なのだ、と
温かく接してあげるのが親の役割です…。

子供が小さいうちから、成人したときまでの付き合い方が
書かれています。

著者自身も娘さんがいらっしゃるようです。
が、著者は仕事にかまけてあまり子育てには熱心ではなかった様子。
そのことに関する後悔の念もちらほらと伺うことができます。

そうなのだな。この人も理想を書いているのだな。
そう考えると気楽に読める。

理想。
難しいけど、実践できないこともたくさんあるけど、
それを目指す心意気こそが品格といえるかも。




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タグ:親の品格
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そうだったのか!ニュース世界地図 2008




新しい年を迎えるにあたって、
こちらの一冊をご紹介。

57の項目に分けて、世界のさまざまな問題を解説した本書。
世界でどんなことが起きているのか、
地図を見ながらダイジェストに把握できる。

温暖化、世界で展開するPKO、
アメリカ大統領選の行方、
南アフリカでのワールドカップの開催が危ぶまれていること、
泥沼化するイラク、
ヨーロッパ圏でのミサイル防衛網など、
世界にはまだまだ問題が山積していることがわかる。

中でも、大国ロシアの動向には注目の集まるところ。

温暖化の影響で北極海の氷が溶けている。
その海底を、ロシアは自国の大陸棚だと主張し
そこに眠る資源を手に入れようとする動きを見せている。

北方領土の問題でも、2006年には日本人の漁船員が
ロシアの銃撃により死亡するなど、穏便ならざる状況が続く。

領土といえば日本の南にも問題が持ち上がっている。

尖閣諸島という沖縄県の島を、
中国と台湾が自国の領土だと主張しているのだ。
その付近には、石油資源とガス田があることが
近年の調査で明らかになったからだ。

中国は来年オリンピックを開催するが、
その聖火コースで台湾を怒らせてしまった。

聖火リレーのコースを、台湾から香港、
マカオというコースに設定したのだが、
これでは台湾が中国の一部のように思われてしまう。

そんな中、国際経済では先進国に追いつく勢いで
急成長を遂げる国がたくさん出てきた。

ブラジル、ロシア、インド、中国のBricsは有名だが、
今後は、VISTA、ネクスト11という呼び方をされる国々に注目したい。

VISTAはベトナム、インドネシア、南アフリカ、
トルコ、アルゼンチン。

ネクスト11は韓国、メキシコ、トルコ、インドネシア、イラン、
パキスタン、ナイジェリア、フィリピン、エジプト、
バングラディシュ、ベトナム。

経済発展が特に注目されるのはドバイ。
外貨の直接投資を自由にする経済特区を設置し、
石油が枯渇したのちに備えようとしているのだそう。

中国国内でのチベット、ウイグル。トルコ国内でのクルド。
ベネスエラのチャベス大統領に代表される、
南米の反米気運。大国中心だった世界に、
小さな国や民族も存在感を示すようになってきた。

著者が注目しているのは、アフリカ、スーダンのダルフール地方で
「今世紀最悪の人道危機」と呼ばれている
虐殺が行われていること。

ルワンダの虐殺は、映画になったり本になったりしていますが、
現在進行形のこんな事件があるなんて。

本屋さんで、章のタイトルだけでも
立ち読みされることをおすすめします。
(本屋さんごめんなさい。)

いろんな問題のある世界だけど、希望もある。

英国と長い間テロによる戦いを続けてきた北アイルランドでは、
自治政府が復活し、英国との和解が進んでいるそうだ。




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2008年01月13日

若者はなぜ「会社選び」に失敗するのか




新卒で新聞社に入社、
その後外資系コンサルタント会社に転職。
現在はニュースサイトの編集長をされている著者。

彼が新聞社を辞めたのは、
新聞社の企業文化についていけなかったからだそうです。

その企業文化について、大手ばかりではありますが、
実名をあげて詳しく分析、レポートしている本書。

年明けから就職活動を本格的にされる学生さん、
またそのご両親には一読を強くお勧めしたい。

同じ業種、仕事でも企業によって考え方は全く違う。
仕事内容だけでなく、こういう視点があることを、
会社選びの際の参考にしていただければと思うのだ。

会社を選ぶ際のポイント、その1。やりたい仕事ができるか。

やりたい仕事をやりやすい会社というのは、
社内公募制度やFA制度が整っていて、
なおかつ運用されているかというのでわかる。

社内公募制度を利用して、やりたいことを述べても、
「他の部署に行くことは裏切りだ」と
出世の道を絶たれる富士通のような会社もある。

制度だけがあっても、企業文化にマッチしていなければ
かえって弊害になるだけだ。

逆に、「やってみなはれ」の言葉に代表される社風の
サントリーは社員の提案にも好意的に対応してくれる。

その2。働く時間に納得できるか。

サービス残業。おかしな言葉だけれど、
実際にあるのだから仕方がない。

定時って何、仕事時間は無限、という考え方の企業は
主にマスコミ。休日も少ない。

外資系は時間よりも成果を問われるので、
結果的に長時間労働になりがち。

ベネッセ、JTBなどは「残業はもはや文化。」
SE職なども時間外労働は長く、
持ち帰りが当然という考えで仕事をされている様子。

他にも、女性の活用はどうか、福利厚生はどうか、
報酬は高いか、離職率は、など。

図で説明されておりわかりやすい。
実際に働く人の声も聞かれるので真実味が増す。

現在お仕事をされている方も、
気になる業界の本音の姿を知ることができる興味深い一冊。



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団塊格差




なんだかなあ、
この人もこういうのが好きだなあ。

三浦展。下流社会、難民世代、富裕層の財布など、
社会の経済的な格差についての著作が多い。

今回の本は文芸春秋と共同で、
男女2000人にアンケート調査を行ない、
団塊の世代と呼ばれる人たちが
どのような生活をしているかをまとめたもの。

データが多い。というより、
基本的に得られたデータを分析しているだけという本。

シンプルな構成なので、
団塊の世代にはどういう人たちがいるのかを
知りたい方には役に立つと思う。

団塊の世代と一言で言っても、
そこに属する人たちはさまざまである。
マスコミや広告会社が言うほど、均一というわけではない。

まず、所得における格差。
60歳になって、所得が150万円未満の人が10%いる。
一方で1000万円以上の人が13%。
一番多い層は所得が700万円から1000万円という人たちだ。

また、退職金のなかった人たちが35%おり、
年金が不安という人も多い。

所得の格差を生み出すのは、ついた仕事によるものだが、
団塊の世代の男性の過半数は、
仕事人生に満足だったと答えている。
学歴に関係なく出世ができた世代であるそうだ。

今、若者の離職が問題視されているが、
実は団塊の世代の若い頃の離職率も
今とそう変わらないそうだ。

だが、彼らは働かなければ生きていけなかったし、
就職口はそれなりにあった。

働かなければ生きていけない。
そういう時代をすごした彼らは、
子供たちは好きなことをすればいいと考えている人が多い。
こういう考えが、ニートやフリーターを生み出す土壌に
つながっている。

彼らの子供たちのおおよそ3割が非正規雇用者である。
そのため、団塊の世代の8割は60歳以降も働く人が多い。

民間企業の営業職、事務職(管理職ではない)の人たちの中には
退職金が500万円未満という人たちがいる。
年金も不安だし、今後も働き続けなければいけないが、
社会に対する反発心はない。

仕事への満足度は、半数以上の人が
「満足」「やや満足」と答えている。

私が一番面白いと思ったのは、
団塊の世代の人たちが買う洋服のこと。

収入や資産の多い、少ないは関係なく、
彼らが一番服を買う店はユニクロなのだそうだ。
そう考えると、高級志向というよりはのんびり、
リラックスというのが彼らが求めていることだという
本書の分析にも納得できる。



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2008年01月11日

その後のツレがうつになりまして。




前作、ツレがうつになりまして。が
発行されたのが2006年3月。
本日ご紹介の本は、ツレさん(著者のご主人)が
うつから回復されている様子を描いています。

(前作の紹介記事はこちら↓
http://wadainohon.seesaa.net/article/29907537.html

漫画。
読みやすく、実際にうつをわずらった方には
非常に評判がいいらしい。

かわいらしい絵で、明るい内容なんだけど
ご本人たちにとって
大変な日々だっただろうということが感じられる。

スーパーサラリーマンで、明るく前向き、
がんばりやさんだった夫。
仕事のストレスからうつ病を発症してしまう。

前作では、うつ病の夫がどんなことをしたか、
うつの患者さんがどんなことを考えているかが
リアルに描かれていた。

今回は、過去を振り返る形で何をしてきたか、
どうすればよかったのかを主に描いている。

まず、うつ病の人に会社を辞めるように言ってはいけない。

彼らの場合は、激務によるストレスが原因だったので、
結果的にツレさんが仕事を辞めたのは正解だったみたい。

だが、患者が会社を辞めたいと言い出すときは、
逃避したいという気持ちからであって、
会社を辞めることを認めると、離婚、自殺まで
考えが発展してしまうことがあるそうだ。

会社の休職制度などを利用して、
なるべく環境を変えないほうがいいらしい。

日記を書いて、自分の考えの癖を理解する方法も
回復には効果がある。

また、「ウチ流 こんなときは こうしてた」と、
闘病生活で気をつけていたことも描かれている。

後ろ向きで愚痴が多くなった夫に、
「病気のせいだよね。薬はちゃんと飲んでる?」ときく妻。

がんばってと励ますよりも、
病気のせいだということを認識させてあげることが大事。

意欲がなく、寝込んでいるときは
「やる気をチャージしている」と解釈してあげる。

病は気からって言うでしょ、などと
追い詰めるような言い方は禁句。

その後、電話をかけられるようになり、
講演会で人前で話すことができるようになる。
順調な回復の様子にはほっとする。

うつになってあきらめたこともたくさんある。
旅行やコンサートに出かけること。人ごみが苦手なのだ。

だけど今、ツレさんは会社を作り、家事をこなしながら
マイペースで仕事をしている。
だらだらすることを覚え、自然に、楽に生きられるようになった。

セクシャルマイノリティーの方の書いた本を取り上げたとき、
彼らのことを「知らない隣人」という書き方をした。

これがいいのか悪いのかは分からないけど、
確かに、自分が知らない、
理解してあげにくい悩みを抱えている隣人はきっといる。

前作がとても評判になったのは、
うつという病気が外からは見えづらいもので、
それをリアルに描いていたからなんだと思う。

上手に言えないんだけど、もし身近にそんな人がいたら、
ほんの少しでも理解できるような努力をしたい。
そんな人間でいたい。

その意味でも、おすすめしちゃうんだな、この本。




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賞味期限がわかる本




この時期に、
よくぞ出してくれましたというまさに話題の一冊。

野菜、調味料、瓶詰め食品、ベビーフード、
果ては化粧品まで全400品目が掲載されています。

家庭で食べるものはほぼ網羅されていると言っても
過言がなさそう。

まず、賞味期限とはなんだろう、という話から。

食品の表示には二種類あって、ひとつは賞味期限。
これはおいしく食べられる期間という意味なので、
すぎても食べることは可能です。

一方、消費期限というのは、
期限をすぎたら安全ではないことを示しています。
弁当や惣菜、パンなどにつけられるのがこれ。

今、いろんな企業でこの消費期限、
賞味期限の偽装が問題になっていますが、
ではこれ、誰が決めたものなのでしょう。

私はてっきり公の専門機関だと思っていたのですが、
食品を加工したメーカーや販売業者が
決めているものなのだそうです。

それらは、専門機関で微生物や理化学などの
検査を受けてのことだそうですが、
業者主導で決めているのは間違いないみたい。

さて、いくつかあげられている食品の中で
気になるものをいくつか書き出してみましょう。

私が一番気になったのは卵。

これは、採卵後16日から57日というのが消費の目安。
市販品の表示は約二週間ですが、
これは生で食べられる期間ということ。

なので、多少の期限切れであれば
火をよく通せば食べても問題はないみたいです。

もう一つ気になる牛乳は、
やはり開封後は期限以内に飲みきる方がいいらしい。

パックをあけるときには、雑菌が入らないように
指を注ぎ口につけないように注意しましょう。

お豆腐は開封したら、夏ならその日のうち、
冬でも2日以内に食べてしまうのが良い。
小さく切って冷凍すれば、味噌汁の具として利用できます。

砂糖や塩などは品質が安定しているため、
開封後無期限に食することができます。

あんこなどは砂糖がたくさん入っているので、
悪くなることがないという話をきいたことがありますが、
実際そうなんだろうなあ。

食品の保存の仕方、食中毒の原因となる細菌など、
気になる情報が満載。
一家に一冊。食品を無駄にしないためにも
ご一読いただいても損のない本。




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2007年12月08日

適当論





こんな適当な本、見たことない。
いや、高田純次らしい適当さだったらいいんだけど、
これはひどい。

第一章は高田純次と精神科医の和田秀樹の対談。

高田純次は、

「俺に憧れているという人は、俺のことを、ごはんを食べて、
くだらないこと言って、酒飲んで寝ると思ってるんじゃないの?」

と自分のイメージを分析する。

彼は意外に働くのが好きで、
忙しいほうが精神的には楽なのだそうだ。
小さい頃の夢は警察官。
理由は、警察官の息子にいじめられたから。

和田医師の出した、
シゾフレ・メランコ心理テストなるものによる分析は、
バランスのいい人。

第二章、これが最悪。
和田医師が高田純次の発言を分析しているのだが、
こんなの読みたい?

高田純次の話芸はその瞬間だけで消えていくからいいのであって、
こんな深読みする必要なんてあるか?

とはいいつつ、少しだけ、高田語録と和田分析をご紹介。

高田 「俺は100メートルを9秒で走れたよ。バイクで。」

さすが高田純次。もう十分笑える。

そこで和田医師の分析はというと。
100m走るというとすぐに陸上競技を想像しますが、
裏にある前提条件を読めない人はだまされてしまう。
物事を比べる際は前提条件を
きちんと考えられるかどうかがポイントになる。

???

第三章も同じような感じなので割愛して、
第四章で高田純次の独白。彼の半生が語られる。

若い頃はデザイン学校に通って横尾忠則に憧れていた。
妻と出会ったのはサラリーマン時代。
一年ほど同棲して入籍。五年後に子供ができた。

人生で一番うれしかったのは公団住宅の抽選に当たったとき。
それまで風呂のない部屋だったので、
自宅で風呂に入れることがうれしかった。

子供ができてからサラリーマンを辞め、劇団に入った。
夜中から朝方まで肉体労働をしていた。

笑点で初めてテレビに出て、
元気が出るテレビに出演が決まったときは赤飯を炊いた。

お金がないと言う人に言いたいことは、働けということ。
今はホームレスでもやっていけそうな時代だけど、
やっぱり働いた方がいい…。

ああ、この人が適当なだけの人だったらこんなに
テレビには出ないのだろうな、と思う。

しかし本は適当である。
だいたい著者は和田秀樹とするのが妥当な内容。
四章あるうち三章まで和田先生が書いてるんだから。

それもたいがいとってつけたような内容で、
「適当論」というより
高田純次の人気に乗っ取った「やっつけ仕事の見本」という
タイトルがふさわしい。

それはだめでしょ。




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キューバでアミーゴ!





たかのてるこ。
旅行関係の本をたくさん書いている方ですが、
本職は映画会社の社員さんなんだそうです。

有給休暇を16日間とって(うらやましい)、キューバへ。
一人旅ではなく、彼であるともやんが一緒なので心強い。

青い空、ココナツの木。キューバは社会主義国家なのだが、
街中に掲げられているスローガンやチェ・ゲバラの肖像を、
著者はポップアートみたいだと言う。

自転車タクシーの運転手、アレクシスと親しくなり
夕食に出かける著者。
そこでいきなりダンスに誘われ、
ラテンのセクシーなダンスに腰がひけてしまう。

しかしキューバではダンスと音楽は日常に溶け込んだ、
いわば必需品みたいなもの。必死で踊る様子がおかしい。

また、絵描きのミルトンや女優のミネルバと知り合いになり、
そこのサロンに集まるアーティストたちとも仲良くなる。

キューバを旅していて、著者がどうしても納得できない、
好きになれないところがある。

それは、キューバの人たちが「たかり」をすることだ。

といっても、あれをくれ、これを買え、というわけではない。
ただ、一緒にレストランに行くと、
勘定は当然外国人が持つものと彼らは思っている。

ミルトンやミネルバはそういったことはしない。
著者を公演に招き、舞台に上げ、
ともにアートを作り上げることで著者との友情を深めていく。

しかし、アレクシスはキューバ人が普段入れない
高級なレストランに入りたがり、
めったにのめないビールを著者のおごりで注文する。

支払うのに困る金額ではないが、
それでももやもやしたものが残る。

キューバでは、医療費も、子供の教育費も無料である。
しかし、アメリカの経済制裁下にあり、
砂糖と観光くらいしか産業がないこの国は、
底抜けに明るく見えても人々の生活は豊かではないのだ。

現地では、外国人はチャボという通貨を使い、
現地人はペソで買物をする。
はっきりとした二重の経済が、そこにはある。

ものが乏しいキューバでは、ヒッチハイクで
車を共有することが当たり前。
アレクシスの「たかり」も
その考えの延長上ではないかと考える著者。

音楽とダンスと家族愛。
めったやたらにテンションが高い友人たちとの交流を
おもしろおかしく描きながら、
キューバの人たちが抱える問題にもさりげなく触れている。

とにかく出てくる人がみなパワフル。
ちょっと疲れたときはおすすめの一冊。

写真もおもしろい。コンドームを頭からかぶった女優、
ミネルバの写真は必見。




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2007年11月28日

トリックスターから、空へ




爆笑問題の太田光氏のエッセイ。
TVブロスに連載していたもの。

太田氏の職業は漫才師だけれど、
このエッセイでは政治に関する記述がとても多い。

特に戦争に関しては多く筆を割いており、
太田氏の戦争に対する考え方に興味のある方には、
読み応えのある一冊になっている。

太田氏は「全ての戦争を否定し、拒否したいと思っている。
しかし、一生その意思を貫けるという確信が持てない。」と言う。

戦争は「家族を守る行為」であり、家族を奪う相手があれば、
「むしろその相手を撃ち殺すだろうという確信に近いものがある」。

これが太田氏の抱える矛盾だ。

だが、あえて太田氏は矛盾を肯定しようと書いている。
矛盾を無理に克服せず、不完全でよし、とする。
(ん?結局具体的にはどうしたいんだ?)

最終的な太田氏の考えは、
「自分は戦争に参加する可能性はあるが、
それでも全ての戦争を否定するという立場」なんだそうだ。

戦争が起きることは不可避だが、
なるべくなら起こらないように努力したい、
起きたとしても認めない、ってことでいいのかな?

しかし、現実には太田氏の表現を借りると、
「終わりのない戦争」があちこちで起きている。

民族テロなどが現代の戦争であり、
価値観がその紛争の種であるとすると、
帝国主義の時代と違って戦争に終わりがない、
というのがその主張だ。
国土争いなら力の大小で決着がつきやすい、ということか。

そんな中、アメリカの、アメリカ製の価値観を
押し付けようという考え方に異を唱える。
日本は先の大戦を敗戦で終えており、
戦争に対しては否定的な立場でいる。
その日本こそが、「戦うな」と主張できなくてどうする…。

世界に誇る平和憲法を持つ日本。自衛隊を持ち、
九条が形骸化しているとしても、
「体が逆でも顔だけは理想に向けておくべき」という。

もちろん、エッセイの全部が
政治的なことをテーマにしているわけではない。

子どもの頃、友達が底なし沼に沈みそうになった話、
バレンタインデーに女の子にからかわれた話、
人一倍蚊にさされやすいという体質、好きな本と映画の話。

太田氏の人柄が見える、
(他に比べると比較的)楽しいエッセイもある。

文章が抽象的で読みにくいと感じたのは私の頭が悪いからだろうか。

書いてあることはおもしろいのだけど、
太田氏が思考をまとめるために書いたもので
読者に対する視線がないように、私は思えた。

ただ、自分の内面を必死で見つめながら書いている様子が
伺われるのは確か。

あの太田光が、一人机に座り、筆を手に(キーボードを前に?)
鏡を見ながら自答している様子が浮かんできてなんだかかわいい。

太田氏の思考をのぞいてみたい人はぜひ。




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2007年11月23日

34 だから、私は、結局すごくしあわせに思ったんだ




結婚おめでとう!

まあ、こういう本はまじめに論じても仕方がない。

ぐだぐだと、居酒屋で青木さやかに居合わせて
なおかつなんだか気が合って、
お互いもういい加減出来上がったところで
げらげら笑いながら聞いて、
翌朝には忘れているような内容の話だからだ。

そういうスタンスで読むと大変面白い。
お疲れさん!これからもがんばれよ、青木!と最後には思う。

26歳で上京してきた青木さやか。
中野で8万円のアパートで、
一緒に上京してきた男性と同棲生活をはじめる。

芸人になるつもりだったが、
だめだったら結婚しようと思っていた。
なのに捨てられてしまい、
依存する相手がいなくなったことに落ち込む。

名古屋にいた頃は自分が一番面白いと思っていたはずなのに、
なかなかテレビに出ることができない。
アナウンサーになった女性へ、嫉妬の心が隠せない。

ギャンブルに依存し、消費者金融で金を借り、
返済日には親に金の無心をする。

ここでパイチという雀荘の話が出てくるが、少し感動的ではある。

苦しいときに助けてくれたその雀荘のご主人が、
癌になって郷里に帰り、
売れっ子になった青木が電話をしたときには亡くなっていた、
というエピソード。

前衛的、芸術的な芝居や笑いにこだわるのではなく、
売れたいと思う青木。
ワタナベプロに所属することになり、
敏腕マネージャーと二人で「青木さやか」像を作り上げていく。

恋愛は相変わらず不調。恋愛マニュアルを手にするが、
世の中マニュアルどおりにはいかない。

両親が離婚したため、15年会っていなかった父親に再会する。

ひきこもり癖があって、
ときどき誰にも会いたくなくなってしまう。
そして、孤独だ。

あー、そうですか、そうですかと読みすすめて、
最後に配偶者との出会い。

ダンサーである彼は、3つ年下。
青木のややこしい性格にも、
「疲れるけど、一緒に乗り越えていけばいい。」と言ってくれる。

文章は中学生程度。内容は日記並。
要するに、中学生の国語の好きな女の子が
書きなぐった日記だと思えばいい。

ただ、夢を追っていてみじめなほど憔悴する様子は
どこか共感できるものがあった。
夢があって、でも自分の境遇は理想どおりではなくて、
汗のにじむ手のひらをこっそり握りしめる。
こんな経験のある大人は、きっとたくさんいると思う。



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ヒラリーとライス




現時点で、アメリカでもし女性の大統領が誕生するとしたら、
まちがいなくこの二人のどちらかになるだろう。

アメリカの国家権力に近しい位置で活躍を続ける
二人の女性を対比し、そのキャリアや素顔を著した本。

ヒラリー・クリントン。言わずと知れた元大統領夫人である。
こんなジョークがあるらしい。

夫人とドライブをしていたクリントン元大統領。彼女が学生時
代に交際していた男性が、ガソリンスタンドで働いているのを
見つけます。

夫「もし君が彼と付き合っていたら、
  君はガソリンスタンドの店員の女房だよ。」
妻「いえ。もし私が彼と付き合っていたら、
  彼が大統領になったわ。」

とはいえ、ヒラリーという人は意外と不器用な人間のようだ。

アメリカの中流家庭に生まれ、
お嬢さん学校と言われる女子大に入学する。
女性ばかりの環境の中で、おしゃもせず、
議論を戦わせることに熱中する日々。

クリントンと出会ってプロポーズされるものの、
決断まで二年の月日を要している。

結婚してからは政治家としての彼をサポートし続けた。
自分は高収入の弁護士としての仕事があるにも関わらず、
夫を助けることに全力を費やした。

彼女は、人付き合いが下手で
敵を作ってしまう不用意さがあるるが、
一度親しくなった人とは長く付き合いが続くようだ。

おせっかいだが情にもろく、
困っている人をほっておけない面がある。

一方コンドリーザ・ライスという人にはこんな一面がある。

ハリケーンが南部を襲ったとき、
彼女はNYのフェラがモで買物をしていた。
居合わせた人に
「こんなところで買物なんてしていていいの?」
と言われたそうだ。

差別の厳しい地域で生まれ育ったライス。
彼女の両親は、彼女に
「差別されないように、白人の2倍優秀でありなさい。」と
教えたそうだ。

父も母も教育者であり、
勉強に熱心だったライスは15歳でデンバー大学に入学する。

19歳で卒業、ノートルダム大学に留学し、
26歳でデンバー大学の助教授に就任。
31歳で国防総省に出向し、36歳で大学の事務局長になる。

彼女は常に、目上の人間から「引っ張り上げられて」
キャリアを積む。
努力を重ね、じっとチャンスを待ち、
チャンスが来たときには全力で自分をアピールする。
そんな様子が見て取れる。

ヒラリーが泥臭く選挙戦をゼロから戦ってきた様子と比べると、
優雅にすら思えるライスの人生である。

ヒラリーが情熱あふれる政治家であるとしたら、
ライスは冷静で有能な能吏。そんな書き方もされている。

仕事をしている女性にはぜひおすすめの一冊。
どちらの努力にも、悩みにも共感できる。
文章も平易、読みやすいのもいい。



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2007年11月20日

そうだ、葉っぱを売ろう!




横石氏が上勝町に
営農指導員として赴任したのが1979年。

それから28年。山奥の過疎の町が、
生き生きとよみがえる様子を描いたノンフィクション。

上勝町では、つまものの栽培、出荷が大きな産業になっている。
つまものとは、料理のそばにのせられる植物のこと。
菊の花や南天など、食べられはしないけれど、
季節感を感じさせてくれる添え物だ。

上勝町は、横石氏が赴任した当時過疎が進み、
村の人たちには仕事がなかった。
みかんの栽培が主な仕事だったけれど、
その収穫は一年に一度しかない。

ひまなので男性は酒を飲み、
女性は日がな人の悪口を言っているという状態。

そんな中、大寒波が訪れて頼みの綱のみかんが全滅してしまう。

これが上勝町の転換点になった。

横石氏は、にらやほうれん草などの
高地向けの野菜の栽培を提案した。

みかんと違い、短期間で収入になる作物の導入で
横石氏は村の人たちの信頼を得る。

横石氏はそれに満足しない。
なんとか、村のお年寄り、
特に女性が働ける仕事を見つけたいと考える。

あるとき、寿司屋で若い女性が
つまもののもみじを大事そうに
ハンカチに包んでいたのを見て気がつく。

そうだ、葉っぱを売ろう。

最初はたった四人で葉っぱの採集を始めた。

自然のままにと出荷していたのだが、
料亭ではきれいで大きさのそろったものが
求められていることを知る。

給料を1円も家に入れず、
自腹で料亭をまわって食べ歩いたというのだから、
著者の執念もすごい。

地道な努力の甲斐があって、上勝町の
「道端で生えている葉っぱ」は高い値段で売れ始める。

この本を読んで思うことは、
人間というのはいくつでも忙しいのが幸せだということ。

高齢者をホームにいれ、
何もしなくていいというのは間違っていると思う。

上勝町のお年寄りは、パソコンで市況を調べて
明日出荷する商品を調整する。
売上と順位が毎日更新されるのが刺激になっている。

上勝町には年収1000万円を稼ぎ出す農家もできた。
家を改装し、村を出た息子や孫夫婦を呼び戻すこともできる。

村は新築の家が建ち、
若者がそこで家庭を持つことができるようになった。

今、地方の空洞化や少子化問題なんかが叫ばれているけれど、
見事な解決の手本がこの本にはある。

自分で立つこと、
自分で稼ぐことの感動っていうのはやっぱりいい!

誰かに補助金をもらっていても解決にはならないんだ。

カバーのおばあちゃんの笑顔がいい。
読んだら元気になれる。そんな一冊。




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