平日日刊話題の本の情報をお届けします。
自己啓発、料理、動物、経済、趣味のコレクション、
一緒に本を楽しみましょ♪
2007年07月21日
著者の方はパチスロ漫画家さんだそうです。
すみません、パチンコ系はぜんぜんやらないので、
知りませんでした。
さて、その漫画家さんが、あらゆる出会い、
結婚サービスに突撃取材している漫画エッセイ。
過去にDV男との結婚未遂事件があり、
ストーカーに追いかけられたことがあり、
口説かれる男性はほぼ妻帯者という男運のない著者。
企画が持ちこまれたとき、最初は断ったものの、
担当者の、
「いい出会いがあればそのままつきあっちゃてください」
という一言で引き受けることに。
切羽詰ってますから、ということで、
「全力モードで」取材しています。
最初はNOZZE。(ノッツェ)
会員登録制の、巨大結婚サイト。
支店で入会登録をして、写真や動画をアップ。
あとはパソコンや携帯で自分に合った相手を探す。
基本的には自分で連絡して会うんだって。
身元のしっかりしてる人がたくさん集まる、
というのが利点みたい。
PURE-iというサイトは、
理想の相手が見つかる日本最大のコミュニティーサイト。
自分の情報を登録して、メッセージを待ったり、送ったりします。
最初、趣味は読書とゲーム、
相手にのぞむことはお互い支えあうこと、と
まじめに書いたときはメールが1通しかこなかった。
次に、趣味はお菓子作り、自己PRは人見知りする性格ですと
プロフィールを改める。
(詐欺だよ!)
「その人」には合計22通のメールが来て、
厳しい現実を思い知らされる。
ともあれ、出会いを真剣に求める人が多くて、
安心のサイトだと結論しています。
それからどんどん方向がずれて、
メイド喫茶でメイドさんの一日体験。
かわいい服を着て、
奉仕の精神でお仕事するのは案外と楽しいものみたいだ。
もちろん、ここでの収穫はなし。
ネットゲームでやっぱりストーカーに追いかけられたり、
出張ホストのやさしさに思わず
すがってしまいそうになったりするけど、
結婚の種はどうなった…?
会社、サービスの実名が挙がってるので、
気になる方はチェックしてみてください。
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世間話、時事ネタ系
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2007年07月05日
夕張の総合病院が財政破綻した。
その病院では、准看護婦、検査技師、事務職員の給与水準は
全国のそれよりも高かった。
また、医師よりも給料の高い准看護婦もいたという。
別に、能力によるものならなんの問題もない。
問題なのは、公務員だからという理由で
平均以上の給与を与えていたことだ。経営は赤字である。
このように、日本の医療の問題点をつぎつぎと告発し、
解決策を提示している本です。
入院はできればしないほうがいいと著者は言います。
病院にはたくさんの菌がいて、
中には抗生物質が効かないような進化を遂げた菌もいる。
病院に長く滞在するのは、
病気になる可能性を高めるだけだそうです。
また、医療ミスも頻発している。
中には、患者が吸引している加湿器に
アルコールを入れて中毒死させるという
単純でおそろしい事件もおきている。
日本の医師たちは、学閥などの身内意識で
お互いにミスを公表しようとしない。
患者としては泣き寝入りするしかない現状もあるという。
薬の飲みすぎもだめ。
基本的には人間の体に備わっている自然治癒力を信じて、
たばこをやめ、運動をすることで治癒する症状も多い。
少子化の日本で、産婦人科と小児科の医師が
減っているということも書いてありました。
医師の数が少なくなると、
必然的に一人の医師にかかる負担が大きくなる。
休みもなく、お産は安全なのが当然と思われている現代に、
ミスをすると訴訟沙汰になる。
リスクだけが大きく感じられて、
産婦人科の医師が地域の病院から姿を消しているのだそうだ。
妊婦さんも、地域の病院ではなく総合病院に通う傾向があって、
いざ、総合病院の施設が必要な難しい症状の患者さんを
受け入れることができなくなることもあるという。
患者の側にも問題はあるってことだな。
医療費も高騰し、今まで受けられたサービスが削られる現代、
貧乏人のとれる対策として、
・プライベートな付き合いができる医師を見つけておく
・普段から予防摂生を心がける
・自分の病気や医療に関する情報を集めておく
などの事柄が挙げられています。
貧乏ならば情報で勝負、と書いてあったので、
素直に情報を集めてみようかと思う私です。
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世間話、時事ネタ系
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2007年06月29日
新書。
ワーキングプアの定義は、働いていながら、
生活保護を受けるよりも低い収入で暮らしている人のこと。
たとえば、東京23区では生活保護の収入が約194万円なので、
年収200万円以下の場合、この定義に当てはまる。
その人口は2005年で540万人。
以後、その数は上昇し続けている。
事実を述べている本で、「希望格差社会」などと比べて、
考察、提言などの著者の意見は少ない。
しかし、各章の終わりに、
実際のワーキングプアの人たちのインタビューが載っていて、
その現実を見せ付けられるだけに薄ら寒い本でもある。
このワーキングプア、イメージからすると
若年層のイメージがあるが、
中高年でこの収入の人たちは案外と多いのだという。
リストラ、事業の失敗などがあると、
年齢の高い人たちは以前ほどの収入を得るのは
ほとんど不可能といってよい。
まして、その年齢層の人たちは、ローン、
子供の教育費など、出費も多い。
低賃金の仕事をたくさん掛け持ちしながら、
生活するだけで精一杯という世帯が増えている。
一方若年層も、決して恵まれているわけではない。
企業は正社員の雇用を減らし、
派遣社員などの非正規雇用の社員の数を増やそうとしている。
これは、ニートやフリーターの増加などの背景となっている。
正社員の生涯賃金が、男性の場合は2億円であるのに対し、
非正規雇用の社員は6000万円と、大幅な開きがある。
そんな社会に対する著者の提言は、
・非正社員から正社員になれる道を増やすべき。
・消費税のアップは、ワーキングプア世帯の生活をまともに
直撃するのでやるべきではない。
・最低賃金の見直し
である。
まあ、こういうことは、
新聞やネットの記事なんかでだいたいわかる。
しかし、この本の価値はそこではない。
先ほど述べた、各章の終わりのインタビュー記事が
なかなかこう、ぐっと現実を突きつけられてくるのだ。
私が印象的だったのは、あるSEだった男性の話。
IT業界が好景気だった頃、
SEの仕事は契約社員のほうが報酬がよかった。
それが、不景気になったときに
真っ先に雇用をなくしたのは契約社員。
家賃の高いマンションを追い出され、ホームレスになった。
SEの仕事にも復帰できず、
将来が不安なままである、というもの。
この人、決して能力がなかったわけではない。
何か特別悪いことをしたわけでもない。
ふとした拍子に、ワーキングプアになる可能性って
誰でもあるんだ、と思わされます。
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世間話、時事ネタ系
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2007年06月28日
何にでもマニアっているもんだ。
つくづく感心させられる一冊。
北尾トロといえば、オンライン古本屋の草分け的存在である。
(と私は思っている。)
今ではたくさんあるインターネット上の古本屋さんだが、
この人が最初に始めたんじゃないかな?
とにかく、オンライン古本屋の黎明期に、
本を出したりして有名になったのは事実だ。
その古本屋さんが趣味として何をやっているかというと、
裁判の傍聴。
なかなか一般人には思いつかない趣味である。
趣味、というと御幣があるかもしれないが、
本当に興味本位でいろんな裁判を傍聴している。
強盗あり、殺人あり、DVあり、詐欺、麻薬取引あり。
ドラマみたいなことが現実に起きていて、
それが裁かれる人間観察のもってこいの場である、
といわれれば確かに納得もする。
マスコミでも話題になった、
女性が幼女を殺害した事件では、
被告女性の涙ながらの反省に思わず共感してしまう著者。
しかし、いつもこの裁判を傍聴しているほかのマニアいわく、
彼女はいつもこういった主張を繰り返しており、
その過剰なヒロインぶりにはみんな飽き飽きしてるのだという。
また、麻薬所持で捕まった男の裁判では、
妻が小さな子供を連れて証人席に立つ。
こちらも反省の弁を述べるが、
子供をつれていることで効果大。
その後、その夫婦が喫煙所で、
「まああんなもんでしょ」と笑っているのを著者は目にする。
印象的なエピソードは、
文庫版の表紙のイラストにもなっている事件。
早朝、スピードを出しすぎた車と、
信号無視のバイクが事故を起こした。
バイクの運転手は死亡。
車の運転手が被告となるわけだが、その男の答弁が、
なんというか、全く反省していないように見えるのだ。
自分だけが悪いんじゃない、という態度がみえる答弁だ。
しかも、その日、男が着ていた洋服に、
ドクロのマークが入っている。
こりゃあだめだ。
よりによって、なんでドクロなんだ。
閉廷後、被告が、被害者の両親の元へやってきて
「すみません」と頭を下げたのを著者は見た。
悪いやつじゃないんだけど、何かへたくそで不器用なんだな。
そんな印象を受ける。
裁判での人間模様もおかしいが、
傍聴している人間にも面白い人たちがいっぱいいる。
もう長年傍聴席に通っているマニアの方は結構いるそうだ。
裁判の日程表をパソコンで作っちゃった人、
裁判官の顔写真一覧を、
テレビ画像から集めてプリントアウトしてくる人。
その情熱はどこから来るんだろうか。
面白い本だが、あんまり笑えないを事件
笑っちゃってる姿勢には少しついていけない部分がある。
特に私は女性なので、
痴漢などの性犯罪の裁判を、「大変面白いみもの」として
書いているのはあまり気分がよくなかった。
とはいえ、知らない世界をのぞいてみる面白さはなかなか。
裁判所がちょっと身近に感じられます。
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世間話、時事ネタ系
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2007年06月17日
表紙が倉田真由美さんのイラストなので、
興味を持ったんだけど、倉田さんはあんまり関係がなかった。
それでも面白かったです。
ひきこもり=悪いこと、という深刻ぶった内容でないのがいい。
明るいひきこもりライフと、リスク、メリット、
ひきこもったまま生活していく方法を紹介してくれている。
それにしても副題がすごいなあ。
「働いたら負けかなと思ってる。」
某巨大掲示板(2ちゃんねるでしょ)で
話題になった言葉らしいんだけど。はあ、負けかあ。
確かに、働いても「希望に格差」がある今の世の中じゃあ、
それもあながち間違いではないのかも、なんて納得もする。
さて、ひきこもりが今、世間では問題視されているが、
ある意味ひきこもりはセレブと紙一重ではある。
また、スローライフの実践者と言えなくもない。
それに、外出しないと何もできない以前と違って、
インターネットが発達した今では、
部屋の中でも快適な生活を送ることは可能である。
通販で買物もできる。在宅医療といって、
ネットで医師に相談できるシステムもあるそうです。
納税も、ネットでできますしね。
そして、ネットがつながっていれば、
外に出なくても稼ぐ方法もある。
ひきこもりだからといって、
お小遣いくらいは自分で稼げちゃう世の中なのだ。
ゲーム制作、小説などのクリエイト系。
デイトレード。占い、
コーチングなどのカウンセリングビジネス。
アフィリエイト。
ちょっと変わったところでは出会い系サイトのサクラなど、
一通りのところは紹介されている。
稼ぐだけではなく、以下に生活コストを下げるかも大事。
節約方法も書いてあって、蛍光灯はこれがいいだとか、
簡単な料理の仕方だとか、
お湯は電気ポットより鍋で沸かすほうがいいだとか、
なかなか細かい。
ひきこもりを弱い人間のすること、悪いこと、おかしなこと、
そう考えて切り捨ててしまうことは
もうできないことだと私は思う、
本にもあるけど、
「人と違うことをするにはそれなりの理由がある」のだ。
ひきこもりを両手挙げて賛成しているわけでもないけど、
決して否定ばかりしているわけでもない。
そんなスタンスの本です。
後半には、ひきこもりを社会復帰させるための
支援団体の方のインタビューなども載っています。
願わくば、そういう失敗も許される
「美しい国」であってほしいなあ。日本は。
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世間話、時事ネタ系
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2007年06月13日
コンビニに行ったら、
なんだか薄っぺらいペットボトルが出ているので驚いた。
なんでもかばんの中に入れても邪魔にならないタイプらしい。
便利だし、ペットボトルはリサイクルできるんだからいいなあ。
そう思っていたのだが、実際にはそうではないらしい。
日本では、収集されたペットボトルは資源にはならず、
ゴミとして処分されてしまうことが多い、
とこの本には書いてある。
世間一般で言われている、環境問題の常識をひっくり返す
アンチテーゼを述べた一冊。
話題の本なので、ざっと内容をご紹介。
ペットボトルはその手軽さから利用量が年々増えているが、
リサイクル率は低い。
ペットボトルに使われているプラスチックは、
良質なものではなく、
溶かしての再利用には向いていないそうだ。
再利用しても、透明できれいなペットボトルは作れないんだとか。
多少傷やヨゴレがあっても気にしないヨーロッパ人と違って、
清潔志向の高い日本では、
曇ったペットボトルなんてクレーム対象になるに決まってる。
それに、再利用するためには電力などの資源が、
新しく作るの比べて7倍も必要になるそうだ。
よって、収集されたペットボトルは大半がゴミになる。
また、最近ダイオキシンという言葉をよくきくが、
あれは大して毒性の高いものではないんだそうだ。
ダイオキシンは、ものを燃やすと出る物質で、
大昔から自然界に存在する物質。
まるで、恐ろしい化学物質のような書き方を
新聞はしているけど、
専門家の間ではそれが無害であることは常識、とある。
燃やすと出るダイオキシンが有害なら、
焼き鳥屋のおじさんはどうなるんだい?なんて
ちょっと飛躍しすぎな論もあるが、納得もできてしまう。
以前、ダイオキシンが検出されたほうれん草を作ってる農家が
大変なダメージを受けたことがあったけど、
あれは「無実」だったと本には書いてある。
私が一番自分のばかさ加減を思い知ったのはこのくだり。
温度が上がると両極の氷が解けて海面が上がる。
そう信じていたのだが、実際には違うというのも
科学界では常識らしい。
だって、考えてみたらそうですよね。
北極は、大陸ではなく巨大な氷。
水に浮かぶ氷がとけたところでその表面の水位は変わらない。
「アルキメデスの法則」、習ったはずでした。
南極にしても、数度温度が上がったところで、
その寒さに変わりはなく、
水蒸気になった水が再度凍るので、
むしろ氷の量は増えるんだって。
海面が上がるとしたら、水の膨張によるものでしょう、
と著者は言う。
環境問題の常識に反論を加えているが、かといって、
資源を無駄にしても大丈夫!という本ではない。
リサイクルという名の下に、多くの予算を組み、
リサイクル利権にたかる人たちや、
正しい報道をしないマスコミに警鐘を鳴らしています。
個人的には、分別のために大変な思いをしている
女性の記述が非常に興味深かったです。
指定ゴミ袋の導入で、
今までゴミ袋として利用されていたレジ袋がゴミになったって、
まさに私も実感しています。
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世間話、時事ネタ系
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2007年06月03日
エアギタージャパンは、2005年6月に
エアギター・ワールドチャンピオンシップと正式契約した、
日本で唯一のエアギター公式団体です。
そのエアギタージャパン編集の、
おそらく日本でエアギターに冠する一番詳しい情報を載せた本。
面白すぎ。
写真が充実しているので、
読み終わる頃には即席エアギタリストになれそうです。
まず基本姿勢。
ロック、ジャスなど音楽ジャンルによって
ギターの持ち方が違うので要注意。
演奏前、ギターを首にかけるところから
パフォーマンスは始まっています。
これもしっかりチェックして。
コードの押さえ方、指使い、表情など
基本的なテクニックを押さえたら、
次はいかに格好よく見えるかの上級テクニックが
学べるようになっています。
右手を風車のようにまわす風車弾き、
ヴァン・ヘイレンのようなジャンプ、
ひざ付きソロの写真、見てるだけで笑えます。
他にも、腰を落として片足を上げた状態で後ろ向きに歩く
ダックウォーク、
背中で弾く背中弾きなど、
ああ、どこかで見たことあるというようなギター演奏テクが、
「ギターなしで」まじめに解説されている。
私が知ってるエアギタリストといえば、
お笑い芸人のダイノジの方と、
サラリーマン風の男の人くらいです。
でも、エアギター人口は確実に増えているようで、
「日本のエアギターシーンをリードする」
エアギタリストの方たちが何人も紹介されています。
肩書きが、日本大会2位とか4位とかあって、
知らないところで競争が行われてるんだなあと
改めて感心してしまう。
あと、エアギターQ&Aがあって、
キアヌ・リーブスがエアギターファンだとか、
エアギター世界大会に行く渡航費用はエアギタージャパンが
出してくれるだとか、
知ってるとお得(?)な情報も。
国際認定ルール、エアギター検定5級の試験問題、
おまけにDVDまでついてくるかなりコアな一冊。
週末、新しい自分を発見してみませんか?
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世間話、時事ネタ系
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2007年05月15日
以前に池上彰さんの
「そうだったのか!アメリカ」という本を読んで以来、
この人の本を手に取るようになりました。
数字、グラフが多く、まとめ方がうまいのか、とてもわかりやすい。
今回は、新聞やテレビでいわれている常識の真偽を確かめます。
日本は本当に格差社会なのか?
本当に少子化が進んでいるのか?
国の借金は各国に比べて大きいのか?
数字、グラフを多用して本当の日本の姿を浮かび上がらせます。
ひとつの問題に対して、○、△、×で
わかりやすく答えをくれています。
では、はたして日本は本当に格差社会なのか?
これは△。
今まで日本ではお金持ちが
クローズアップされることが少なかった。
しかし、今までも実は日本には大きな格差があった。
そして今後とも格差は広がる可能性が高い。
それに関連して、日本人の貯蓄についても述べられています。
日本は10年前までは世界に冠たる貯蓄好きな国民だった。
でも今は、貯蓄率は大幅にダウンしている。
よくいわれる、日本人は貯蓄好きという常識は×。
老後に貯蓄がないとなると、頼りになるのは年金ですが、
日本の年金って世界的に見てどうなの?
日本の年金は安いという常識、判定は△。
厚生年金や共済年金は世界的に見ても決して低い額ではない。
しかし、国民年金では生活ができる金額にはならず、
低い額といえるのだそうだ。
じゃあ、国の社会保障制度に頼れるかというと、
国家の財政もなかなか厳しいものがあるらしい。
日本の財政赤字は多いほう?という問には×。
「多い」なんて生易しいものではなく、「多すぎる」。
ちなみに、日本の財政状況は、ヨーロッパの共通通貨、
ユーロの参加基準には満たないものだそうです。
他にも、日本の投票率は低すぎる→○
日本人は働きすぎ→△
欧米に比べると離婚率は低い→×
など、常識と思っていたものの真実の姿が見えてくる。
へえ、なんて感心しながら読めて、
かつちょっと賢くなった気がする、なかなかいい一冊です。
若い社会人の方なんかにはちょうどいいかも。
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世間話、時事ネタ系
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もともと手つかずの荒地と
森が広がるだけだった江戸の土地。
そこを徳川家康は首都としました。
その際に、大阪から商人を連れてきて都を拓いたそうです。
建築資材の手配や職人たちの管理など、
すべて商人たちが行いました。
そして、幕府は謀反を起こさないという約束を取り付けた上で
町人の自治権を認めました。
町の管理は自分たちで行う。
そのために、町人たちはいろいろな知恵をこらします。
自身番制度なるものを設け、
パトロールをしたりして治安を維持していたそうです。
そんな江戸の町には日本中からいろいろな人が集まります。
さまざまな文化の人たちが集まって、
うまくやっていくためにできたのが、この江戸しぐさ。
文字で書かれたものではない。
法律なんかではなくて、暗黙の了解もとで行われる約束。
これが自然にできない人は野暮、
田舎ものとしてばかにされたそうです。
たとえば、「こぶし腰浮かせ」。
みんなで座る席では、跡から来た人のために
こぶしひとつ分腰を浮かせてスペースを空けてやる。
電車の中でこんなことができたら粋ですね。
「肩引き」は、すれ違うとき肩を
少し後ろへ引いて互いにぶつからないようにすること。
「三脱の教え」、これは人に年齢、職業、地位を聞かないルール。
肩書きではなく、人柄で付き合おうという考えのようです。
商人たちの町である江戸では、悲観的な考えは野暮ってもの。
何事も「陽にとらえて」こそ江戸っ子。
楽天主義でピンチをチャンスに変えるのも立派な江戸しぐさです。
「傘かしげ」。雨の日、傘をさしたまま人とすれ違うとき。
すっと傘を人のいないほうに傾けるしぐさのことを言います。
すれ違う人が濡れないための思いやりのしぐさです。
他にも、知らない人でもちょっと挨拶をしようという
「束の間のつきあい」、
つべこべ言う前におやんなさい、という「即実行」、
相手の時間を大事にする「時泥棒をしない」など、
はっとさせられる知恵が多い。
口頭で伝えられるものなので、
このままでは江戸しぐさが廃れてしまうのではないか。
そんな思いで書かれた本だそうです。
日本人であることの美しさ、誇りは、
こういうことから取り戻せるような気がする、そんな一冊。
ビジネスマンの方にもおすすめ。
下手なビジネス書より深いですよ。
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2007年05月02日
狼のガブと山羊のメイの友情を描いた
「あらしのよるに」。
大ヒットして、映画にもなりました。
その作者が書く、ヒットするお話の作り方。
人をひきつける話の作り方にコツってあるのかな?と思って
読みましたが、
内容としてはこの作家さんの
創作の裏話という感じの一冊でした。
実際にヒットした作品の著者なので、
きむらさんの創作の秘密イコールミリオンセラーのつくりかた、ということでしょうか。
さて、それではきむらさんはどんな風に作品を作っているのか。
ヒットする商品としない商品の差は、
実はほんのちょっとでしかない。
そのほんのちょっとを意識すること。
(この「ちょっと」の中身を知りたいんだけど、
これに関しては記述がなかったように思います。残念。)
それから、常にアンテナを張っていること。
生活の中で気になることがあったら、
必ずメモをとるようにしているそうです。
あらしのよるにも、ちょっとしたメモが、
一年、二年とたつうちに少しずつたまり、
最終的にあのお話になったとか。
メモを取るのは、日常生活を客観的な視点から見直し、
人間の本質的な部分を見つけた時。
この時の客観的な視点に、
きむらさんは「日常プリズム」という名前をつけています。
大事なのは色気。
なにより楽しい、心地いいという味が大事。
普段の生活の中から、視点を変えてテーマ
(描きたい人間の本質)をすくい取り、
物語として成り立つように肉付けしていく。
こういうことでしょうか。
あらしのよるには、
実際に著者が漫画を読んでいてひらめいたそうです。
読者だけが秘密を知っていてはらはらする展開。
主人公の一方は狼。
暗闇で天敵と出会うが、それと気付かない。
こんな思い付きを書いたメモを、
「狼と山羊の話」という封筒に入れ続けた。
そして、それがたまったとき、
自然に物語ができたのだそうです。
あらしのよるには、ガブがメイを助けるために狼と格闘して
雪山に消えるシーンでいったんは終了します。
そのあと、ハッピーエンドの巻が新しく出るんですが、
その誕生秘話なんかも載っていて、
きむらゆういちファンの方にはおもしろい一冊になっています。
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ちょっと前に話題になりました。
石原真理子さんの自叙伝。
いろいろな男性との恋愛と中心に書かれていますので、
ざくっと書き出してみます。
小さい頃から容姿で目立つことが多かった彼女。
見られることが苦手で、
男の子のような服装をよくしていたそうです。
男性からアプローチされ、デートをするが、
別に断る理由もないから、というのが彼女の姿勢。
基本的にこの姿勢は人生をとおして変わっていないみたい。
翔んだカップルで女優デビュー。
その後、時系列がばらばらで、
恋愛関係にあった男性との思い出が語られる。
中井貴一とは女優になって間もない頃。
とてもまじめで、
古風な女性が好きな彼とは仕事が忙しくなって自然消滅。
その後、ふぞろいな林檎たちの撮影中には
時任三郎ともお付き合いがあったそうです。
玉置浩二と知り合ったのは19歳のとき。
彼からアプローチがあったそうです。
恋愛関係をはじめたものの、彼は既婚者。
そのことは著者は全く知りもせず、
疑いもしなかったようです。
彼は女性に暴力を振るう、いわゆるDV男。
階段から落ちて怪我をしたというニュースがあったそうですが、
それは実際には彼に殴られたものだそうです。
入院するほどなんてそりゃあすごいな。
二人で心中しようと、ホテルのシーツに
「二人はこれで一生一緒です」なんて書いちゃうところ、
若いなあ。
玉置浩二と別れたきっかけは、人前で殴られたこと。
その後、明石家さんま、石黒賢、吉川晃司。
有名人との恋愛を重ねます。
日本に居づらくなって、アメリカへ渡る。
そこで年下のアメリカ人男性を結婚するが、すぐに破局。
日本に戻ってきたのは、
芸能界の風通しがずいぶんとよくなったと
感じたからだそうです。
恋愛とか、裏話とか、
彼女の若い時代には考えられないくらい
オープンに話ができるのを、
いいことと感じているようです。
うーん。すごい。
これだけ恋愛の数をこなしているのに、
まったく何も残してない風なのがすごい。
第一、お付き合いがあっただけで
恋愛とよべるのかどうかすらわからん浅さが
なんとも言えずすごい、というのが正直な感想。
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2007年04月27日
以前にご紹介した、
希望格差社会のその後の社会考察をまとめた、新平等社会。
なんだかこっちのほうが希望が持てるタイトルですが、
さてその内容は。
この本のキーワードは、
「希望」と「ニューエコノミー」ではないかと思っています。
著者は、収入の格差ではなく、
社会に希望の格差が広がることこそを危惧している。
将来に希望が持てなくなる人間が増えることが、
不安定な社会を作ると繰り返し述べている。
まず、これまでの日本の社会を俯瞰してみる。
戦後の高度成長期から1990年代前半までを、
努力保証社会という。
努力が報われた社会だというのだ。
それが、1990年代の後半から社会生活分野の多くの指標が悪化。
自殺率、生活保護世帯、子供の就学支援の上昇。
ニート、引きこもりの問題化、窃盗事件の増加。
その後、将来に希望が持てない人、
持てる人の格差が広がる希望格差社会の到来。
これは前作に詳しいので、
ご興味のある方はどうぞご覧になってみてください。
しかしこの格差が広がったのは、小泉政権のせいではなく、
世界的な流れで止められないものであるという。
生産性の高い少数の仕事と、それに従事する少数の人、
生産性の低い多数の単純作業と、
それに従事せざるを得ない多数の人。
これが、世界に席巻するニューエコノミーを形成する
経済のあり方だと著者は説いています。
それでは、そんな社会でどうやって
絶望の広がる国にしないでいられるか。
対応策も述べられています。
フリーターなどの生産性の低い仕事への就労期間が
なるべく短くなるような支援。
(正社員への昇進など)
日本では、一度正社員のルートから外れると復帰が絶望的。
これをもっと改善するべきである。
また、フリーターであっても昇進、
仕事の充実感を得られるような仕組みづくり。
社会保障制度を改革する。
たとえば、今の年金制度は、正社員として収入が増える人生を
モデルにして作られている。
それを、一律の負担額にし、払える人は多く払い、
その分後にたくさんもらえるポイント制度を導入する。
希望を持てなくなる人が増えると、社会が不安定になる。
そうならないための対策を採ることは、
経済的にもプラスになることだ。
日本が今まで安全な国であったのは、
みんなに希望があったからなのかな。
やけっぱちな人が増えることが決していいことじゃないくらい、
経済にうとい私でもわかる。
年収100万円で楽しく過ごそう、なんて本を書く人がいるが、
それは自分がそうならないから書けるのだ、と
著者は喝破している。
全く同感。
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2007年04月24日
右のページに世界地図が載っていて、
めくっていくごとに赤くなっていく。
これは、1950年から2100年までの地球の図で、
気温の変化を色であらわしたものです。
1ページめくるごとに3年経過するようになっている。
1950年はほとんど赤いところがなく、緑と青の、
おなじみの地球の姿である。
2007年現在も、北極と南極からヨーロッパまでが赤いものの、
赤道付近ではまだまだ緑のところが多い。
しかし、2030年くらいから、世界全体が赤い色で染まっている。
北極で+12度前後、
赤道付近でも+5度くらい高くなると予測されている。
ひゃあ、暑い夏が苦手な私。
こんなに暑くなってしまったら
いったいどうすればいいんだろう。
環境を考える人たちの間で、目安となっている数字が、
表題の+2度という数字です。
これは、気候ターゲットと呼ばれる数字で、
「工業化以前と比較して気温の上昇が2度を超えると、
地球規模で気候リスクが急激に高くなるという研究をもとに、
平均気温の上昇を抑える長期目標としてEUが定めた数字」だ。
このまま何の対策もなされないと
2026年から2060年に2度を突破するのだそうだ。
この本では、全体を3部に分け、
1部でこれまでの環境に対する取り組みをまとめている。
2部では、気温が上がったことでもたらされる衝撃。
災害、異常現象の増加、
両極の氷がとけることによって生じる洪水、
マラリア病の蔓延など。
また、映画「デイ・アフター・トゥモロー」で描かれた、
大洪水が北半球を襲うという話も
あながち絵空事ではないらしい。
どう考えても楽しい未来ではなさそうですね。
3部で、それを食い止めるためのさまざまな動きが
紹介されています。
植物からプラスチックを精製すること、
洪水、治水対策を行うこと、脱車社会、などだ。
こういう本を読んでいると、もうどうせいまさら、とか
私一人が、なんて思ってしまうけど、
最後に書かれていることが少しは救いになりそうだ。
2005年以降で、二酸化炭素の排出量が減少しない、
もしくは増え続ける場合には、確実に+2度は突破する。
しかし、取り組みによっては
その確率は10%から50%減少するんだそうです。
その確率を、高いとみるか、低いとみるか、ですね。
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2007年04月23日
日本でも大ヒットした映画、
ダ・ヴィンチ・コード。
小説もよく売れましたねえ。
トンデモ本を面白おかしく解説し、
そのうそを暴くと学会が、
今回はダ・ヴィンチ・コードを徹底解剖している。
まず、最後の晩餐については、
小説の中ではペテロがマリアをナイフで脅していると
解釈されている、不自然な手。
しかし、キリストが「この中に裏切り者がいる」と言い、
怒ったペテロが後ろ手にナイフをつかみ、
立ち上がるとこの体勢になるという。
実際私も目の前のボールペンを握ってみましたが、
不自然ではなかったです。
この本で一番面白かったのはシオン修道会成立の経緯。
十字軍に起源を持ち、テンプル騎士団とも
かかわりを持っていたというシオン修道会。
レオナルド・ダ・ヴィンチが総長として名を連ね、
他にもニュートン、ユゴー、他誰だっけ?
とにかく有名な人たちの名前が列挙されている。
しかし、それ自体がある一人の人物の妄想だったというのだ。
その人物とはピエール・プランタール。
プランタールは、結社を作るのが好きな人物で、
いろいろ結社を作ってはつぶしていたらしい。
このシオン修道会も、もともと4人で発足した会で、
その会報では、低家賃住宅を守るために
地元の不動産屋と交渉をしている様子が書かれているそうだ。
1956年に正式に結社として届出がされている。
例の名だたる総長たちもプランタールの創作で、
それは秘密文書というタイトルの文書で、
フランスの国立図書館で誰でも閲覧できる。
秘密だから秘密文書なんじゃなく、タイトルが秘密文書って!
ダ・ヴィンチ・コード自体は、
フランスで大ヒットしたオカルト本、
「レンヌ・ル・シャトーの謎」という本の
ほぼ丸写しであるということです。
あの小説の罪なところは、巻末の対談でも書かれているが、
「芸術作品、建築物、文書、秘密儀式に関する記述はすべて
事実に基づいている」
なんて一文を入れちゃったところだと思う。
それにしても、プランタール氏は、
生きていたら悔しがっただろうな。
ダン・ブラウンに印税の半分よこせと言う権利が、
彼にはありそうだ。
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2007年04月21日
昨日まで濃い話題ばかりですみません。
今日はその分、さわやかにすすめたいと思います。
ハンカチ王子こと斎藤佑樹さんのご両親が書いた、
祐樹くんの成長物語。
まあ、文章は平易。もしかしたら書いたのじゃなくて、
インタビューをまとめたものじゃないかなと思う。
読みやすい。
ただ、お父さんとお母さんが交互に書いているので、
あれ、どっちの目線だ?と時々混乱してしまう。
佑樹という名前は、人に頼られる、
しっかりした子になってほしいという
願いをこめているそうです。
それで、佑という字はにんべんの入ったものにしたんだとか。
お父さんも野球をされていたそうで、
野球を通じて人間関係を学んで欲しいと、
お兄さんと一緒に野球をはじめることになります。
けっこうスパルタなお父さんで、
練習をさぼっている二人の野球道具を
庭に捨てたこともあるそうです。
祐樹くんは、小さい頃から体を動かすのが好きな子で、
しょっちゅう怪我をしていた。それも大きな事故ではなく、
生傷がたえないというわんぱくな子だったらしい。
お母さんいわく、同じことをさせても、
祐樹くんのほうが飲み込みは早かったみたい。
もちろん、陰で練習もしていたのでしょうが。
この家族がいいな、と思うところは、
夕食はかならず家族四人でとることにしていた、
というところ。
お父さんの帰りが遅くなって、
九時くらいになっても子供たちは夕食を待っていた。
怒るときも、なぜ怒るのか、
きちんと説明をしていたといいます。
家族でコミュニケーションをとることを
ちゃんとしてるってすごくいいことだと思うな。
佑樹くんが早稲田実業に入学し、
お兄ちゃんと一緒に東京で暮らし始めます。
学校の食堂があるんだけど、
野球部の一年生は使ってはいけないことになっていた。
そのため、ろくな食事もとれずに困ったことになる。
それでも、きちんと学校と話し合って
問題を解決するお母さん。
学校側も、話し合いに応じてくれるんだな。
普通の強豪校だったら、
規則を頭ごなしに押し付けるだけだと思うんだけど、
こういう学校に行けてよかったと言っています。
斎藤投手がインタビューで、みんなのおかげで、
というのはこういう環境があってのことなんだろうな。
ただ、もうちょっと、勝負の世界で生きる人としては
アクがあってもいいと思うないものねだりな私でした。
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2007年04月19日
本を読むことは生活の一部であって、
食べることと同じ。
趣味なんていえるなまやさしいものではないんだ。
これが、タイトルの「シュミじゃないんだ」の意味。
直木賞作家である三浦しをんさんの読書録。
といっても、お利口な本をすすめているわけではなく、
この本ではいわゆるBL(ボーイズラブ)といわれる、
男性同士の恋愛を描いたマンガをひたすら論じている。
いやあ、それにしてもすごいなあ。
この人どれだけマンガ読んでるんだ?
膨大な読書量の中から、テーマにあった作家、
作品を紹介してくれている。
BLマンガというと、どうしても過激な性描写に目がいきがち。
おい、こんなの読んでいいのかよ、と
突っ込みたくなる絵柄の本がたくさんある。
しかし、しをんさんが求めるのはそんなエロ描写ではない。
そこに描かれている人間関係、
恋愛心理こそが彼女の欲しているものだ。
ジェラールとジャックという作品で、
トラウマを負った男と
貴族の少年の純愛を描いたよしながふみ。
どこかへ帰ること、帰属する場所をテーマに描き続ける
語シスコ。
友情と愛情の微妙なゆれを描く山田ユギ。
女の子の目線を通して、恋を失うつらさを語る紺野けい子。
BLというジャンルの中で、これこそは!という作品を
列挙してくれているので、
しをんさんの説明に惹かれたら、
(そして、男性同士の恋愛に嫌悪感がなければ)
読んでみる価値大。
それにしても、さすが、というのは権威に負けているようで
情けないのだが、さすが直木賞作家。
作品に対する考察と、それをミーハーな口調でありながら
丁寧に語る文章には感心させられる。
馳星周がデビュー前に書いていた
「バンドーに訊け!」という書評があるが、
それの中で、彼が自分が好きな本、
作品の傾向を一方向に定めていく様子がよくわかる。
救いのない暗黒の世界。
それを突きつめて、デビュー作の不夜城は誕生したのだそうだ。
本を読む、書評を書く、
好きな作品の傾向を知ることで創作へつながる。
作家誕生の裏をしりたければ、
案外書評本というのは面白いのかもしれないなあ。
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腐女子という言葉を聞いたことがありますか?
二次元、つまり漫画やアニメ(小説もかな?)に出てくる
登場人物に恋する女の子、ということのようです。
そしてさらに、登場人物でいろいろな妄想まで
ふくらませてしまう。
たいてい、登場人物の男性同士の恋愛感情、
そして肉体関係までを妄想してしまうのが一般的(?)。
テレビをみて、「テラモエス」「ギザモエス」などと口走る。
モエスは萌えす、テラ、ギザはそれを強調する修飾語だ。
そんな腐女子を彼女に持った男性の日常を漫画で描いた本が
評判を集めています。
朝日新聞の書評にも登場したそうです。
著者の彼女は筋金入りの腐女子。
普段はかわいい女の子の擬態をかぶっている。
ところが、興奮したり会社で疲れたりすると、
背中のチャックがあいて、801ちゃんが飛び出してくる。
緑色でふさふさ毛の生えた球体で、猫みたいな耳、
手が4本、足が2本。
ガンダムのハロに毛が生えて、
耳と手と足がついたような感じです。
801はやおいと読んでください。
やおいとは、女性読者のために創作された、
男性同性愛を題材にした漫画や小説などの俗称。
(ウィキペディアより)
彼氏もオタクなので、二人でアニメイトでデートもできる。
彼氏が電話に出ないと、「男の子」との浮気を疑ってしまう。
街中で指をからませる、いわゆる恋人つなぎで手をつないだら
思わず「バルス!」と口走ってしまう。
(天空の城ラピュタの中で主人公が使う滅びの呪文)
同人誌を売るコミケに出かけてみれば
ボーナスが飛ぶくらい同人誌を買いあさってくる。
そんな腐っている彼女ですが、
普段は801ちゃんを背中に隠し、普通のOLをしているらしい。
男性と違って、女性のオタクは
外見にも気を使うってことですな。
そんな801ちゃんたちを発見する方法。
「攻めの反対語は?」ときいてみる。
普通の答えは「守り。」腐女子は「受け」
なんでかって?怖くてこれ以上書けません…。
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2007年04月17日
オタリーマン。
オタクのサラリーマンのこと。
SE、彼女いない、少々オタクな男性の身辺雑記マンガ。
好評だそうですが、
共感できる男性が多いということでしょうか。
主人公よしたにさんは、SEで、
深夜3時に帰宅するようなハードな生活を送っている。
新品のクリップのぱちんという音が好きで、
なんとなくいじってしまう。
女性は苦手?なのか、彼女はいない。
女性社員と話をしていても、目を見てもらえない。
入社して、同期と仲良くなりたいのに、
話しかけることもできずに本なんて読んでしまっている。
せっかくの飲み会でも、話ができずにおろおろ、
盛り上がりの中に入れない。
「みんなが楽しまなくてもいいんじゃない?」なんて
言ってくれる女性もいたけど、
同期の飲み会には誘われない今日この頃。
休みの日には、家の中を片付けて、充実しつつも
ちょっと寂しく涙に暮れて眠りにつく。
秋葉原に出かけてみれば、楽しそうなカップルに
「こんなところに来るんじゃねえ!」と腹が立つ。
深夜の残業で、首からかけたカードを忘れてしまって、
ロックが解除できずに部屋に入れない。
年下の同僚が失敗して、「なんでなんですかね」と言われ、
「坊やだからさ」と返すが、後輩はきょとんとしている。
飲み屋では、「常識なんて必要ないんです。
偉い人にはそれがわからんのですよ」と、
ガンダムのせりふで息巻いてみる。
ダイエットしようと、弁当のご飯を小ライスにしてみても、
その日に限ってちょっと大盛りだ。
こういう人、いるなあ。
あんまりオタクって感じはしないけど、
人付き合いがあんまり上手じゃない人。
でも、私は会社に必ず一人はいる
こういう人がけっこう好きだけどな。
サラリーマン生活にちょっと疲れちゃったとき。
月曜の朝が重苦しく感じるとき。
手にとってみると癒される一冊。
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2007年04月13日
2007年問題。
団塊の世代が退職することに付随するさまざまな問題のこと。
人数が多く、日本を引っ張ってきた世代が
現役を離れるとどうなるか。
いくつかの側面から分析、予測した本。
箇条書きでポイントを紹介してみようと思います。
・団塊退職・人口減少がマクロ経済に及ぼす影響
2010年までは、団塊退職による経済効果は
プラスになると思われる。
企業の人件費の圧縮につながるし、
退職金というまとまったお金を手にした
シニア消費層が拡大することになる。
しかし、以降は消費減退、景気調整局面になる。
団塊ジュニアの住宅需要が落ち着き、
金利上昇の可能性が高いからだ。
・団塊退職・人口減少が促す企業改革
仕事のアウトソーシング化が進む。
より高収益の経営が求められ、
社員に求められる資質も変化する。
・団塊退職・人口減少で変わる消費構造
社会構造による高齢者への富の移転は止まらない。
高齢者の中でも経済的な格差は拡大する。
「若さ」と「費用対効果」を重視する、
新しいタイプのシニアマーケットが生まれる。
・団塊退職と金融ビジネス
今までのシニア層より、団塊の世代は投資ということに
違和感なく向き合える。
インターネットなどにもなじんでいる世代だ。
彼らに対し、適正なアドバイスができるサービスが必要である。
また、家を担保にしてお金を貸す
リバースモーゲージにも注目が集まる。
これは、亡くなった時、もしくは必要でなくなったときに
家を売るという条件でお金を貸してくれるシステム。
子供に不動産を残そうという意思がない場合、
生前にお金を使いきることができるので、
これからの高齢化社会に必要とされるサービスである。
経済用語が多い。
それでも、これからの未来をのぞき見してるみたいで、
楽しく読めました。
できれば団塊ジュニアに焦点をあわせた経済本も読んでみたい
もんです。
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2007年04月04日
冒険に出る人というのは、
みんな夢と希望に燃えていて、
どんな苦難も気にしない、強い強い人、
というイメージがあります。
永瀬さんは、リヤカーに荷物を積んで徒歩で
いろいろなところを旅しています。
その永瀬さんの南米横断記。
アフリカを横断したころは、定職もなく独身だった彼。
今回は、結婚もし、講師の職も得ています。
だがしかし、冒険に出たい思いは募り、
奥様もそれを笑顔で送り出します。
そこでまた田吾作4号という名前のリヤカーと一緒に南米へ。
永瀬さん、自分から旅に出たはずなのに、
旅のはじめから家族が恋しくて仕方がない。
おまけにリヤカーを引いて歩くつらさに
うんざりしたりもしている。
複雑な思いを引きずって、
ベネズエラのプエルトラクルスから旅をスタート。
続く坂道に苦しみ、トラックがばんばん走る横を
リヤカーを引いて歩き続ける。
現地に住む日本人との交流、
つらくなったら子供の歌っていた歌を口ずさみながら
ひたすら歩く。
南米を歩いている間、彼を苦しめるのが虫。
しょっちゅういろいろなところを刺されて、
うんざりしてしまいます。
ベネズエラからギアナ高地を横断し、ブラジルへ。
インディオ居住区では徒歩で横断する許可が下りず、
仕方なく車で横断します。
「このままマナウスまで連れて行ってもらいたい、
車を降りたくない」という思いがわいてくる。
マナウスからは、肉食獣オンサが出るという理由で、
またまた徒歩でいくのをとめられる。
ボリビアでは人懐こい子供たちに癒され、
アルゼンチンでは車優先の社会に辟易する。
一歩ずつ、一歩ずつ歩いていこう
ゆっくりゆっくり 歩いていこう
こう口ずさみながら、約9ヶ月の旅。
さまざまな苦難があり、人とのふれあいがあり、
また常にくじけそうな彼の心境がつづられている本。
こんなに苦しくて、なんで旅に出るんだろう。
苦しい苦しい記録の中から、
旅に憑かれた人間の病のようなものを感じる。
あこがれるものの、私には到底無理だと思う。
だからこそ、たまに読みたくなるんだな、こういう本。
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