平日日刊話題の本の情報をお届けします。
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一緒に本を楽しみましょ♪
2007年06月06日
アメリカに経済学ブームを
巻き起こした本、と説明にある。
世の中で起こる事象を、経済学的な観点から説明した本。
社会学?と思うような事柄も多い。
目の付け所がいい。
相撲の力士と八百長の可能性。
ヤクの売人はなぜママと団地に住んでるの?
中絶率と犯罪率の関係は?
こんな、ちょっとダークな事柄に、
この経済学者は目をつけて研究する。
さて、いろいろなテーマの中から面白かったのをひとつご紹介。
不動産屋さんとク・クラックス・クランは同じ、というもの。
ク・クラックス・クラン(以下KKK)は、
アメリカの白人男性の結社。
白い頭巾と衣装で、
アフリカ系アメリカ人をリンチにかける、
というイメージのあるあの集団です。
実際にはそれほど暴力的な組織ではなく、
白人以外の人種を嫌いな白人男性の、
いわば「秘密クラブ」のようなものであった。
それを取材し、明らかにした
ジャーナリストの話が書かれている。
彼はKKKに潜入し、といっても、
入団するには15ドルほど支払って
例の衣装を購入するくらい。
KKKは暴力沙汰とは程遠く、
実際には大人の男が集まって秘密の言葉で話し合ったり、
儀式をして楽しむ「オタク集団」だったのです。
彼はその秘密の言葉を、
なんとアニメ番組のスーパーマンの製作スタッフに教えます。
自分たちの「秘密基地での儀式」がアニメになって、
全国で暴露されてから、KKKは脱退者が続出。
カッコイイと思ってやってたことが、
子供たちにまねされるようになってしまうと、
とたんにカッコワルク思えてしまったわけですね。
情報を独占し、出し惜しみするという点で、
KKKと不動産屋は同じ商売の仕方をしている。
売り手の情報、買い手の情報を管理することで
商売が成り立つ不動産業。
これが消費者同士で情報を共有されてしまうと、
不動産屋さんの商売は成り立たなくなる、という理論。
お勉強になる本ではない。読み物として、楽しく読める一冊。
世の中を、ちょっと違った視点で見てみようという方、
ぜひどうぞ。
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2006年12月21日
「欧米の戦争・戦略関係の大学、
陸軍士官学校などでは必ず文献リストのトップに挙げられる名著」
(アマゾンの読者レビューより)
翻訳本としては長い間絶版状態が続いていました。
内容も深く、また読み応えあり、
文庫にしては飛びぬけて高い値段ですが、
それだけの価値のある一冊です。
戦争というと、どうしても戦車とか、戦闘機とか、
兵士の勇敢さがクローズアップされがちです。
でも、それらをスムーズに機能させるのは、兵站、
つまり「軍隊を動かし、かつ軍隊に補給する実際的方法」
がうまくいくのが最低条件。
16世紀からノルマンディー上陸作戦まで、
ヨーロッパで行われた軍事活動を、補給の面から分析しています。
16世紀のヨーロッパの軍隊は、ものすごい大集団だったんですって。
家のない人たちの集まりで、
兵士、兵士の家族、召使、商人などが集団で動いていた。
オランダのある伯爵には、942台の荷馬車をつれて、
そのうち129台が、幕僚とその荷物だったのだとか。
なんだかのんびりしてますな。
その当時、補給部隊などを軍隊が持つことはなく、
基本的にはその場で調達するのが常。
だから、集団である軍隊が一箇所にとどまることができず、
食料と馬のえさを求めて、
戦場を移動するのが当時の軍隊行動の基本だったんだって。
それにしても、この馬のえさというのがクセモノらしいですね。
たくさん食べるし、集団だし、なくてはならないし。
そんな中で、ナポレオンは軍需品や、
食料の倉庫をつくり、輸送隊を作った。
ただ、道路事情の悪さから、効果は今ひとつなかったみたい。
ナポレオンのロシア遠征の失敗はロシアの冬の寒さのせいと
世界史の授業では習いましたが、
実際には、
・ロシアの道路事情の悪さ
・物資輸送路としてあてにしていた川が浅すぎて、
補給がうまくいかなかった
など、補給面での失敗もあるようです。
でも、実際には現地調達がうまくいって、
それほど飢えはなかったみたいですが。
20世紀にはヒットラーがロシアに遠征していますが、
彼もロシアの道路事情には苦労させられたらしい。
ヒットラーの時代には、軍隊に自動車が登場しますが、
・タイヤが足りなかったこと
・ロシアで現地調達したガソリンが、
ドイツ軍の自動車には適さず、精製施設がさらに必要だったこと
上記の点で、自動車を生かしきれたとは言いがたいそうです。
戦争っていうのはつくづく、大規模な消費活動なんだと
実感させられる。
素人の私が読んでも、何の役にも立たないし、
理解もできてはいないと思うけど、大変知的で、
飽きない一冊でした。
お正月の長期休暇に、少し時間のある方はいかがでしょうか。
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出典がはっきりしなくて申し訳ないですが、
「ヨーロッパの道徳教育の基本はキリスト教。
日本では、それにあたるのは武士道である」
みたいな話を聞いたことがあります。
ブッシュ氏は、演説でしょっちゅう神という言葉を使うし、
昨日見たサッカーの試合でも、
選手は自然に十字架をきっている。
キリスト教圏の人たちにとって、
キリスト教の教えは日常に溶けこんでいるんですね。
この本の帯に、
「『ダ・ヴィンチ・コード』『十戒』『インディ・ジョーンズ』。
あの言葉も、こんな事実も聖書がルーツだった!」
という言葉があって、これで強烈に興味がわいたんです。
確かに、映画を観ていても、本を読んでいても、
キリスト教が背骨にない人間には理解しがたい部分というのはある。
それは、キリスト教を背骨に持った人が創ったものだからなんだろうな、
というのはうすうすわかってた。
いつか聖書を読んでみたいと思ってたものの、
できなかった私にはすごく面白かった一冊。
項目ごとに分かれていて、ちょっとした辞典みたいなので、
気軽に読めるのもよし。
聖書で出てくる地名、有名なところも解説あり。
イエスが生まれたナザレ、
ノアの箱舟がたどり着いたアララト山、
エルサレムの丘のひとつで、
イスラエルの王ダビデが他民族から奪った土地、シオン。
ちなみに、その後、シオンとはエルサレム全体を指すようになり、
イスラエルの民に与えられた土地という意味になったのだとか。
また、
モーゼが海を割った十戒の有名なシーンや、
湖の上を歩いたり、水をワインに変えたキリストの奇跡も、
「聖書のハイライト」として説明されている。
ダ・ヴィンチ・コードで、
ヒロインが水の上を歩こうとするシーンがあるけど、これが由来なのね。
また、今日一般的に言われていることと聖書の実際と違う点も
いくつか書かれています。
モーゼが、十戒という映画で海を二つに割りますが、
これは実際には「葦の原」だったんだそうです。
うーん、ちょっと迫力がないなあ。
まが、イブが食べたのは、
別にりんごとは聖書には書かれていないんだとか。
「食べてはいけないもの」というのが、聖書の言葉だそうです。
知ってたら、きっと映画や旅行が楽しくなる。
そんな知識がたくさんの本でした。
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2006年12月08日
ママチャリに乗って、
縄文地図を片手に東京をまわる。
東京にお住まいの方には面白い一冊ではないでしょうか。
アースダイバーというのは、ネイティブアメリカンの神話のこと。
まだ陸地がなかった時、一羽のカイツブリが水底に潜った。
必死の思いで泥をすくって持ってきて陸地を作った、というもの。
東京が、
古代からの無意識の上に成り立っている都市であるとする著者は、
自分がアースダイバーになろうと決意する。
東京という海の底の、無意識という泥をすくい上げたのが
この本ということでしょうか。
縄文時代は、今よりも地球より高温で、
海面も100mくらい高かったそうです。
そこで、東京を
・洪積層 縄文時代から陸地だったところ。
・沖積層 縄文時代は海だったところ。
に分けます。
沖積層である、湿り気を帯びた地帯というのは、
人間の情欲が集まりやすい。
新宿は、見事に乾燥地帯と湿地帯が入り組んでいる。
乾燥地帯には大きくて華やかなデパートが並び、
歌舞伎町のような湿地帯には、
人間の肉体を商品とするような店が並んでいる。
面白かったのは東京タワーについての考察。
東京タワーは、縄文時代以来の死者の王国であった。
(根拠を示すものがないので、ちょっと戸惑うんだけど。)
まあ、とにかく、東京大空襲があったし、
東京タワーの周りには墓地がたくさんある。
タワーを作っている鉄も、
朝鮮戦争で使用された戦車をつぶしたものだそうです。
エッフェル塔が、天と地を結ぶ橋だとすると、
東京タワーは、ギリシア神話の死の神、タナトスの塔だといえる。
縄文時代から人は、岬を神聖視していた。
今、テレビ局などの電波塔が立っているのは、
ほとんどがその岬の跡だ。
大学は、権力から自由であった場所、
すなわち死に関係がある場所に作られている。
巻末にアースダイバーマップ(縄文時代の海と陸の図)つき。
歴史関連の本かと思って楽しみに読み始めたんですが、
私にはちょっときつかった。
あんまり事例がはっきりしないのと、
著者の方の思索がどんどん飛んでいくので。
哲学は今ひとつ、な方は、
巻末の地図だけを眺めているだけの方がよさそう。
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2006年12月07日
蟹工船ってネットで調べてみたら、
東京にこの名前のカニ料理屋さんがあるみたいですね。
オーナーさんはこの小説読んだのかしら?
私は、蟹工船を思い浮かべたら、
座敷で優雅にカニ料理なんて気分にはどうしてもなれないけどなあ。
さて、どこが話題の本なんだ?なんて怒られてしまいそうだけど、
本日はプロレタリア文学の名著、蟹工船をご紹介です。
この小説が、今、漫画になって売れています。
私は新聞広告で見たんだけど、なぜ今?と思ってしまいました。
ご存知の方が多いとは思いますが、
一応簡単に蟹工船のあらすじをご紹介。
時代は昭和初期。大日本帝国だったころの話です。
北はオホーツク海で蟹漁をする漁船、博光丸。
ぼろぼろの船の中で、猟師の男たちが蟹をとり、
缶詰に加工する仕事をしている。
監督は猟師たちを人間とも思っておらず、
ひどい労働環境で働かせる。
それは仕方のないこと。
最初はそう思っていた彼らだが、
仲間の学生の啓蒙によって労働環境の改善を求めるストを打つ。
しかし、帝国軍が船に乗り込み、
指導的立場にあった学生たちを逮捕していってしまう。
代表を立てたために、かえって弱点を教えてしまった。
今度は、首謀者なんていない。みんなが、闘う。
そうすれば、資本家も、みんなを逮捕なんてできないだろう…。
日本がまだ貧しく、目に見えて格差があった時代。
下のものは徹底的に搾取されていた時代。
そんな時代に生まれた共産主義文学ですが、
この蟹工船がいまだに人気があるのは
そんな主義主張だけではないと思います。
もう何年も昔に読んだ本ですが、
その情景がありありと今でも思い浮かぶ。
荒れた北の海、無骨で無邪気な猟師たち、
潮と汗で「すえたにおい」のする服。
なんつーか、リアル人間、リアル労働者が描かれていて、
決して明るい小説じゃないんだけど、
読んだあとに深く感動できる。
現代の小説にはない骨太さが人気の秘訣なんでしょうか。漫画の蟹工船はこちら↓
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2006年08月28日
やたらとマスコミに取り上げられるメイド喫茶。
入店すると「お帰りなさい」と迎えられるそうですね。
日本でメイドさんというと、なんだかちょっと、
不思議なイメージで、現在はとらえられるみたいですね。
こちらの本は、実際にヨーロッパに存在していた
「メイド」という職業を図解で説明してくれています。
歴史の資料集みたいで、ほんとうにまじめな内容なので、
誤解くださいませんよう。
メイドの成立とその時代背景から、服装、その仕事内容、
案外と細かいメイドの役職、メイドの歴史などなど、
一冊でヨーロッパの女性の労働の歴史がわかります。
メイドを使えるのは、大きな屋敷に住んでいる貴族。
貴族の女性というのは、何もしないのがステイタスなので、
家事一切を使用人の女性が行うのが普通だったそうです。
一日中おしゃれをして、パーティのことを考えてるのが
普通だったそうで、それはそれで大変そう。
また、貴族でない女性にとって、外で働く口といえば、
大きなお屋敷での使用人しか他に道がなかったそうです。
そして、現在のメイドのイメージが確立したのは、
イギリスのヴィクトリア朝時代。
貧富の差が激しくなり、また戦争もあって、
夫を亡くした女性が使用人として
働くことが多くなったのだとか。
ハウスキーパー、コック、洗濯女中、客間女中などの
役職が細かく分かれたのもこの時期のようです。
それにしても、雇用者と使用人は同じ人間としては扱われず、
待遇はあまりよくなかったみたいです。
そのため、産業革命後、工場で働く女性が出てくると、
「決まった時間仕事をして、お金をもらう」
女工をうらやんだメイドさんも多かったのだとか。
当時の住居、服装、文化、など。
とにかく、メイドに興味のある方にはおもしろい一冊。
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