2012年04月05日

視えるんです。 2 (幽BOOKS)








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2011年12月20日

花のズボラ飯








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2011年11月09日

平凡倶楽部








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2011年05月16日

テルマエ・ロマエ






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テルマエ・ロマエ  ヤマザキマリ
¥ 714  エンターブレイン (2009/11/26)

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映画化が決定している。お風呂を設計する技師さんが主人公とい
う、ユーモラスな発想が楽しいコミック。そしてその技師さんは、
なんと古代ローマ人なのである。

ローマ建国後800年の世界。五賢帝の一人、ハドリアヌス帝が治め
る世は泰平である。しかし浴場設計士のルシウスは浮かない顔で
通りを歩いていた。

今しがた、職を失ってしまったからだ。ルシウスの設計は古臭く、
大衆を惹きつけるものがないという。

落ち込むルシウスを、彫刻家の友人、マルクスが浴場に誘った。
古代ローマでも、風呂は民衆のリラックスアイテムであったよう
だ。

風俗がよく描写されている。この作者、ローマがすごく好きなん
だろうな。わかる。愛情にあふれている。

へらで垢すりをする人、菓子を売り歩く人、脇の処理までする人
がいて、ローマ時代の浴場は、なかなかにぎやかであった様子。

しかしルシウスの表情は晴れない。風呂とは安らぎの場であった
はずなのに。逃げるように湯に沈んだルシウスは、謎の水流にま
きこまれ、浮かび上がったところは現代日本の銭湯の浴槽だった。

辺りを見回して愕然とする。自分達とは違う、平たい顔の種族が
湯につかっている。ローマの教養人たるルシウスは、その平べっ
たい顔の民族を見て、奴隷であるようだと理解する。

ではここは奴隷たちの湯でるのか。しかしその割には、この風呂
にはローマにはありえない、高度な文明の影響が見て取れる。

まず驚いたのは銭湯の壁に描かれた富士山だった。ボンベイのヴェ
スビオス火山を模しているように見える。

また備品もすばらしいものだった。風呂桶、いす、洗面器。どれ
もローマにはない素材で作られている。

見ていると、親切な客が声をかけてきた。ともに脱衣場へ行くと、
さらなる驚愕がルシウスを襲うこととなった。奴隷のくせに。平
たい顔をしているくせに。あらゆる工夫が施されている。

映画のポスターに驚いた。このように、催し物を案内すればロー
マの民も喜ぶだろう。脱衣かごにも驚いた。服を入れるらしいと
理解する。これならローマの技術でも作れる。

だが、ルシウスは新たな問題に直面することになった。斬新なア
イディアは得た。問題は、どうやって古代ローマへ帰るのかだ。

頭を抱え込むルシウス。そこへ先の親切な客が、フルーツ牛乳を
持ってやってきた。警戒しながらも口に含んだルシウスは、その
甘美な味わいにまた驚き目を見張る……。


生真面目でプライドの高いルシウスが、日本の風呂に驚き、葛藤
するのがいちいち楽しい、面白い。もう笑いっぱなしでしたわ。

しかし感服するのは著者のオタクっぷりだ。現在は3巻まで発行さ
れているのだけど、風呂だけでよくこんなにネタが続くものだと
思う。

介護老人の風呂場に現れ、祭りの湯に現れ、湯治も経験し、温泉
場で射的まで楽しんだルシウス。彼を通して、日本の風呂を再発
見できる楽しみもある。もうひたすら面白い。











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2011年05月09日

なわばりちゃんお攻めなさい!







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なわばりちゃんお攻めなさい!  見ル野栄司
¥ 998  メディアファクトリー (2010/7/16)

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「のぼうの城」などを読んで、城攻めに興味を持たれた方はい
らっしゃらないだろうか。

なわばりちゃんはホットパンツが似合う、スタイル抜群の女の子。
居酒屋流鏑馬の店員だ。趣味はお城。攻略のシミュレーションを
考えるのが大好き。

漫画家の岬さん、めがね親父の安尾さんを巻き込んで、さまざま
なお城を落とすべく奮闘する。

実際に、登場人物がそのお城の中に入り、戦闘に巻き込まれた形
で解説がされるから面白い。こんな工夫があるんだ、こんな戦い
方があるんだと、ひたすらわくわくしながら読んだ。

ただなわばりちゃんは、天守閣のあるお城があまり好きではない
らしいんだ。天守閣がある城の攻略は、ラストの姫路城攻めのみ。

基本的には山城がメインだが、今ではほとんど残っていないこの
手の城が、これほどの知略に守られているのかと思うとこれも楽
しかった。

このたびは、箱根の旧跡、山中城の攻略の様子を簡単にご紹介し
てみたい。漫画家の岬さん、めがね親父の安尾さんとともに、な
わばりちゃんが箱根に出かけるところから始まる。

この折に、岬さんのみ、北条方の亡霊とともに城を守る側につい
てしまう。なわばりちゃんと安尾さんは徳川方。攻め手だ。

城は堀で守られている。北条の城に独特な、障子堀という堀が見
られる。格子状に掘られた堀で、一度落ちると這い上がることが
非常に難しかったそうだ。何とか登っても、そこを狙い撃ちされ
てしまう。

堀をはさんで、城からは弓、鉄砲の攻撃がある。徳川方(なわば
りちゃん)は竹束牛(たけたばうし、竹を束ねた盾を、車輪のつ
いた台車に乗せたもの)に隠れてお城に近づいてゆく。

なわばりちゃんは井楼を出した。あらかじめ組んでおいた高い台
を、堀のそばに立ててゆく。こうすることで、上から堀の向こう
の城の中を攻撃できるというわけだ。

同時に工兵も出動させた。堀を埋める作業をさせる。当然敵方は
工兵を狙ってくるのだから、援護することも忘れない。

堀が埋まる。障子堀にはしごがかけられる。弓、鉄砲で狙う小窓
には、長槍を差し込んで射撃を阻止する。あとはひたすら兵隊を
中に入れて、城本体を攻略するのみである。


見ル野栄司さんは「シブすぎ技術に男泣き!」の著者。製造業で
働いた経験がおありの方だ。お城攻略は、図面を見るような楽し
さがあるとおっしゃっている。

無骨なんだよね。なわばりちゃん、巨乳でホットパンツというい
でたちなのに、まーったくエロくない。絵も勢いはあるけど、
ちょっとごちゃごちゃしてるかな、とは感じた。

でも面白かった。今や公園や、旧跡として残るだけのお城が、こ
んなに面白いとは知らなかった。

姫路城攻略も、本当に面白かった。私など、遠足でよく行ったも
のだが、これほど恐ろしいお城であったとはね。感服ですわ。

合戦ものを読む一助には、たぶん、なる。











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2011年04月11日

あしたのジョー コンプリートブック







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あしたのジョー コンプリートブック  1週間編集部
¥ 1,890  講談社 (2010/2/11)

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TBSラジオウィークエンドシャッフル、シネマハスラーという番
組を聴いていたりするわけだ。

その番組の中で、映画「あしたのジョー」を評論するという企画
があった。井筒和幸映画監督も参加して、とかくボッコボコにこ
きおろすという内容だった。

映画そのものは私は観ていないから、何を言うつもりもないけれ
ど、井筒監督のこんな言葉が耳に残っている。

うろ覚えなので要旨のみ。「現代にも職がなく、やることがなく、
明日が見えない若者がいる。あしたのジョーはそんな若者が共感
できる内容だったはず。なんかやったろかなと、勇気づけられる
物語だったはずだ」

そうなのかもしれないな、と思った。底辺は今や文学上のファン
タジーではない。リアルにそこにある。そんな空気感を持つ物語
が「あしたのジョー」なのかと私は考えた。

未読なんである。私が生まれたときは、ジョーはリアルタイムで
はなかった。そんなこんなでこのコンプリートブックなるものを
しげしげと見つめたりしてみたのです。

キャラクター相関図、ストーリーダイジェストで物語が俯瞰でき
るようになっている。

トビラ絵コレクションもある。ジョーの世界の解説として、ドヤ
街、少年院の設定詳細も。ジョーの対戦相手、その試合内容のま
とめもされている。

ちばてつや先生による執筆当時のエピソードがあるので、少しご
紹介してみたい。

原作者の梶原一騎さんとは、家が近かったため、顔を合わせて話
し合いをした。梶原さんが示す世界には、ちば先生はかなり面食
らったようだ。ちば先生は少年院のことなど、考えたことがな
かった。

ちば先生は、乾物屋の紀子ちゃんに思い入れがあるみたいだ。ご
自身が下町の生まれだったので、生き生きと描くことができた。
ジョーとのデートの場面、あれは自分のために描いたような気が
している。

先生自身、一日一生というような濃い生き方をしていた。ジョー
と同じくらいに。だがあのデートを描くことができて、つかの間
の休息を得、ボクシングに再び打ち込むことができた。

二人は結ばれなかった。かわいそうだなと思う。だがキャラクター
たちは自然に動き出してしまう。「あしたのジョー」の世界で、
ジョーも紀子もちゃんと生きているんだ。ちば先生がしたことは、
彼らの後を追って日記をつけていたようなもの。

だから力石も死ぬのだと思った。

実は力石のあの減量は、最初の設定ミスが原因なのだという。力
石の初登場の場面で、ちば先生は力石の背を高くしすぎた。ジョー
との差が大きすぎた。そのせいで、力石は決死の減量をしなけれ
ばならなくなった。

だが描いていて、ないものを削ろうとするその姿勢に、先生は力
石は死に向かっていると悟った。テレビ局の人から、殺さないで
と言われたけれど、もうどうしようもなかった。


映画にからんで、俳優さんのファンの子向けの本かと思ったが、
そういう感じでもなかった。現実のボクサーさんたちのインタ
ビューもある。けっこう男性っぽいつくりだった。

こういうひりひりした物語は、今の時代にもマッチすると思うん
だけどな。映画ではその場面が削られていたようで残念。

コミックを読むしかないか。











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2011年04月07日

続・星守る犬



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続・星守る犬  村上 たかし
¥ 880  双葉社 (2011/3/16)

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二作目か。どんなもんかいとページを開いて、その場で号泣した
私。ええ、安い人間と笑ってちょーだい。自分でも呆れてます。

物語が二編。「星守る犬」の主人公犬、ハッピーの弟の物語がひ
とつ。偏屈で、貧しい老婆に拾われて……。

こちらはハッピーエンドなのでうれしい。

二本目。タイトルは「一等星」

ペットショップで売れ残ったパグが、物語の語り手となる。

「星守る犬」で、お父さんの財布を盗んで逃げた少年のその後が
描かれている。

彼は放置されていた。母親は男と遊ぶのが好きで、食べ物も置か
ずに、彼を独りぼっちにして家を出て行くのが常だった。

彼は決意する。少しの間、そばに置いて自分をかわいがってくれ
た、おじいちゃんに会いに行くことを。

北海道から届いたはがきを手に持って、少年は一人、ごみだらけ
の部屋を後にした。

金がないので食べ物は盗んだ。楽しそうな親子を眺めながら、一
人ぼっちで北へ向かって歩き続ける。

途中、白い犬を連れた男に出会った。万引きしようとしたところ
を止められたのだ。ハッピーを連れて南へ下る「星守る犬」のお
父さんだった。

車に乗せてもらい、ハッピーを抱いて寝る。だが目覚めると、
ハッピーはお父さんのそばで眠っていたのだった。自分が抱いて
寝たはずなのに。魔が差して、少年はお父さんの財布を奪って逃
げる。

汚れた身なりの子供が一人。歩いていては疑われるかもしれない。
少年はペットショップに入り、売れ残り、かごに入れられたいた
パグを抱えて外に出る。

あっけらかんとした犯行だった。店長も店員も、あまりのことに
見てみぬふりだ。パグは翌日、処分される身の上だったから、そ
れでもいいかと考えることにした。

少年はパグと旅をする。ヒッチハイクでトラックをつかまえ、と
うとうおじいちゃんの家へ。幸せだった。おじいちゃんとは数年
ぶりで、すっかり年老いていたけれど、やっと自分を大事にして
くれる人に会えた。

おじいちゃんの独白。パグだけが聞いている。「あの子には誰か
がずっとそばで、お前が一番だと言い続けてやらなきゃならん」
そのパグがそばにいたことが、幸運だったとおじいちゃんはつぶ
やく。

だが、少年が事情を話すとおじいちゃんは仰天した。食べ物を盗
み、金を奪い、おまけにパグまで「盗品」だった。

軽トラックに乗って、少年とおじいちゃんは謝罪の旅に出る。不
快な思いをすることもあった。だがペットショップでは。

パグを飼うことを許された少年。あとはハッピーを連れたあのお
父さんだけだ。だが会うことはかなわない。

立ちすくむ少年の前に、ハッピーの弟犬が現れる。


もうええで。号泣メーン!(意味不明)もうええってば、泣かさ
んといて!

「星守る犬」、映画にもなるそうだ。













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2010年10月18日

どうしても嫌いな人―すーちゃんの決心







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どうしても嫌いな人―すーちゃんの決心  益田 ミリ  
¥ 1,260   幻冬舎 (2010/08)

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「結婚しなくていいですか」の、すーちゃんの続編。

すーちゃんは36歳、独身一人暮らし。カフェの店長として働いて
いて、正社員、年収は320万円だ。

このたびはすーちゃんの従兄弟、30歳OLのあかねちゃんも登場す
る。二人の女性の日常を描きながら、その繊細な心理にじっくり
と迫っていく。

・すーちゃん

嫌いな人がいる。同僚、正社員の向井さんだ。向井さんの社長の
親戚で「気にするほどじゃないけどイラッとすること」を、実に
のんきに口にする。

客の悪口を言う。バイトの子のシフトに口出しをする。気にする
ほどのことじゃないんだけど、とすーちゃんは思う。

人を嫌いになるということは、たんすの裏にたまるホコリみたい
だ。そんなことも考える。小さなことが少しずつ、少しずつた
まって、掃除機で吸い込めないほどになってしまう。

仲のいいバイトの子だけに、特別な休みを認めてくれと向井さん
が言い出した。すーちゃんは当然、断る。一人だけ特例を認める
わけにはいかないだろう。

すると向井さんは「優等生〜」と、呆れたように口にして、「冗
談だよ」と言って逃げた。

確信犯だ。人が嫌がることを言って、反応すると「冗談」と言っ
てごまかそうとする。疲れる。嫌いな人でも好きにならなきゃい
けないと思う。…疲れる。

・あかねちゃん

会社に苦手な人がいる。四十歳なのに、未だにきゃぴきゃぴして
いる人だ。きれいな人だけど、「四十にしては」きれいなだけで
はないかと思う。

お客様に出したお茶の後始末をしない。二人しかいない女子社員
で、交互にやると決めているのに。パソコンの操作も覚える気な
んかまるでなくて、何度教えても「なるほど」と返事をする。
「ありがとう」とは決して言わない。

彼氏はいる。妹の結婚が決まったことだし、あかねちゃんもそろ
そろ明るい未来がほしい。

だけど最近、彼のいやなところが目に付くようになってきた。食
事をしたとき、お店の店員さんにえらそうにするところがイヤだ。

さりげなく諭しても「お金を払ってるのに、なぜ丁寧にしなきゃ
いけないのか」と、彼はどこ吹く風だ。

そんな彼だが、仙台への転勤が決まり、あかねちゃんについてき
てくれと言い出した。プロポーズだ。

うれしい。嫌いな人にも優しくなれる。でもそれでいいんだろう
か。

あかねちゃんは考えて、彼に「戻ってくるまで待つ」と返事をし
た。お店の人にもちゃんとしてほしいと、考えていることをきち
んと伝えた。

一方で、すーちゃんはお店をやめた。私は悪くない。逃げ場がな
い部屋にいちゃダメだと考えた。未来へ進む。


ちなみに夫はこの漫画を「まるで面白くない。何が言いたいのか
わからない」と言った。

逆に私には「わかるわかる」ということばかりだった。

本日のご紹介、男性の読者さんには大変申し訳ない、退屈本であ
るのかもしれない。

職場の人間関係にちょっとうんざりし始めた女性の方向け、かな。
解決法の提示があるわけじゃないけど、なんとなくほっとするよ
うな、そんな一冊。




夫はこの本をぱらりと見て、
「どうでもいいことばっかり、なにが面白いんだ?」と言った。

それって、私が映画・トランスフォーマーを見たときの感想に似てる。

わかんないかなあ。










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2010年09月21日

ハレハレなおくん






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ハレハレなおくん  ナカタニD.
¥ 600   竹書房 (2010/6/30)

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コミック。「お聞くさん」の著者が描く昭和40年代の神戸のお話。

主人公はなおくん。4歳の男の子だ。お父さんはいないが、優しい
お母さんと、楽しいおっちゃんたちがいつもそばにいる。

おっちゃんたちの背中には「模様」が描かれている。銭湯に連れ
て行ってもらったなおくんは、それが不思議で尋ねるが「強い男
の証だ」と言われて驚き、納得した。

では、強い男とは何なのか。ウルトラマンのように地球のみんな
を守ることができる男か? 

問うなおくんに、おっちゃんは答える。「大切な人を守り続ける
んは、地球の人みんなを守るくらい、難しいことなんやで」

大阪万博が始まる前の話らしい。インフルエンザが流行した冬に
は、予防策としてうがいが奨励された。近所のお姉さん、セー
ラー服に三つ編みのチコねーちゃんの指導の下、なおくんも早速
コップを手にがんばってみる。

水を含む。つい飲み込んでしまう。もう一度水を。今度はうがい
をして、しかしまた、飲み込んでしまう。業を煮やしたチコねー
ちゃんは、とうとう奥の手を出すことに。

幼稚園の先生が爪を赤く染めていた。格好良く思えたなおくんも、
お母さんにマニキュアをおねだりしてみる。

でも、お母さんが色を塗ったのは自分の爪だけ。怒ったなおくん、
薬箱を開けて「赤チン」の瓶を手に取った。怪我も治るしオシャ
レもできる。なおくんにとっては、赤チンがマニキュアの代わり。

チコねーちゃんにトランプゲームを教えてもらう。神経衰弱とい
う、同じカードを集める遊びだ。

「アホとかしこ(賢い)がわかるゲームや」とチコねーちゃんは
言う。しかしそのチコねーちゃんが、めくるカードを間違えてば
かり。

眠る前、お母さんが本を読んでくれる。なおくんはいつも「ふし
ぎやー」と思う。

不思議。お母さんが本を読んでくれると、天井の木目がお話の絵
に見えてくる。お母さんの声は魔法みたい。お母さんの声が大好
き。お母さんの声とこのタオルさえあれば…。

そこであわて始めるなおくん。なおくんはいつも、お気に入りの
タオルがないと眠れないのだ。なのにない。

大あわてのなおくんだが、お母さんはきょとんと奇妙な顔をして
いる。あんなボロボロのタオル、何がいいのかよくわからないと
お母さんは不思議がる。


私が生まれたのは、この時代のもう少し後になるわけだけど、し
かし奇妙に懐かしく思えることが多くてびっくりした。所詮、昭
和だったということだ。

うがいもよくしたし、赤チンは常備薬だった。神経衰弱でも遊ん
だし、男の子の色、女の子の色というものが明確に存在していた。

基本的に一話完結。6ページの短いお話だ。「おっちゃん」が焼
き鳥屋を開く話が続きものになっているが、これも一話一話、楽
しんで読むことができる。

昭和を懐かしみたい方へ。効くよー。







神戸、新開地というのが個人的にツボだった〜。




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2010年09月13日

あやしい取材に逝ってきました。






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あやしい取材に逝ってきました。  小沢 カオル
¥ 840   秋田書店 (2009/08)

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コミックエッセイ。とにかくすごかった。

行ってみたいけど行けない場所。見てみたいけど行きたくないと
ころ。そんな場所への体当たり取材をまとめたもの。

メイド喫茶、滝行(滝に打たれるあれ)、断食道場、廃墟めぐり、
前世療法、深海魚を食べる、霊媒師のお告げ、駄犬取材、自販機
グルメ、ラブドール108体と暮らす男性、昆虫料理、スネークセン
ター。どうです、面白そうだけど怖いでしょ。

まずは比較的安全そうなB級グルメ周りから。

お肉がたっぷりの肉丼、ホワイトソース、ミートソース、ウイン
ナー、カツ、エビ、コーンとトッピング満載のパスタ。これはま
だかわいかった。

ひどいのがデザート餃子なるものだ。チョコバナナ餃子は中の甘
さに対して皮の味が邪魔。りんご餃子に至っては「スラム街が口
に入った」ような味がしたのだそうだ。

強烈な味わいの後には断食へ。初日はビネガー酵母液と梅干だけ
しか口にできなかった。普段の不摂生がたたったか、吐き気を催
す「断食ショック」の症状が出た。

だが27時間後に食べた食事がおいしかったこと。味噌汁に粥、梅
干という簡素な食事だが、これが鼻血が出るほどおいしかった。
帰る頃には便秘、肌荒れもすっきりと。

そして著者は樹海へ出向く。廃墟に詳しい栗原亨さんが案内役と
なってくれた。雨の樹海でテントを張り、一夜をそこで過ごすこ
とに。

真っ暗闇を体験した。蛾が出るのが怖かった。遠くでパトカーの
音もする。恐れていると、テントにさまよいこんできた人影が
あった。

男性だ。二十歳。親友の彼女を好きになって失踪したというのだ
が、聞いてみるとこの失踪が四度目だという。パチスロにもは
まっちゃって辛い。無断欠勤したから仕事もクビかなと嘆きつつ、
国道への道を、彼は尋ねた。

服も食べ物ももらって、彼はスタッフに送られて車が通る道まで
戻っていった。なんとなく、あきれムードの一同ではあるが、笑
えるお話はここまで。

彼を送って探索に出る著者たち。溶岩の穴にはまったり、自殺者
の遺留品を見つけてしまったり。樹海の恐ろしさを目の当たりに
することに。

とうとう頭蓋骨まで発見してしまった。こういうとき、案内人の
栗原さんは必ず警察に通報することにしている。ちゃんと埋葬さ
れるべき人が、こんなところにいてはいけないと思う。

警察官に職業を聞かれ、素直に漫画家だと答えた。すると警察の
方は、こんなメッセージを漫画に描いてくれとおっしゃった。

「樹海へは人生をあきらめるためではなく、この美しい富士山を
見て、やり直す勇気をもらいに来てください」


樹海って、コンパスがきかなくなると聞いていたけど、それって
うそなんだってね。普通に使えるみたい。

それにしても、ここでご紹介するエピソード、どれを選ぶか迷い
に迷ってしまった。朝からお話しするのがためらわれるほど、と
にかくすごいのが多いんだよ。

どっしりと疲れはするが、ページをめくる手が止まらない。魅力
迫力ともに満載の本だった。














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2010年09月01日

うちのトコでは






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うちのトコでは  もぐら
¥ 1,365  飛鳥新社 (2010/1/23)

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擬人化というのが流行しているみたい。国を人に擬してあれこれ
萌えちゃう「ヘタリア」ってのも大人気だよね。

こちらは県を擬人化して、県民性をあれこれ解説したもの。

著者によると、県民性とは「○○県の人ってこうだよね」と言わ
れて、「一概にそうとは言えないよな」と思いつつも、ついその
期待に応じたくなってしまうもの、だそうだ。

「高知県の人ってお酒強いよね」と言われてつい飲み、「大阪の
人は面白いんだよね」と言われてついはしゃいでしまう。そんな
ことみたいだよ。

では、ネタをいくつか。

着物姿のかわいい女性に描かれている秋田県さんと山形県さん。
雪を見てはしゃいでいる。スーツ姿の東京さんが「雪など見慣れ
ているでしょう?」と尋ねると。

「真上からちらちら降ってくる雪は初めて」との返事。手元が見
えなくなるほどの豪雪が当たり前らしい。

黒髪、生真面目で人当たりのいい福島県さん。振り込め詐欺の電
話がかかってくる。「子供をはねちゃって、示談金がいる」

とたんに、福島県さんは鬼の形相になる。「福島に生まれたもん
なら、金で解決せず親御さんに土下座して謝れ。もし子供さんが
助からなかった場合には、一生償うか、切腹しろ」

金が惜しいわけではない。誠意ある態度で示せというのが福島県
さんのお考えであるようだ。

茨城県さんはメガネが素敵な知的な青年。彼にパソコン選びを手
伝ってもらう。茨城県さん、おもむろに「いばらぎ」と入力し、
変換キーを押す。

「茨城」とすぐに変換できるパソコンは悪いパソコン。正しい読
みは「いばらき」である。

四国四県の県民が並んでテレビを見ている。クイズ番組。四国の
シルエットが浮かび、「ここはどこ?」の問題が出される。

回答者、いさんで「オーストラリア!」愕然とする四国民だが、
「四国 オーストラリア 似てる」で検索すると8万件あまりの
ヒットがあるそうだ。皆そう思ってるってことよ。

全国統一模試。和服姿の島根県さんが挑む。「陰暦十月の名称を
答えよ」の問いに「神在月」と書いて不正解。十月は日本全国の
神様が集まるから、島根県以外の県では神無月。でも当の島根で
は逆なんだよね。

一本のバナナを「携帯電話です」と手渡す。アホの子みたいな大
阪さんはもちろん「もしもしー」とボケてくれる。賢い東京さん
は「それは携帯ではないです」と取り合わない。さて九州、姉御
肌の福岡県さんは「え、マジ? ハイテク型携帯?」とうっかり
信じてしまう。ほんと?

西郷隆盛風の顔立ち(というかそのまま)の鹿児島県さんは倒れ
るまで働く。死んでしまうと心配されると、「死ぬ前に倒れるか
らいい。それが鹿児島の合理性」と返す。

応じて、ちゃんちゃんこ姿の岩手県さん。「おらたちが倒れたら、
体力が回復する前に凍死すっべ。東北男子は残りの体力を計算し
つつ、こつこつやるのが当たり前。本気出すときは死ぬときだ」

黒目の大きなかわいい子、沖縄県さんは泳ぐのが嫌い。水着は恥
ずかしいし、学校にもプールがないそうだ。びっくり。

巻末に、四国と本州に架ける橋をめぐるドキュメンタリー風のス
トーリーマンガがある。それぞれの県の思惑など、マンガで読む
と面白かった。

主導したのは神戸だ。だが神戸の推す案は受け入れられなかった。
説得する高知県さん、坂本龍馬ばりのたんかが大変格好よろしい。

続いて阪神大震災のマンガもあったが、これは私は目を通しては
いない。読めなかった。

しかし著者も近県のご出身であるという。温かいお人柄は本書で
十分伺えたし、また勇気が出たらページを開いてみたいと思う。



いやあ、あれからもう15年、16年か。早いなあ。










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2010年08月25日

お聞くさん







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お聞くさん  ナカタニ D.
¥ 550  小学館 (2010/6/30)

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最近ちゃんと人の話を聞いているかなあ。そんな気持ちになった。

一話完結のコミック。お聞くさんというのは、浜田きくえさんと
いうご婦人の愛称だ。小柄なこの老婦人は、いろんな場所に現れ
て、いろんな人の話を聞く。

ただ、聞く。そうやって問題を解決していくのだが、この展開が
とっても、とっても心地よい。人の悩みなんて、実は誰かに聞い
てもらうだけで半ば解決したも同然なのではないか、と、少しだ
け考えた。

収録は9話。なんかなあ、全部いい話やったわ。

・ダブルバインドの犬

仕事をやめて母の介護をする男性。母は痴呆症を患っていた。仕
言をしていた頃は、きっちりと予定通りに物事を進めていくのが
好きだった。だが今はそうもいかない。

母は自分のことを忘れてしまったようだ。かつての面影はない。
つい苛立ち、彼は母を突き飛ばしてしまった。

犬の散歩の途中、出会ったお聞くさんに、愚痴をもらした。彼女
はにこやかな顔で立ち上がり、犬を呼び、棒を持って犬を脅した。

あなたのやっていることはこうではないの、と彼女は問う。認知
症の人間は、物事が把握できなくても空気を読む力はある。思い
通りに進めようというきつさが、母を混乱させていたのではない
か。

思い出されることがあった。子供の頃、熱を出して舌をかみそう
になる男性の口に、母は指を差し入れてくれた。母の手はバン
ソーコーだらけだった。あの優しい母のまなざし。

介護は母のためであるのか? 男性は問う。違う、と思った。あ
の優しかった母に、もう一度認めて褒めて欲しかったからだ。

・コンカツしない女

公園を走る男女。走ることで互いを分かり合うのだという。合コ
ンの代わりである。

覚めた目で見る女がいる。フリーライターの彼女は、恋人の男性
と二人で走りに来ていた。とはいえ、結婚の予定はない。

お聞くさんに、彼女は語る。彼女は母を名前で呼んでいた。甘え
られなかった。あるとき卵巣のう種という病気になって、彼女は
悔しそうに言った。

結婚しないと決めて、男並に働いてきた。なのに今さらなぜ、女
であることを突きつけられなければならないのか。

入院した彼女の代わりに、恋人の男性がお聞くさんのそばに座っ
たお聞くさんから彼女の母が自殺だったと聞き、衝撃を受ける。

母を否定し、結婚を否定していたが、本当は人に寄りかかるのが
苦手な女性だった。男性はそのことを知っていたから、無理に結
婚を求めはしなかった。ともに走り、寄り添うことで支えている
つもりだった。

彼女が今、求めているものは何か。考えた彼は、大切な母との思
い出を手に、病室の彼女を訪れる。


なんかさあ、これを書くために読み返してまた泣いたよ。きれい
にまとまっているし、ありがちなのかもしれないけど、こんなあ
りがちなら大歓迎だよ。

だいたいさ、私達の日常に、そう奇をてらったことが起こり得る
のだろうか。ささいな日常でもつれた糸を、お聞くさんはこれま
たささいな「聞く」という行為で解きほぐしてくれる。

ほかに、リストラにあった男性の話、妻に先立たれた夫の話、お
受験家族のお話などいろいろ。じんわり泣ける。












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2010年06月14日

エイキエイキのぶっちゃけ隊!!






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エイキエイキのぶっちゃけ隊!!   影木 栄貴
¥ 819   新書館 (2009/6/2)

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単純にミーハーな気持ちだけで読んでみた。

著者の影木栄貴さんは、歌手のDAIGOさんのお姉さん。つまり、
竹下元総理のお孫さんに当たる方だ。

漫画家をされているとは聞いていたけど、本を読むのは初めて。
家族のことを描いたエッセイ漫画だった。かわいらしい絵柄。

影木さんが元総理の孫として注目され始めたのは1998年。週刊
誌に記事が出たのがきっかけだ。

記者はなんと、元総理にじきじきに取材に赴いたのだと言う。
そして元総理も、アポなしだったのにも関わらず、記者を家に
あげて喜んで取材に応じたのだそうだ。孫がかわいかったんだ
ろうな。

しかし、影木さんは焦った。当時「世紀末プライムミニスター」
という恋愛漫画を連載していたからだ。内容はずばり、25歳の
若い総理大臣と女子高生の恋物語。政治ネタを描くのが怖く
なって、お話は方向転換を迫られることに。

さらに、影木さんがボーイズラブ漫画を描いていたことも、家
族の間で問題になった。影木さんって、もともとジャンプの漫
画の同人から、漫画家になった人らしいんだな。

公の場に出ていいものか、悩む影木さんだったが、彼女を支え
たのは末の弟、DAIGOさんの明るい笑顔だった。

DAIGOさんと影木さんは七つも年が離れている。もう一人、影
木さんの下にご長男がいらっしゃるそうだが、DAIGOさんは二人
の間にうまく入ってくることができなかった。

年上の二人が仲良くけんかしているのを、そばで恐ろしげに見
ているのが幼少の頃のDAIGOさんの姿だった。

そのせいなのかDAIGOさんは、おとなしい草食系男子に育った。
楽天的で物事を深く考えず、超ポジティブな性格なのだそうだ。

DAIGOさんはテレビでも、包み隠さずなんでも話してしまう。お
姉さんのことも、おじいさんのことも、常に自然体で話をする。

影木さんはずっと、竹下元総理の孫だと言われることがいや
だった。特別扱いされるような気がしていたからだ。

だがDAIGOさんは「売れたのはおじいちゃんのおかげ。おじい
ちゃんとのコラボです」と、まったく気負いもてらいもなく話す。
その姿に、影木さんはどこか吹っ切れた気がしたのだという。

竹下元総理は、お孫さんにとってとても優しい、いいおじい
ちゃんだった。日本のこともよく考えていて、帯状疱疹が出た
日にも、それを隠して外交の仕事に出かけていった。

おじいちゃんはがんばっていた。なのに、消費税が導入された
とき、ひどく批判されたのが苦しかった。

政治家が批難されるのは仕方がないこと。だけどその人たちも
人間で、家族がいることを忘れないようにしたい。大人になっ
た影木さんはそんなことを考える。


巻末にDAIGOさんとの対談。お姉ちゃんが(影木さんが)オタ
クで、延々とエヴァンフェリオンの歌を聴いているのが怖かっ
たとか、そんな話も。

二人とも、クリエイターとしてがんばっていきたいねというこ
とで、なんだか仲がよさそうなご兄弟でした。














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2010年05月16日

かわいいころを過ぎたら アン18歳






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かわいいころを過ぎたら アン18歳  青沼 貴子
¥ 998  メディアファクトリー (2009/9/16)

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子供が大人になる瞬間って、どんなときなんだろう。

大人気育児コミック、「ママはぽよぽよザウルスがお好き」の続
編。成長した子供を描いたもの。長男のリュウくんのバージョン
もあるが、今回は女の子、アンちゃんの物語をご紹介してみます。

アンちゃんは手のかからない子だった。お母さんは、待望の女の
子にたくさん夢を抱いていた。

このお母さん、けっこうミーハーなんだよね。イケメン映画は必
ず見るし、ジャニーズが大好きみたい。かわいい服が好きで、ア
ンちゃんにもフリルやお花がついた、かわいらしい服を着てほし
いと願っていた。

しかしアンちゃんは、お母さんとはまったく違う女性に育ってし
まった。

洋服はシンプルなものが好き。Tシャツと破れたジーンズを格好よ
く着こなす女の子になった。一緒に下着を買いに行っても、豹柄
とか、黒のセクシーなものばかりを選んでくる。お母さんは女の
子らしい、ロマンチックなものを身に着けてほしいのに。

アンちゃんは、エスカレーター式の女子高に通っている。友達も
多く、充実した高校生活を送っていたようだ。

しかしある日、アンちゃんが高校を辞めると言い出した。ダン
サーになりたいから、その練習に時間を費やしたいと言うのだ。

お母さんは戸惑った。アンちゃんは、ずっと「人と違ったこと」
をしたがらない子供だった。それなのに、突然人と違う道を行き
たいと言い出したのだ。

周りの人は大反対だったが、決意の固さに両親は折れた。アン
ちゃんは通信制の高校を卒業することを条件に、これまで通った
学校を退学することにした。

そして今、アンちゃんはダンス漬けの毎日を送っている。バイト
は週三日。月に一度、通信制の高校の登校日がある。そのほかは
毎日、ダンス、ダンス、ダンスだ。

衣装代もかかる。イベントに出るときは、出演料を支払わなけれ
ばならない。ギャラをもらえる立場ではないからだ。

おしゃれをするにも先立つものがない。服は古着屋さんでセール
品を探し、髪の毛は自分で染めて美容院代を浮かし、アンちゃん
は懸命にがんばっている。

とうとう、アンちゃんはダンス学校に就職することができた。ス
テージで踊るダンサーを目指しつつも、とりあえずは生活の糧を
得る方法を選んだらしい。通信制の高校も卒業して、アンちゃん
の夢はまだ始まったばかり。


子供なんて、親が思ったとおりの人生を歩むとは限らないんだな、
なんてしみじみ思った。

大人の私から見ると、アンちゃんの選択はとても厳しい、大変な
ものなのだと思う。高校くらいちゃんと出なさいと、私もきっと
同じように言ってしまうだろうな。

その是非はそれぞれ、さておいておくとして、親と別個の人格に
育っていく子供の姿を見るのがとても楽しかった。

子育て中のお父さん、お母さんに。












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2010年04月27日

コミック星新一―ショートショート招待席






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本日は ◆アイ ラブ コミック♪

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コミック星新一―ショートショート招待席  星 新一
¥ 590  秋田書店 (2008/10/10)

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子供の頃、近所のお姉さんにこの人の本をたくさんもらった。ど
れもすらすら読めて、とても楽しかった。

懐かしいショートショートが11編。漫画になっているので、活字
の嫌いな子供さんにもぜひおすすめしたい一冊。

おなじみのボッコちゃんも収録されている。

あるバーのカウンターにきれいな女の子が現れた。名前はボッコ
ちゃん。何を隠そうこのボッコちゃんは、マスターが作ったロ
ボットだったのだ。

会話は、客の問いかけをオウム返しに返すだけ。「彼氏はいるの?」
「いるのかしら?」「年はいくつ?」「いくつかしら?」

客にすすめられると酒も飲む。ロボットだから当然酔わず、その
クールさに人気はうなぎのぼりだった。

そんなボッコちゃんに、真剣に恋をした若者が一人。懸命に口説
くのだが、ボッコちゃんはつれない態度をとるばかり。

思い余った彼は、ボッコちゃんに毒入りの酒を飲ませてしまう。

ボッコちゃんが飲む酒は、マスターがあとから回収して、再び客
に出しているのだった。盛況になった店で、酒が切れたことに気
づいたマスターは、ボッコちゃんから毒入りの酒を回収し…。

生活維持省。これ、ある漫画との類似点が指摘されていましたね。

平和な社会。適度に人口が保たれ、人々は豊かさを享受している。
しかしその人口を維持するために、ある残酷な策略が用いられて
いたのだった。

生活維持賞の職員は、ランダムに選び出された人を安楽死させる。
仕方がないことだ。平和と繁栄のために、わがままは通らない。

ある日、仕事に出かけた職員はコンピューターが打ち出した紙を
見る。そこに書かれていたのは彼自身の名前。

午後の恐竜。

休日の一日、平和な町に恐竜が現れた。人々は混乱するが、それ
には手で触れることもできない。幻影だったのだ。

現れる恐竜たちは次々に進化を遂げている。幻影は氷河期を迎え、
やがて哺乳類の始祖も見られるようになった。

その日、原子力潜水艦が一隻、行方不明になっていた。もしそれ
が核攻撃をくわえれば、全世界を巻き込む戦争が勃発する。

死ぬ直前に、人はそれまでの記憶を走馬灯のように甦らせるとい
う。地球も同じ。恐竜の時代から人の進化へ。地球は、滅亡の寸
前に過去の記憶を思い出していたのだった。


最近、若い人、子供さんに、活字に親しんでほしいと思うように
なった。論理的な思考、客観的な視点、論述の方法。若い人には
こういうものを標準装備してほしいなあって、おばさんになった
私は、考えたりすることがあるんだ。

星新一さんの本は、活字に親しむ第一歩にはとてもいいと思う。
シニカルでユーモアがあり、奇想天外なアイディアに視野も広が
る。短くて楽しいのも素敵だよね。

その手引きとして、とっかかりとして、この本、おすすめなんだ
な。連休の間に、ご家族で楽しむにはちょうどいい手軽さです。












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2010年02月07日

築城せよ!







漫画続きで申し訳ないのだけど、
もうこれだけは許していただきたい。
昨年公開された映画をコミックにしたもの。

「築城せよ!」 この映画のことは気になっていた。
劇場でチラシを見つけたときから、
その発想の壮大さ、バカっぷりにくらくらきていたんだ。

この映画は、現代に甦った戦国武将が
段ボールで城を築くというものである。

段ボールで城! いいよねえ!

しかし、残念ながら、映画は劇場では観られないまま。
近所のゲオでも、DVDはいつも貸し出し中なんだ。

そんな中、見つけたのがこのコミックというわけ。
そりゃうれしかったんです。

舞台は愛知県の猿投という小さな町。
豊田市の近くにある、自然が豊かな町だ。

町では、空き地の利用について町民が意見を戦わせていた。

工場を誘致するという役場の意見と、
かつてあった城を再建したいという町民たちの願い。

ある日、その建設予定地で事故が起きた。
古井戸に、ホームレスの男性、大工の棟梁、市役所の職員が落ちてしまった。

市役所の職員は頼りない若者で、フラボンと呼ばれていた。
ふらふらしているボンボンだからだ。

しかし、なんとそのフラボンの体に、
戦国時代の武将の霊が乗り移ってしまう。
フラボンは、戦国大名恩大寺隼人祐になってしまったのだ。

隼人祐は、建設途中だった城の落城を目にすることなく
無念の死を遂げていた。
部下の裏切りにあって、自害する羽目に陥ったのだ。

隼人祐は言う。
なんとしても悲願を達成させたい。
城を築きたい。

これに、建築を学ぶ女子大生が協力することになった。
女子大生ナツキは、事故に遭った棟梁の娘なのだ。

棟梁も、隼人祐の部下の武将の霊に取り付かれている。
父を救うためにも、
ナツキは隼人祐の願いをかなえなければならなかった。

資材がない。時間がない。
ナツキたちは、ホームレスの知恵を借りて
段ボールで城を築くことにした。

町の人たちや学校の友達、教授、大工さんたちの力を借りて、
猿投の町に城が建つ。
段ボールの城が、天に向かって伸びていく。

しかし、工場誘致派の市の職員たちも黙ってはいない。
歴史ファンを呼び寄せて、城攻めのイベントを行おうと動き出す。

何も知らないファンの力を借りて、
段ボールの城をぶち壊そうというのだ。

落城の日は来た。

猿投に古くから伝わるお手玉を武器に、
歴史ファンたちと、城を守ろうとするナツキたちの戦いが始まる。

お手玉の攻撃に揺れる城。
隼人祐は天守閣に登る。
段ボールでできたしゃちほこをつけて、城を完成させるためだ。

登る太陽を背にしゃちほこを屋根につけ、
隼人祐の悲願は成就した。

崩れ落ちる城。戸惑うナツキ。

隼人祐は消えてしまった。
残されたフラボンは以前の通り。
頼りない表情できょろきょろと辺りを見渡している。


漫画自体には、ちょっと雑な印象があった。
絵はきれいだけど、話の展開がよくわからん箇所も。

でも、そんなことをぶっ飛ばす面白さがあった。
隼人祐と現代の人たちの感覚のずれ。
次第にひとつになっていく町の人たち。

すごく楽しい物語だった。

映画では、本当に段ボールで城を作ってしまったのだそうだ。
これも、観たい!












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2010年02月05日

臼井儀人傑作集スーパー主婦月美さん







コンビニで見つけたんだけど、もう見た瞬間に笑っちゃった。
この人なんで、こんなフツーの家庭を描くのがうまいんだろ。

クレヨンしんちゃんの作者、臼井儀人さんの四コマ漫画。

主人公は主婦の川越月美さん。
家族は、朝美ちゃん、星美ちゃんという女の子二人と
ご主人の日出夫さん。

昼寝中、夫が交通事故にあう夢を見た月美さん。
仕事中の夫に電話。

気になる、愛してるものと言いながら、
切る間際に「大根としょうゆ買ってきてね!」 
本当に愛されてるのかと嘆く夫。

月美さんは朝寝坊。パパの朝食はカップラーメン。
自分でお湯をそそぐのだ。

それではいかんと珍しく、月美さんが早くに起きてくる。
やっぱりラーメンにお湯を注ぐ妻に夫。
「明日からまた寝ていいよ」

若い、高校生に見えるとおだてられ、セーラー服を着る月美さん。
新聞のセールスにも、高校生のふりをして対応した。

通じた、と思ったところ、セールスマンがぽつり。
「頭変だな、ここの奥さん」

家に仕事を持ち帰った日出夫さん。
徹夜だという夫のそばで、月美さんも腕まくり。

「私も、たまっていた用事を片付けちゃおう」
月美さんの用事は、録画したテレビ番組を見ることだった。

一日中コタツに入りっぱなし。
ダイエットを決意し、上着を羽織る月美さん。
走るのかと思いきや、ストーブをたいてコタツにもぐり、「サウナ」

月美さん、子供を叱る。
横目でアニメを見る子供に、
「叱られてるときはよそ見をするな!」 

でも、ワイドショーに変わったとたんに
ちらちらとテレビを見るのは月美さん自身。

酔っ払って帰ってきた夫。
「誰のせいで飯が食えると思ってるんだ」 

隣で眠りながら、何気ない振りをして夫の顔面にパンチ一発。
寝言を装って「アナタ、愛してるぅ」 
寝ぼけているのかと、引き下がるしかない夫、日出夫さん。

部屋が汚い。日出夫さんは一計を案じる。
玄関の外から妻に向けて、「モップのお取替えに来ました〜」 

使っていないモップはまるで汚れていない。
このまま出しては恥だと、月美さんはあわてて家中の大掃除。

畳を干そうという話に。月美さん、ふと思いついた。
「忍法タタミ返しって本当にできるのかな?」 

畳を叩いてまくり上げ、姿を隠す忍術に、夫婦二人で挑戦する。
二時間後、真っ赤になった手を見ながら、
「今年は畳を干すの、やめよう」

街頭でのティッシュ配り。通りがかった川越夫婦。
だが運悪く、アルバイトのお姉さんはティッシュを補充するために
後ろを向いていた。
月美さんは後ずさり。もらえるまでそこを通るのだ。


めちゃくちゃ笑ったんだけど、私。

大人向けの男女交際の本が売れてるけど、
こういう本をあわせて読むといいかもしれないなんて思った。
美しい理想や幻なんか、打ち砕いてくれそうだもの。

その代わり、人間ってかわいいなあ、アホだなあ、愛しいなあ、なんて思えれば、
自分の中のかたくなな何かが、ぱりんって壊れるかもしれないよね。












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2009年11月20日

機動戦士ガンダムさん いつつめの巻






とうとう五巻目かあ。感無量だなあ。

ガンダムをネタにしたパロディ漫画。

一年戦争だけをテーマにしているので、
さすがにネタ切れ感が否めない。
一巻、二巻が爆笑の嵐だっただけに、寂しいところですな。

でも、最初のパソコンネタは文句なくツボに入り、
笑わせてもらった。

動かないガンダム、あせるアムロ。

マニュアルを探ると、
ガンダムのプログラムはVISTAでは動きません、との表示が。

ガンダムのOSって何なんだろう。
XPか?もしかして98?

動かないのでサポートセンターに電話するアムロ。
利用するためには、一分50円の情報料がかかると聞いて、

「てめえンところの腐れMSが動かないのに、なんで金払わなあかんのじゃ!」

ようやく、ガンダム、大地に立つ。戦うための武器がいる。
無料お試しのバルカンを使ってみると、
早々に無料キャンペーンが終了。

「ホラ見ろ、結局高くつくじゃねえかよ!!」

三、四巻で連載されていたガルマくんの成長物語は、
舞台を仕官学校に変えて続けられる。

士官学校に入学したガルマくんは、
なんと友人のシャアとお笑いの道を目指すことに。

きっかけは、学園祭に出演を予定していた芸人が、
きゅうきょ舞台をキャンセルしたことだった。

代わりに来たランバ・ラルさんの芸はまったくウケず、
仕方なく二人は舞台へ登る。

最初はドン引きだった客だが、
ガルマの天真爛漫な振る舞いに引き込まれ、
二人はあっという間に人気者になってしまう。

ランバ・ラルさんが、

「わしのスベリは計算やっ!わざとスベって笑わせる、
高等テクなんや!」とハモンさんに弁解し、

怒ったハモンさんに
「あなたのは笑わせているんではないんです、笑われているんです」
と反撃されるのはかわいそうだった。

もうこの漫画、ガンダムのパロディだけでは続かないみたいだね。

他に、機動戦士ガンダムが作られた当時のエピソードが掲載されている。

持ち込まれた企画に、
「SFドラマじゃないか。子供向けアニメにするには、10年早い」と戸惑う安彦良和氏。

それに対して監督の富野ヨシユキは答える。

「だったら、俺たちの手で時間を10年進めようじゃねえか」

ガンダムは最初、全身白のデザインであったようだ。
これに反対したのがおもちゃ会社のバンダイ。

真っ白の玩具など、子供が欲しがるわけがない。

「兵器はシンプル。白でいい」という富野氏に対し、
「まず売れなくては」と、安彦氏が赤、青、黄色の色彩を施す。

だが、リアルな戦争モノを作りたいという富野氏は、
敵の兵器でその理想を実現した。
それがザク、単色の戦闘用兵器である。


いつまで続くかなあ。楽しみでもある。

三巻、四巻の「隊長のザクさん」が好きだったので、
また機会があれば描いて欲しい。











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2009年09月24日

映画クレヨンしんちゃん嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦






人気漫画、クレヨンしんちゃんの番外編。
アニメ映画になった。

実写映画としてもリメイクされ、
「バラッド・名もなき恋のうた」として現在公開中である。

物語は、おなじみの野原一家が同じ夢を見たところから始まる。

夢に出てきたのは戦国時代の美しいお姫様。
不思議に思っていたところ、
飼い犬のシロが庭から一通の手紙を掘り出した。

手紙はしんちゃん自身が書いたもので、
「おら天正二年にいる。お姫様チョー美人だぞ。
お車で来てね、早く来てね」とある。

チョー美人のお姫様に会いたくなったしんちゃんが目を閉じると、
しんちゃんはなんと、天正二年、
戦国時代にタイムスリップしてしまったのだった。

折りしも合戦のさなか、
しんちゃんは得意のお尻出し作戦(?)で
井尻又兵衛由俊という侍の命を救う。

しんちゃんは彼をお又のおじさんと呼び、
城へ連れ帰ってもらう。

城には、夢で見たチョー美人のお姫様がいた。廉姫という。

お又のおじさんと廉姫は幼馴染で、
互いに慕いあっていることをしんちゃんは見抜いた。

だが、身分違いである。
又兵衛は一介の侍で、廉は姫。

廉に隣国からの縁談が寄せられていることを
又兵衛は知っているが、
どうすることもできない。

その頃、現代の野原家では
しんちゃんの失踪に両親が頭を抱えていた。

シロが掘り出した手紙を頼りに、
野原ひろし、みさえは、妹のひまわりを連れて
車で天正二年にタイムスリップしようとする。

「しんのすけがいない世界に未練はない」と意気込みながら、
車にビールを積みこむ父、ひろし。

こういうところ、好きやわ。

さて、見事戦国時代にタイムスリップした野原家は、
隣国との合戦に巻き込まれることになった。

姫が縁談を断ったことを口実にされてしまったのだ。

あなたたちは未来へ帰りなさい、と姫は言う。
一度は車で城を逃れた野原家。

だが、「父ちゃん、お助けしなくていいのかな」という
しんちゃんの言葉に、父ひろしは躊躇する。

決意ののち、「野原家ファイヤー」の掛け声とともに
車で戦闘に突っ込んでいく野原ひろし。

冷や汗たらたら、必死の形相。
サラリーマンの意地を見せてくれる。

しんちゃんの活躍で敵軍は退くことになった。

だが、敗残兵が放った銃弾が、又兵衛の胸を貫く。

「最初に出会ったとき、
しんちゃんに助けてもらわなければ死んでいた。
大切な人と国を守る働きができて、感謝している」
と又兵衛は言う。

「もう、あれほど好きになれる人はいない。
生涯誰にも嫁がない」という廉姫に別れを告げて、
現代に戻る野原家。

切ないエンディング。


うえ。泣くわ、これは。

平凡で弱虫でお人よしの野原一家。
これからもずっと活躍してほしい。













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2009年09月13日

星守る犬






コミック。

一面のひまわり畑と、真ん中でたたずむ白い犬のイラストが表紙だ。
犬の目線で語られる物語。

捨てられていた白い犬は、
ある日女の子に拾われて一家の飼い犬になった。

えさをくれるのはお母さん、
散歩に連れて行ってくれるのはお父さんだ。

家では寡黙なお父さんだが、
散歩に出たときだけはおしゃべりになる。

「俺がスキルアップなんて言い出してみろ、
こんな時間とれないんだぞ。感謝しろ」と犬につぶやき、
傍らの犬は「はい、お父さん」と答える。

お母さんにはいろいろと悩みがあるようだ。
パートのこと、介護のこと、娘のこと。

お父さんに相談するが、お父さんは今ひとつ話に身が入らない様子。
犬は足元で、二人の会話に耳を傾けている。

お父さんとのお散歩が、昼間になることが多くなった。
ハローワークに入ったお父さんを待つ時間も長くなった。

そんな日々が続き、お父さんとお母さんは離婚することになる。

犬を飼えるマンションは家賃が高い。
お父さんは犬を連れて車に乗り、
親族がいる南の地方へ行こうと決めた。

親に捨てられた子供に出会い、
子供のためにパンを買ってやるお父さん。
しかし子供はお父さんの財布を取って逃げてしまった。

子供はおじいさんのいる北海道に行きたかったのだ。

一難去ってまた一難、犬が突然の病に襲われる。
動物病院にお金を支払うために、
お父さんはわずかな荷物をリサイクルショップに売り払った。

一文無しだ。お父さんと犬はキャンプ場で車を止めた。
いや、止まったのだ。
ガソリンがないと車は走れない。

キャンプ場には遊びに来た人たちが捨てた食べ物がある。
それを食べて食いつないでいたが、
冬場になるとそれも減ってしまった。

お父さんには持病があった。
車の中で息を引き取るお父さんと、その姿を見守る犬。

わずかな食べ物を拾ってきて、
「お父さん、食べ物がありましたよ、お父さん、お父さん」と、
犬は死んだ男に呼びかける。

ある夜、
「つかれきっちゃいましたよ、おとうさん、
こにんやもほしがいっぱいですね」と眠りについた犬のもとへ、
お父さんが現れる。

「やっときてくれたんですね、まちくたびれましたよ。
おさんぽですか、ありがとうございます、おとうさん!」

お父さんと犬の遺体が発見されたのは、
ひまわりが咲く夏になってからのことだった。

続編で、彼らの足取りをたどる
福祉課の人間の物語が掲載されている。


お父さんは不器用なところがあるかもしれないが、
ごく普通のおじさん、どこにでもいそうな人だ。
こんなの、ないよ。

また犬の視線が優しく、それがなおいっそう切なさを募らせる。

人によっては憂鬱になる物語かもしれない。
私も、あんまり楽しい気分にはならなかった。
ただ号泣。
これを書いている今も泣いている。

タイトルの星守る犬とは、
手に入らないものを求める人を表す言葉だそうだ。

星を眺める犬の姿が、その所以であるという。





更新している今も泣けてきた。
なんて本だよ…。

お父さんはきっと、自分が立派な人間じゃないって
よくわかってたと思う。

だけど犬はそうは見ないんだよな。

おとうさん、おとうさんって。

けなげなんだよなあ。



泣けるわ…。










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